創価大学ニュース「SUN」107号 2020 Autumn

16 SUN107 2020 Autumn  創立者の「21世紀はアフリカの世紀」という言葉を指針に、創 価大学ではアフリカでの社会貢献活動に積極的に取り組んでい ます。  その一つが、科学技術振興機構(JST)および国際協力機構 (JICA)による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS)に採択された、「SATREPS-EARTH」プロジェク ト。エチオピア最大の湖タナ湖に繁殖する外来の水草ホテイアオ イを駆除しようというものです。ホテイアオイの繁殖は、湖での漁 業を生業とする人々の活動を邪魔し、生態系にも悪影響を与え ています。東京都とほぼ同じ面積のタナ湖のうち、東京都23区ほ どの広さでホテイアオイが繁殖していると聞けば、その猛威を実 科学の力で、外来水草から美しい湖を救え! SDGsに貢献する国際科学技術協力プログラム 感できるのではないでしょうか。  このプロジェクト成功の鍵を握るのが、ホテイアオイの駆除だ けでなく、有効活用することにあると佐藤教授は語ります。 「現地でもホテイアオイの繁殖は大きな問題で、すでに15年ぐら い前から国をあげて対策しています。しかし、人海戦術で刈り取っ ても、繁殖スピードに追いつかない。さらには刈り取ったホテイア オイがそのまま放置されるため、腐敗して悪臭が出るといった新 しい問題も生まれています。そこで私たちは、ホテイアオイを駆除 するだけでなく、エチオピアを豊かにするための資源として活用 することを考えたのです」 「SATREPS-EARTH」プロジェクトでは、駆除したホテイアオイ を固体と液体に分離。液体はメタン発酵処理をしてエネルギー 資源・メタンガスにします。その沈殿物は肥料として活用し、新時 代のスーパーフードとして注目を集める「スピルリナ」を現地で生 産します。  搾りかすは、バイオ炭にして畑の土壌改良に使用します。佐藤 教授は炭を活用した土壌改良を研究する専門家なのです。 「今回のプロジェクトの大きな目的は、大学での研究成果の社会 実装です。創価大学ではSDGsに力を入れていますが、私たちの 活動がうまくいくと、環境改善とともに健康増進や経済活性化と いったSDGsの多くのゴール達成にも貢献できます。自分たちの 研究がどのように社会に貢献するのかを目の当たりにできること は、本学の学生たちにとってもかけがえのない経験になることで しょう。  また、この水草問題は世界中の湖沼で問題になっています。エ チオピアでプロジェクトを成功させて、世界中の人々の生活や自 然環境改善に貢献していきたいです」 佐藤 伸二郎 教授 理工学部 共生創造理工学科 ◀ タナ湖の水平線の彼方まで 広がるホテイアオイ。人が 立ってい 部分より奥は湖 面である ◀ エチオピア・バハルダ 大学に建設した小型スピ ナ培養装置 佐藤教授の研究内容について、本学ホームページで 動画によるわかりやすい解説をご用意しています。 3分ちょっとで分かる!廃棄物を有価物に―エチオピアのタナ湖を救え https://www.soka.ac.jp/headlines/sodai_lab/2020/07/4970/ SDGsへの寄与をはじめとした社会貢献活動を、真に社会課題の解決へとつなげるには、科 学の力が必要です。たとえば、もっと多くの人々に健康を提供するためには新薬開発や医療機 器の進化が大きな力を発揮します。環境問題においても、ごみの再利用技術や新しいエネル ギー技術が欠かせません。本学の理工学部においても、今後、社会課題を乗り越える科学 の力が大きく成果を発揮しつつあります。今回は、二つの研究をご紹介します。 nce

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