創価大学ニュース「SUN」124号 2025 Winter

「逃げない自分」への スイッチが入った 仲間との出会いが変えた、 挑戦する勇気の物語 経営学部4年 鈴木 彰太さん ※GCPは、学生がグローバ ルな視点を育み、国際社会で 活躍するための基礎力を養う プログラム。6学部から集まっ た学生たちが、グループワー クや議論を通じて多角的な視 野を磨く 詳しくは▶ 10 SUN124 2025 Winter 「最後まで逃げ出さない。そう決意したときが、私のスイッチが入った瞬間でした」。鈴木さんは、 消極的だった自分が困難に立ち向かう自分へと変わっていった転換点をはっきりと覚えている。 大学1年次、苦悩のなかで見つけたスイッチ 入学直後はコロナ禍だったが、徐々に対面授業が再開され、片道2時間の通学とGlobal Citizenship Program(GCP)※での活動の両立に悩んでいた。 「もともと自己肯定感が低く、それでいて完璧主義な性格。何かに行き詰まるとすぐに逃げ出 したくなり、課題も最後まで頑張りきれない。そんな自分でした」 そんなとき、周囲の支えが彼のスイッチを入れた。 「家族、友人、先輩、教員など多くの方々が支えてくれた。特に先生方からは『逃げないこと、 諦めないこと』を繰り返し教わり、友人たちからは励ましをもらいました」 スイッチが入って訪れた、二つの大きな変化 励ましは、鈴木さんに二つの重要な変化をもたらした。一つは、物事への姿勢の変化だ。 「困難や課題をプレッシャーではなく、成長の機会としてとらえられるように。今では課題に立 ち向かうことを楽しんでいます」 もう一つは、周囲との関係性の変化である。 「人を頼ることができるようになりました。創価大学には悩んでいるときに正しい方向に導いて くれる方々が大勢います。GCPの教員や先輩からの的確なアドバイスが、今の自分をつくってく れました」 スイッチが入ったあとの成長は目覚ましく、TOEICスコアはわずか1年で590点から820点へ。 さらに、留学前までには905点へと大幅に向上した。 「目標スコアを超えたとき『自分にもこんなことができるんだ』と。逃げ出さないと決意してから より大きな挑戦ができるようになりました」 その努力が特待生選出やベトナム留学という新たな挑戦につながった。中村みゆき教授の ゼミでは、約10カ月におよぶ「日経STOCKリーグ」コンテストのグループワークもやり切った。 現在は金融機関への就職が決まり、将来は東南アジアの金融サービス発展への貢献を目指す。 「創立者池田先生の『労苦と使命の中にのみ人生の価値(たから)は生まれる』という言葉を 胸に、これからも挑戦を続けていきたい」と語る鈴木さんの瞳には、もう迷いの影は見えない。 GCPの集大成である成 果報告会では「、大量生 産・大量消費社会にお ける環境問題の解決を 目指して」とのテーマで プレゼンを行った コロナ禍で入学から半 年間は完全オンライン授 業。その環境下でもとも に支え合い切磋琢磨し あったGCPの仲間たち

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