芝生のフィールドではなく、経営というステージで、チームを勝利に導き、信頼を得る。

ベルギーのサッカー1部リーグに、日本企業が親会社となるチーム「シント=トロイデンVV」が誕生してから、早2年半の月日が経とうとしている。チームのCEOとして、この類を見ないプロジェクトのタクトを振っているのが、創価大学サッカー部OBの立石敬之さんだ。「ベルギーの小さな町であるシント=トロイデンでは、国民性からか保守的な方が多く、ローカルな枠を越えた変化はあまり望まれません。そんななかでサッカーという彼らの一番の文化を、異国人がリードしていくのですから反発も多くあります。だからこそ、目に見える“結果”を出すことで、国境や文化を越えたリスペクトや真の友情を勝ち得ているのです。プロサッカークラブという、外から見れば華やかな業種かもしれませんが、日々コツコツと信頼を勝ち取る闘いです」
立石さんは自らもJリーガーとして活躍。選手引退後はJ1トップ立石敬之さんチームの運営を担っていた。そんな立石さんをベルギーでのチャレンジに向かわせたのは、創立者の「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」という言葉だ。
「大学では『なぜ創価大学に入学したのか?』『何のために生まれてきたのか?』『それに応えられる自分になるためには何が必要か?』を追求する日々を過ごしました。そこで培った“使命感”が、今の原動力になっています。私はチームの代表としてはもちろん、シント=トロイデンの町の代表として、アジアの代表として、そして創価大学卒業生の代表として、勝利をつかむという使命を果たすために、英知を磨き、前進し続けるだけです」
シント=トロイデンの町には以前よりも多くのチームフラッグが掲げられるようになった。立石さんが勝ち取った信頼が核となり、ベルギーの古都にさらに大きな歓声が巻き起こることだろう。

※ SUN105号のインタビュー記事より転載

Profile
立石 敬之さん
卒業年度/学部:(経済学部1993年卒業 18期)

1969年福岡県生まれ。創価大学経済学部在 学中より留学で海外サッカーを経験し、卒業後はプロサッカー選手として国内外のチームで活躍。その後トップチームのコーチ、強化部長を歴任し、2015年からFC東京GMとしてチームの強化に尽力。2018年よりベルギー1部のシント=トロイデンVVのCEOに就任。

トップへ戻る
寄付事業の
ご案内
2030年への
Vision