創価大学ニュース「SUN」124号 2025 Winter

12 「信じる力」の スイッチが入った 不登校を乗り越え、 人を信じる喜びを知った 法学部4年 橋本 美紀さん 「まわりの人のために生きていける自分に、ここまで変われるとは思っていませんでした」 中学時代に不登校を経験し、人を信じることができなかった。でも今は後輩から相談を受け るなど、周囲から信頼される存在となった。その変化には、創価女子短期大学、そして創価大 学での出会いがある。 人を信じる勇気が芽生えた 中学3年生の春、教室に入る勇気を持てず、別室で授業を受ける日々を送っていた。 「みんなと同じようにできない自分が苦しくて。支援してくれる人たちも、私を見ているのではな く、ただ型にはめようとしているように感じた」 そんなとき、創価女子短期大学の存在を知り、パンフレットに描かれた温かな雰囲気に心が 動かされた。「ここなら変われるかもしれない」と希望を見いだし、入学を決意した。 創価女子短大の姉妹の絆が育んだ成長 短大生活は想像以上の変化をもたらした。特に寮生活での先輩との出会いが、大きな転機となった。 「利害関係なく、1人の人を信じ続ける姿に『どうして他人のことをこんなにも考えられるんだろ う』と衝撃を受けました。私も変わりたいと思いました」 先輩から受けた励ましを、自分が後輩に返していく。その連鎖が人を信じる力を育んだ。 短大での2年間で大きく成長し、さらに学びを深めたいと創価大学法学部への編入を決意。 一度は経済的な不安から就職を考えたが、恩師が『本当はもっと学びたい気持ちがあるはずだ』 とその本心を見抜き、『絶対に大丈夫だから』と励ましの言葉をかけてくれた。その言葉が、新 たな一歩を踏み出す原動力となった。 不信から信頼へ、そして未来へ 創大編入後は学生自治会や全学代議員会で活動し、人間不信から抜け出した経験を活かし、 悩める学生たちの支えとなっている。 「『橋本さんだけには話せます』と言ってくれる後輩もいます。昔の私は、自分と家族だけが幸 せならそれでよかった。でも今は、まわりの人の幸せも一緒に願える自分に変われた。たとえ自 分を傷つける人がいても、信じ続ければ一番の親友にだってなれるんです」 その言葉には、人を信じる喜びを知る者だけが持つ、深い包容力と温かな想いがあふれている。 成人式での写真。 いつも全力で支えてくれ る大好きなお父さん、お 母さんと 恩師と短大の友人で短 大周辺を散歩。「父娘の 絆」の石盤で原点に立 ち返る 大好きな短大姉妹とマ リー・キュリー像の前で。 卒業しても毎日連絡を 取り、励まし合っている SUN124 2025 Winter

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