創価大学ニュース「SUN」95号 2017 Autumn

02 Soka Univ. News 特集1: 創大・短大の 女子力 卒業生への Interview 教育の現場は想像以上にハードですが、 創価教育を体現したいと、子どもに 向き合っています。 教員の道へ進むか悩む 自分の背中を押してくれたもの  創大を受験する頃、私は国際協力関係の仕 事に就きたいと思っていました。高校時代に貧 困地域の子どもたちの教育環境や青年海外協 力隊の活動を知ったことがきっかけで、世界の 国々に興味を持つようになりました。自分にも 何かできることはないかと模索しながらの教育 学部への進学でしたので、将来の自分の姿が あまりにも漠然としていました。  ある日、アフリカ企業・産業の研究をされてい る西浦昭雄教授を訪ね、自分の思いを聞いて いただきました。すると、「はっきり言うと、今の 君がアフリカの現場へ行っても何の役にも立た ないよ。まずは教員になって日本で実力を付け なさい。それからでも遅くはないよ」と指摘され たのです。この頃、広告業界や進学業界でイン ターンも経験していましたが、企業で働く自分 の姿が想像できませんでした。結局は、教育実 習で過ごした子どもたちとの時間が忘れられず、 最も私らしくいられる職業は「教師」だと思いま した。教師の道を志す中で一番大きかったの は、創価教育を体現するのだという気持ちです。 子どもに対して、一対一のかかわりを大切に接 していくこと。何か問題が起こったときには、表 面的な事象だけにとらわれるのではなく、その 子が今何を抱えているのか、家庭環境はどうな のかまで思いを巡らせ、とことん向き合うこと。 この姿勢は、今でも私の原点であり、誇りです。 教育の現場で行き詰まったとき、 初めて母校に戻りました  最初に赴任したのは、下町の小学校でした。 学校生活に馴染めない子や友だちとうまくコミュ ニケーションが取れない子が多くいる中で、毎 日声を枯らしながら「人には優しく接するのよ」 という思いが伝わるように、体当たりで接して きました。すると、子どもたちの態度は少しずつ 変化していき、優しい言葉で溢れる学級に変 わっていきました。  一方で、教育現場の難しさも感じていました。 保護者や子どもの環境は千差万別で、接し方 に正解はありません。保護者の要望に自分の 実力が伴わないと感じたときのやるせない思い は、本当につらいものでした。精神的にも体力 的にも限界を感じ、もう辞めようと思ったのは、 教員になって4年目のことでした。もう一度原 点に返ろうと、卒業して初めて母校に戻り、鈎 治雄教授にお会いしました。先生は、「無理な ときは頑張らなくていいんだよ。あなたの健康 が大事なんだから」と励ましてくださり、その言 葉は私の心と身体に深く染み渡り、また歩みを 開始する大きな力となりました。  その後、現在の千代田区立番町小学校に赴 任しました。番町小は歴史ある小学校です。研 究においても積極的で、2016年の研究発表会 では、「ビブリオ番町 すべては読・書から生ま れる」という研究主題のもと研究発表を行い、 文部科学省の教科調査官の方から高い評価 をいただきました。このことを創立者にご報告 したところ、たいへん喜んでくださいました。  教育の現場は、様々な要素が絡み合い、難 しいことばかりですが、子どもたちの笑顔や成 長を目の当たりにすると、全ての苦労が喜びに 変わります。これは、何物にも代え難い財産で あり、私には最高の出来事です。これからも教 育現場に立ち続けようと思っています。 神窪 和子 さん 東京都千代田区立番町小学校教諭 創価大学教育学部教育学科2009年卒 東京都出身 【私のキャリアノート】 部活:教育学部企画 留学:なし 取得資格:小中高教職免許 その他:1年次より、教育学部企画に所 属。4年間の大学生活で、創大祭実行委 員会運営役員として大学建設に携わっ た。在学中は、往復4時間かけて通学 Profile 教壇に立つ神窪さん

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