創価大学ニュース「SUN」119号 2023 Autumn

04 「リーダーには、利他の精神が大切。 創価大学で多くのことを経験し、 人に寄り添う力を育んでほしい」 by 荒木香織さん 栗山 直樹/Naoki Kuriyama 荒木 香織/Kaori Araki 米国にて修士・博士課程を修了。最新の科学的知見を基盤に、アスリート、指導者、アーティスト及び企業へメンタ ルパフォーマンストレーニングのプログラムを提供。ラグビーワールドカップ2015における日本代表の歴史的勝利 をはじめ、複数のプロスポーツチームの優勝に貢献。企業、教育機関、各種団体等へ向けた講演・セミナー及び組織 変革等を目指すコンサルテーションを提供。著書に「リーダーシップを鍛える ラグビー日本代表『躍進』の原動力」(講 談社)、「ラグビー日本代表を変えた『心の鍛え方』」(講談社+α新書)。順天堂大学スポーツ健康科学部客員教授。 専門は人的資源管理論、国際労働問題。本学の経済学 研究科大学院博士後期課程を修了後、ILO(国際労働 機関事務局)の専門官として勤務。日本ILO協会「世界 の労働」の編集長を務めたのち、本学の教員となり、 実務の経験を生かし、後進を育成している。 構成員が自己決定と自発的な行動がで きる環境をつくります。 第2ステップは、「倫理的判断を現場 の意思決定に反映させること」。相手の 幸福のためにその場その場で倫理的に 適切な知恵を働かせることです。 第3ステップは、「ステークホルダー エンゲージメント」。関係者(ステーク ホルダー)と持続的な対話をし、共通 の価値をつくっていきます。 荒木:次世代の人材が、リーダーシップ を発揮できるような育成プログラムが、 大学の授業として整えられていることは とても重要ですね。 栗山:経営学部では、この三つのステッ プを参考に「ヒューマニスティック(人 間主義)リーダー・プログラム」を開始し、 先輩が後輩のために1年生2年生のゼミ でサポートしていく仕組みをつくりまし た。授業だけでなくさまざまな行事を企 画運営することによってサービスラーニ ングとして単位を認めるという制度です。 後輩の学びのために何ができるか常 に自問しながら、教員とともに学びの ネットワークを形成しています。 先輩が後輩をサポートする環境は、就 活支援などにも生かされています。創価 大学のキャンパスでこの精神を学んだ卒 業生たちは、社会においても自分も人も ともにWin-Winになる関係を展開して いく。そのための人間主義的なリーダー を育てたいという思いで、こういうプロ グラムを走らせています。 荒木:リーダーには、どれだけ人のため になるのかという利他の精神が大切で す。押しつけがましく接したり人を操った りするのではなく、チームの可能性を引 き出す方法を学ぶ必要があります。上 級生は、先生などのサポートを受けなが ら、利他の精神で下級生の可能性を広 げる術を学び、実践していく。さらに下 級生も、先輩たちの姿に自分も次のリー ダーになりたいと憧れを抱き、引き上げ ていく。とてもよい育成プログラムだと 思いますし、そうした教育環境が、これ から本当に大切です。 栗山:本学の学生にとっての憧れとして、 本学の創立者である池田先生がいらっ しゃいます。学生たちは創立者をメン ターとし、利他の精神を受け継いで、社 会で多くの人を助けるために必要な知 識とスキルを学んでいます。今後の社会 でリーダーシップを発揮していくために は、こうしたメンターの存在は本学の もっとも重要な資産です。 荒木:権力を持ってトップダウンで人を 動かすリーダーの時代ではなくなりまし たが、お手本になる存在は重要だと思 います。人のためにという利他の精神を 示してくれるメンターが身近にいること が、学生の成長にとてもよい影響を与え てくれるでしょう。ご紹介いただいた育 成プログラムなども大いに生かし、ぜひ 多くの学生に、心とリーダーシップを鍛 えていただきたいです。 栗山:ありがとうございます。本学の学 生は、利他の精神が旺盛といいますか、 社会貢献という言葉に非常に目を輝か せます。そうした利他の精神を生かした 次世代のリーダーをこれからも育んでま いります。 SUN119 2023 Autumn

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