創価大学ニュース「SUN」99号 2018 Autumn

10 Soka Univ. News 特集3  SDGs への本学での取り組み事例 沿岸域の海洋生態系の実態を調査 主に沿岸域の海洋における海中の植物プランクトン濃度など、海洋の実態を調 べる研究をしています。SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」では海洋汚染の 予防や、海洋資源の持続可能な利用などを掲げていますが、未来のためにどの ような対策をとるべきか。これを知るうえでは、現在がどのような状態であるの かを理解することが重要であると考えています。その基準を調べるために、 JAXAと共同で、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)による海洋の観測な ども行っています。地球の表面積の約7割は海洋が占めているといわれていま すが、広い海洋をくまなく現地調査をすることは、とても時間がかかります。しか し、衛星を使うことにより、広範囲をまとめて観測することができます。この結果 をもとに、海の豊かさを守るための取り組みに貢献していきたいと思います。 ベトナムにおけるグリーン経済および気候変動対策の研究 SDGsを達成するには、政府や企業のみならず、すべての人たちの努力と行動が必 要です。私が教える「世界経済」の授業では、「持続可能な経済を目指して」との副題 のもと、持続可能な開発とは何かを考え、特に気候変動については、その原因や状 況について科学的な知識を得ると同時に、政府の政策がどうあるべきか、どのよう な経済社会システムへの転換が必要なのかを皆で議論しています。さらに、私たち が日々、取れる行動は何かを考え、個人の行動を促す工夫をしています。また、私自 身の研究では、現在、ベトナムにおけるグリーン経済の進展度を検証しつつ、気候 変動による影響にどのように適応していくべきかの調査を進めています。気候変動 の影響は、どの国でもすでに起きていますが、特に途上国にとっては、その影響をい かに最小限にし、または適応しつつ、持続可能な形で開発できるかが、今後の大き な課題になってきており、そのアプローチについて研究を続けています。 生物多様性と自然環境保全のために 日頃、桑植物の育種を通して新たな品種の開発や、農業用ヘテロコア型光ファイ バセンサを用いた環境測定に取り組んでいます。2017年12月に八王子市学園 都市センターで行われた「第9回大学コンソーシアム八王子学生発表会」では、研 究室の学生が「桑の実野生酵母を用いた桑ワインの醸造」の演題で優秀賞、「水 耕栽培による低カリウム野菜の開発」が準優秀賞を受賞しました。大学での学び を企業・行政と協働し具体的なアクションにつなげたいと思います。また、自然環 境保全の取り組みとして、本学の緑豊かなキャンパスに生息する植物や生態系を 紹介する「キャンパスエコツアー」を開催しています。大学内の約400の植物に名 前とその特徴が分かる二次元コード付きのパネルも設置しました。まずは、身近な 自然を知ることから、自然を守ろう、大切にしようという心が育まれると考えます。 法学部 宮﨑 淳 教授 経済学部 掛川 三千代 准教授 理工学部 久米川 宣一 講師 教育学部 桑原 ビクター 伸一 教授 Atsushi Miyazaki Michiyo Kakegawa Norikazu Kumekawa Victor S.Kuwahara 専門分野  環境政策、環境管理、環境経 済学、開発経済学 研究テーマ  メコン地域諸国における環 境政策と遵守強化の為の手段、気候変動 対策 専門分野  海洋光学、生物海洋学、環境科学、 環境教育 研究テーマ  海洋生態系における光学様相 専門分野  育種学 研究テーマ 1.桑植物を対象とした育種 2.農業用ヘテロコア型光ファイバセンサ 専門分野  民法、水法 研究テーマ 1.水法の総合的研究――水資源の保全と   利用の法理論の構築 2. 民法の基礎理論に関する研究 水資源の持続可能な利用と保全に関する法理論の研究 ―「水を使って守る」ルールを考える― 「水を使って守る」ルールを研究しています。生態系を破壊することなく人間が 世代を超えて文化的な生活を維持するためには、どのような水のシステムが必 要でしょうか?この観点からSDGsをみると、17の目標が水というキーワードでつ ながっていることが分かります。例えば、水道インフラが整備されていないアフリ カでは、飲用水を確保するために子どもや女性が平均5時間かけて水汲みをし ています。安全な井戸水に容易にアクセスできれば、この時間を教育にあてられ ます。SDGsの目標6「安全な水」は、目標4「質の高い教育」と目標5「ジェンダーの 平等」に関連しているのです。SDGsの共通項の発見は、問題解決の糸口を与え てくれます。皆さんも身近な水問題を見つけて、解決策を考えてみてはいかがで しょうか?それが世界の問題につながっていることを実感できると思います。 Section 1

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