創価大学で多くの優しさに触れ、文化と文化の架け橋になる喜びを学びました。
文学部社会学科/31期卒業生
私が日本語を学びたいと思ったのは、子どものころ、香港にいらっしゃった創立者の日本語でのスピーチが理解できず、「私も自分の耳で創立者の言葉を受け取りたい」と思ったからです。創価大学に留学したいという思いが強かったため、留学前は視野が狭く、勉強以外のことは考えていませんでした。
しかし、創価大学での学びが始まると、勉学を深めるだけでなく、世界各地から集まった留学生と交流し、お互いを理解し、友情を育むという一生の宝となる経験ができました。特に思い出深いのは、留学生会のみんなで創大祭を大成功させるために、徹夜して準備をしたことです。勉強やバイトで忙しいなか時間をやり繰りし、一人ひとり言語も文化も異なる留学生が「お世話になった先輩の恩に報いたい」「後輩たちを感動させるイベントにしたい」という思いを胸に、力を合わせました。私はそのとき留学生会の副会長としてメンバーそれぞれが全力を出し切り、創価大学への留学を悔いなく終えられるようにサポートしました。勉強も留学生会の活動も精一杯に取り組む仲間たちに刺激を受け、私も相手を思って対話を続ける姿勢を身につけることができたと思います。
私たち31期生は、特に団結力が強く、一生懸命に大学のため、後輩のためになればと、いろいろな活動に取り組みました。そうした仲間とは現在も国境を越えて定期的に交流をしており、まさに創価大学でしか出会えない友情は一生の宝物です。
現在はある日本企業の香港支社で、赴任した日本人重役の秘書兼現地スタッフとして通訳を務めています。日本から来たばかりの人は、誰もが香港の人の考え方に戸惑います。そんなとき創価大学での体験を思い出すのです。「異文化に触れたときは、誤解がたくさん生まれる。だから、私が架け橋にならなきゃいけないんだ」と。
留学中は両親をはじめ、多くの人にサポートをしていただきました。勉強のことからプライベートのことまで支えてくれた国際部の職員の方。いつも優しくアドバイスをくれた先輩方。そして、留学生一人ひとりに目を向け励ましてくださった創立者。日本語のスキル以上に、報恩感謝の心を刻み、人のために行動することの素晴らしさを経験できたことが、私の留学の一番の学びだと思います。
※ SUN110号のインタビュー記事より転載