創価大学ニュース「SUN」124号 2025 Winter

11 「技術と人をつなぐ」 スイッチが入った 最先端のロボット研究に 見いだした使命 大学院理工学研究科2年 大熊 裕樹さん 「なぜ学ぶのか」。その問いに明確な答えを得たとき、研究への情熱に火がついたという。大 学院で最先端のロボット研究に取り組む大熊さんは、技術と人との懸け橋になることを目指し ている 。 彼が所属する研究室では、「生活支援ロボットの実現」という、人とロボットが共存する新し い関係性を模索している。ロボカップと呼ばれる競技大会では、完全オリジナルのロボットを製 作するオープンプラットフォームリーグで4年連続日本一に輝いた。一昨年はフランス、昨年は マレーシアでの世界大会にも出場を果たした。 “出会い” から見つけた夢中になれる自分の道 「最初からロボット研究を志していたわけではない」と大熊さんは語る。当初は別の研究室を 希望していたが、先輩のすすめもあり、現在の道を選んだ。この選択が人生の転機となった。 スイッチが入った瞬間は、オープンキャンパスでのデモンストレーション。 「開発したロボットが人の指示通りに物を運び、来場者の歓声と拍手を受けたとき、目の前の 学びが人の役に立つ実感を得ました」 それが、研究への姿勢を大きく変える契機となった。男子寮での3年間も、彼の成長を大きく 後押しした。 「創立者池田先生の『実力をつけることで、たくさんの人を守っていける』との言葉を胸に挑 戦するなか、『何のために学ぶのか』という問いへの答えを見つけた」 この気づきが、学びへの姿勢を一変させた。 「それまで消極的だった研究に、積極的に取り組むようになりました。生活の大部分を研究に 費やすようになったのも、このときからです」 AIとロボットが描く未来へ 現在、大熊さんが取り組むのは、ロボット同士が場所の名前を共有する研究だ。 「例えば、子どもが『ワンワンのおうち』と呼ぶ場所を母親が理解できるように、ロボットもそ うした柔軟な理解を持てるようにしたい」 この技術が実現すれば、ロボットがより自然な形で人々の生活を支援できる未来が開ける。 「自分から一歩踏み出せば、必ず道は開かれると信じています」 就職ではロボット分野を離れるが、これまでの学びを土台に、新たな分野でも挑戦を続ける決意だ。 1年生の秋、創大祭実 行委員会に挑戦。広報 宣伝部門として活動 中学から大学までラグ ビー部に所属。寮・ラグ ビー部・勉強の三立に 挑戦 自身の原点となった滝山 寮での生活。寝食をとも にするなかで一生涯の 友情を築くことができた

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