創価大学ニュース「SUN」110号 2021 Summer

創価大 学 から世界 へ F r om Soka Un i ve r s i t y t o t he wo r l d 北京大学へ留学して私が印象的だったのが、中国では「人に迷惑をかける」ことを当たり前として考えていること でした。その言葉の裏には「迷惑をかけ合ってないと、人は生きていけない」という共通意識があり、日本人の持つ 「人に迷惑をかけることはダメ」という認識自体が、他の文化では通用しないことを知り、固定観念が覆りました。 また、言語が変わると見える世界が変わることを知りました。新型コロナウイルス感染症についての報道で も、中国語と日本語では、異なる情報が飛び交っていました。日本にいると、中国に対して壁を持っている人が まだまだ多いと感じます。しかし現地に行くと、世界各国から学生が集まっていて、想像以上にエキサイティン グな中国があります。留学という貴重な体験ができたのは、先輩方が築き続けてくれた信頼関係があったから だと感じています。私の体験もその一部となり、後輩たちの留学に役立ってほしいと思います。 日本人的な感覚とは違う“居心地の悪い体験”が、 世界市民に必要な“寛容さ”を育んでくれた。 異文化体験とは、固定観念を越えて、 他者との違いをポジティブにとらえること。 私は1980年の8月から1年間、創価大学初の交換留学生として北京大学へ留学しました。大 学卒業後も中国と関係の深い電機メーカーに就職、中国駐在など20年以上を中国で過ごしてい ます。現在も上海で働いており、当時の思いがそのまま今につながっていると感じます。 私が中国に魅力を感じたきっかけは、中学校で創立者の訪中の様子に触れたことでした。そし て創価大学に進学後は「中国研究会」というサークルに入り、中国からの留学生との交流を通じ て、中国語を少しずつ覚えていきました。4年生のとき、創価大学と北京大学の学術交流協定が 締結。私は初めての交換留学生に応募し、念願の訪中を叶えたのです。 当時、改革開放が始まったばかりの中国は、戦後間もない日本とほぼ同じぐらいの経済レベル で、まるで修行のような日々でした。通信手段は手紙だけなので、親や友人との通信で、100通以 上の手紙を書いたと思います。日本の情報は中国に駐在していた先輩がくださった日本の新聞だ けだったので、みんなで回覧し、むさぼるように端から端まで読んでいましたね。 留学中の唯一の楽しみは、中国の国内旅行でした。長期休みのたびに各地へ行き、旅先での中国 人との交流にとてもよい刺激を受けました。例えば、場の空気を読んで合わそうとする日本人特有 のコミュニケーションは、中国ではまったく通用しません。さまざまな場面で居心地の悪さを経験し たり感じたりしましたが、それを「いやだなぁ」で終わらせずに対応していく自分をつくっていきまし た。実はこの居心地の悪い体験こそが、異文化体験の一番の糧になるところであって「、日本と違う な「」日本だったらこうなのに」という考えから脱却し、自分を客観視し、多様な価値観で日本を見つ める機会なのです。今でも当時の「居心地の悪さ」を受け入れた経験が、一番活きていると思います。 これからは、ますます海外と向き合うことの重要性が高まっていきます。創価大学には留学する 機会がたくさんありますが、一つひとつの交流先は創立者、そして先輩方が築いてきた大切な財 産です。創立50周年で世界中に200以上の交流先があるのは、本当にかけがえのない価値のあ ることだと思うので、ぜひ、創価大学の優位性を最大限に活かし、自分で目標や興味を持って留 学に挑戦してください。 吉富 正樹 さん 法学部/7期卒業生 中華人民共和国・北京 よしとみ まさき 萩原 直美 さん 文学部4年 ▲留学中に訪れた南京中山陵(左)と 内モンゴル(右)での記念写真 はぎわら なおみ 07 1980年 留学 2019年 留学

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