創価大学ニュース「SUN」103号 2019 Autumn
ガイスさんの出身国は、激しい内戦と 政情不安によって多くの難民を生んで いるシリアです。高校時代までをシリア の首都ダマスカスで過ごしたガイスさん でしたが、国内の状況は悪化の一途 だったため、レバノンに移り住むことを 決意。レバノンの大学では修士課程に 進んだものの、祖国の暮らしはますます 厳しさを増して、家族からの仕送りも困 難に。そこでよりよい環境で勉強に励み たいと奨学金を探す中で見つけたのが、 JICAの「シリア平和への架け橋・人材育 成プログラム」でした。 当時、ガイスさんは、トルコの大学か らも受け入れの通知をもらっていまし た。しかし、日本について調べるにつれ、 日本人の暮らしぶりや文化、そして発展 した科学技術などに魅了されていきま した。 「何よりも関心を持ったのは、日本もか つて戦争を経験した国であり、すべてが 壊れてしまったところから立ち直った国 だというところです。日本人の考え方や 生きる知恵を、勉強や仕事を通じて学び たいと思いました」とガイスさん。その思 いに応えるように、創価大学での留学 生活は、ガイスさんに多くの学びを提供 しました。 「もともとシリア人は優しく、人をもてな すことが好きな国民です。ところが戦争 がすべてを変えてしまいました。生きるだ けで精一杯の場所で、他者のことまで思 いやることが難しくなっていました。日本 に来て、他人と励まし合いながらよりよ い将来のために行動する人たちと出会っ て、祖国を変えるために自分にできるこ とをしたいという思いが強まりました」 そのためにはまだまだ日本で学ぶこ とがあると考えたガイスさんは、本学で の留学期間を終えた後も日本で働くこ とを決意。就職活動をして、見事にド ローンなどの先端技術を扱う日本の企 業に就職をすることになりました。 シリア平和への架け橋・人材 Japanese Initiative for the future of Syrian Refugees 創価大学での教育を糧に、祖国の復興につながる道を歩む。 シリア難民に対する人材育成事業「シリア平和への架け橋・人材育成プログラム」は、 2016年5月に日本政府が表明した中東支援策のひとつで、シリア危機により就学機会を 奪われたシリア人の若者に教育機会を提供するものです。 この制度を利用した最初の本学学生となった1人が、ガイス・ムハンマド・アッゼーンさんです。 07 「 大 学 と し て 解 決 を 目 指 す 」 難民 問題 創価大学では同プログラムで、2017年には2名、2018年には1名、そして2019年には4名 のシリア学生を受け入れており、理工分野を中心に学んでいます。 シリア平和への架け橋・人材育成プログラム
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