「苦しい状況だからこそ、その状況でできること、 学べることをするという強さを持ってほしい」 榎木 和貴 / Kazutaka Enoki 野口 みずき / Mizuki Noguchi 1978年三重県生まれ。宇治山田商業高校を経て、実業団チームのワコールに入社。その後、グロー バリー、シスメックスに所属。2003年パリ世界選手権マラソン銀メダル、2004年アテネ五輪で金メ ダル。2016年3月の名古屋ウィメンズマラソンで現役引退。現在は、メディアやイベントなどで活躍。 実業団チームの岩谷産業でアドバイザーとして選手を指導している。 1974年宮崎県生まれ。中央大学で箱根駅伝を4年間走り、4年連続区間賞 の快挙を成し遂げ、キャプテンも務めた。卒業後は旭化成、沖電気を経てトヨ タ紡織所属。同社陸上競技部コーチを経て、監督を務める。2019年2月1日 から現職。 by 野口みずき 試合は、ほぼありませんでした。アテネオ リンピックもそうです。だから「弱点を克 服するために、こんな練習をしてみよう」 と試行錯誤を繰り返していました。 榎木:箱根駅伝でアンカーを走った小野 寺は、本番で練習してきた成果を自信に 変えられない部分があって、それが優勝 を目の前にしながら崩れた一因かもしれ ません。その辺のメンタルの強化も、これ からチームの課題になると思っています。 野口:箱根駅伝のあと、小野寺選手の メンタルは大丈夫でしたか? 榎木:はい、もうしっかりと乗り越えて くれています。箱根前より厳しいぐらい の練習ができていますよ。 野口:とても気になっていました、最後 で抜かれてしまったので……。でも榎木 監督のお話からチームの雰囲気のよさを 感じたので、小野寺選手のつらい部分も チームでフォローできたのでしょうね。 今回経験したことを糧にして、「次はやっ てやるぞ!」という負けん気をどんどん 見せてほしいなと思います。 榎木:ありがとうございます。あとは、 野口さんに気合を注入してもらえたら万 全です(笑) でも、本当に大舞台での経験が不足 していたと感じます。オリンピックという 大舞台で成果を出すために、野口さんは どんな対処をされていたんですか? 04 SUN109 2021 Spring 野口:私は、イメージトレーニングを大 事にしていました。金メダルをとる前は、 トレーニング中に「気持ちよく1位でゴー ルしている自分」をイメージしながら走っ ていました。逆に「レース中に足が急に 痛くなったらどうしよう」といった、ダメ なときのイメージトレーニングもしてい ました。 常日頃、いいときと悪いとき両方のイ メージを持っておくと、実際にそうなっ たときに冷静に対処できるものです。冷 静に物事を考えて行動する大切さも、走 りで学べたような気がします。 榎木:私もレースの前に、選手たちには 最高な状態で走れたときのタイムと最低 な場合のタイムの2パターンを出させて います。どんな状況になっても冷静に対 応するためです。 選手たちにはしっかりとネガティブな ことも意識して準備をしていってもらい、 指導者としては背中を押すことを中心に 考え、選手がネガティブになったときは いかにポジティブに引き戻すかを心がけ ています。 野口:そうしたポジティブとネガティブ、 両方の意識を持つことは、日常生活でも 大切ですよね。創大生の皆さんは、もし かしたらコロナ禍でネガティブなイメー ジを多く抱いているかもしれません。だ からこそ、希望を持って一つひとつ確実 に自分の目標をクリアしていってほしい なと思っています。それが必ずいつか大 きな希望の光になると思いますし、大き な花を咲かせてくれるはずです。 榎木:そうですね。私たち創価大学駅 伝部も、来年も多くの方に再び希望を与 えられるように頑張っていきます。 野口:来年も快走、期待しています!
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