学 問 探 訪 浅井 学教授 【 経済学部 】 「データサイエンス教育」で広がる、 “学生の将来”と“持続可能な世界”の可能性 コロナ禍によって日本社会のDX (Digital Transformation:デジタル革 命)が急速に進んでいます。もっとも象徴 的なのが「ウェブ会議」。そのソフトやアプ リケーションは企業活動の必須ツールと なり、学校教育の現場でもオンライン授 業を定着させました。こうしたDXの波は、 社会が求める人材像にも大きな影響を与 えています。そのキーワードとなる「デー タサイエンス」について、創価大学データ サイエンス教育ワーキンググループ座長 の浅井教授に教えていただきます。 『データサイエンティスト』という言葉を ご存じでしょうか? 社会にあふれる膨 大なデータから新しい価値を生み出す 『データサイエンス』の専門家のことです。 「そのアイデアから生まれたものとして、 例えば病院の問診票の電子タブレット化 があります。患者さんが選択した情報が 自動で電子カルテに反映され、“症状に合 わせて質問内容が変化する”という、紙で は不可能な方法で診察の可能性を広げま した。もちろんWebやSNSの発展、便利 なスマホアプリの開発の裏にもデータサ イエンティストの活躍があります」 SDGsの推進にもデータサイエンスは貢 献しています。社会課題を調査・考察する なかで得たデータから解決のベストウェイ を選択するための統計やデータ解析の能 力もデータサイエンスに該当するそうです。 「今後到来するSociety 5.0※では、昔の 『読み書きそろばん』のレベルで、データ サイエンスの基礎的な知識やスキルが求 められるようになると言われています」 そうした世界の潮流に合わせ、2019年 6月に日本政府は『統合イノベーション戦 略2019』として「、データサイエンス・AI の応用知識を持つ人材を、文系理系を問 わず、年間25万人育てる」という目標を掲 げています。創価大学では、そうした動き に先駆け2019年度より全学部対象の副 専攻として『データサイエンス』がスター ト。2021年度から日本IBMの協力のもと 開講する『データサイエンス演習』は、考 察力に富んだ文系学生と情報システムの File 26 創大の 知識の豊富な理系学生が切磋琢磨しなが ら、SDGsなどの社会課題の解決に取り 組む注目の演習科目となっています。 「さらに2022年度からは全学必修科目と して『データサイエンス入門』がスタートし ます。全学必修となると、気持ちがついて いかない学生も出てくることでしょう。そ うした学生に関心を持ってもらえるよう、 各学部・学科の学びとの相乗効果でどのよ うな価値を生み出すかを理解してもらい、 心のハードルを下げたうえで、データサイ エンスを学んでもらおうと考えています。 課題解決で一番大切なことは、悩んで いる人への心配りだと思います。それが自 然とできるのが創大生の強みです。そうし た強みがデータサイエンスによって強化さ れることで、次々と社会課題の解決策が 本学から生まれることに期待しています」 13 [ テーマ ] 大学教育のDX (デジタル革命) Manabu Asai 注)Society 5.0は、IoT(Internet of Things)、 ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新た な技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイ ノベーションを創出し、一人ひとりのニーズに合わ せる形で社会的課題を解決する新たな社会です。
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