5人に1人の子どもが労働を強いられる、アフリカの貧困を解消する。

21世紀の到来から20年近くの年月が過ぎても、貧困地域が抱える闇はまだまだ色濃く、世界では1億5000万人以上の子どもが児童労働に従事しているという。
「2025年に全世界から児童労働を根絶するというSDGsの目標達成を目指し、私たちは途上国の支援にまい進しています」。そう語るのは、経営学部の栗山ゼミで国際的な労働問題を学んだ卒業生の小笠原稔さん。国際労働機関(ILO)の職員として、アフリカ諸国を訪れ、児童労働を禁止する法制度や教育体系の整備などを推進している。
創立者の「21世紀の大陸アフリカ」という指針を受け、大学1年の春休みに訪れた西アフリカで“どうしようもない貧困”を目の当たりにしたことが、小笠原さんにとっての原点。そして、自分に何ができるか悩んでいたときに栗山ゼミの授業でILOの活動を知り、これこそが自分の道だと人生を決めた。
現在は、コートジボワールにあるILOのアフリカ地域事務所を拠点に、カカオ、コーヒー、綿花、金、茶といった輸出産品が子ど もたちによって生産されることのないよう、アフリカ各国の政府、使用者団体、労働組合、NGOなどと協力することで児童労働の撲滅を目指している。
「日本でも近年フェアトレードに参入する企業や団体が増えてきました。大好きなチョコレートやコーヒーが児童労働によってもたらされている状況なんて誰も望まないですから」
“どうしようもない”貧困からアフリカ中の子どもを救う日まで、小笠原さんは異国の大地を駆け巡る。

※ SUN103号のインタビュー記事より転載

Profile
小笠原 稔さん
卒業年度/学部:経営学部1996年度卒業(23期生)

1974年埼玉県生まれ。経営学部卒業後、創価大学大学院にて経済学修士号取得。外務省の専門調査員として6年間勤務。その後、ILOのジュネーブ本部、ケニア・ナイロビ事務所、ベトナム・ハノイ事務所で一貫して児童労働問題を担当。2019年3月から現職。

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