創価大学ニュース「SUN」106号 2020 Summer

ゼべリング・リチャード・伸一 さん 教育学部2015年卒業(41期) 足立区立長門小学校 教員 ながと ドイツから、東京の下町にある小学校の教壇へ。 09  ドイツで生まれ育ったゼべリングさんは自分のもう一つ のルーツである日本の言葉をもっと自由に使いこなしたい という思いから、高校を卒業してから1年後、ドイツから日 本に渡り、創価大学の別科日本語研修課程に留学をした。 「最初は日本語を学ぶだけのつもりでしたが、学生はす ごく人に優しく、後輩をとても大切にしていて、そんな創 価大学の校風に感動して学部への入学を決意。どうせ なら昔からの自分の夢を叶えようと、教育学部に進みま した。しかし、日本の教育を受けていない私はスタート ラインがまわりの学生と全然違いました。例えば『馬鈴 薯の生産量の多い県は?』という問題にも、馬鈴薯って そもそも何だ? ジャガイモなのか! と学ばなければい けないことが膨大にありました」  教員採用試験には2回落ちたが、挫けなかった。「労苦 国境を越え、文化の違いを超え、教壇に立つ自分だからこそ、 子どもたちに伝えられることがある。 と使命の中にのみ人生の価値は生まれる」という創立 者の言葉を胸に、今、目の前にある苦労はすべて意味が あって未来につながっていくんだと、前進した。  そして今、ゼべリングさんが日本の小学校の教壇に立 ち始めて、6年。全国的に外国語指導助手の数は増えて いるが、ゼべリングさんのように日本の教員採用試験に 合格して正規教員として働く外国人教員は数少ない。国 境を越え、苦難を乗り越えた自分だからこそ、子どもた ちに伝えられることがあると胸を張る。 「違う国で生まれ育った私が、今、日本で教員として働 いている。そのことを通じて、子どもたちに『どんな挑戦 をしてもいいんだ』と、知ってほしい。子どもたちの可能 性を最大限に広げるために、教員として全力を尽くして いきます」 1988年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。日本人の母 親との会話で親しんでいた日本語を学ぼうと、2010 年に留学。翌11年に教育学部に入学した。大学卒業 後は教員採用試験を受けながら非正規職員として 経験を積み、17年に正職員となり現職に就いた。 ゼべリング・リチャード・伸一さん 学生時代、石丸ゼミの仲間たちと たから

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