開学50周年おめでとうございます。法学部37期の橋本優人と申します。現在はアフリカのジンバブエという国で、国連児童基金(ユニセフ)の職員として調達の仕事に従事しています。ユニセフは子どもの権利を守ることを組織の使命としており、私は調達担当官としてそのために必要なモノやサービス(教科書や井戸の建設など多岐にわたります)を買ってくる仕事をしています。
グローバルな環境の中で社会貢献性が高い仕事に携われることにやりがいを感じており、学生時代からの夢であり目標にしてきた職業でもあります。

学生時代は、国連職員というぼんやりとしながらも夢と呼べる進路の方向性を見つけ、そのために力をつけた期間だったと感じています。振り返ってみると、学生時代は大きく分けて①夢を見つけるための行動、②夢を叶えるために実力をつける行動、の2つのバランスをとって活動していました。
入学当時ははっきりとした夢も目標もなく、実力も全く足りていない学生でした。そんな中、当時はなんとなくでしたが、夢が定まらないまま力をつけてもすごく遠回りになる可能性があり、逆に夢ばかり探していても見つかったところで実力不足で叶えられないかもしれない、という不安がありました。そこで、具体的には学部の勉強、英語学習、グローバルリーダーカレッジ(GLC)などで多面的な実力を磨きつつ、インターンシップ、東南アジアへのバックパック、フィリピン大学への交換留学などで自分の将来の方向性を模索していきました。
その結果、最終的には国連職員として「世界にある生まれながらの機会の不平等を最小化し、誰もが自身の可能性を開花させられる社会の実現に貢献する」という夢を見つけ、そのために必要な語学力、国際感覚、教養、社会人基礎力といったベースとなる力や考え方を身につけられた学生時代になったと思います。

まだ自分の進路の方向性が定まってない方もいるかと思いますが、まずは考え過ぎずに興味のあることに挑戦してみることをおすすめします。私が大学1年生のある夜、ふと図書館を出ようとすると1枚のポスターが目にとまりました。フィリピンでの語学研修生を募集しているとのこと。不安はありましたが思い切って応募したところ、その語学研修が私を国際協力の世界に導く大きな変化点になりました。何がきっかけになるかは分かりませんが、常にアンテナを高くはって、迷ったら一歩踏み出してみることで人生は動き出していきます。
また、実力形成といっても何から手をつけていいか分からないという人は、まずは広く役立つ分野から始めるのがいいのかなと思います。英語学習など、どの進路に進むにしてもプラスになりやすいことから始め、夢が定まっていくにつれてより的を絞った実力形成にシフトしていくというのがおすすめです。勉学に加えて課外活動にも挑戦して、コミュニケーション能力やリーダー経験を磨けるとさらに良いですね。
最後に個人的なことを言えば、これを読んでくださった方は国連職員という進路も一度考えていただけたら嬉しいです。私は自分を育ててくれた創大を卒業するとき、必ず母校を名実ともに世界一の大学にすると心に誓いました。社会貢献意識の高い学生が集まる創大から、もっと国際協力業界へ人材が輩出されてもいいと感じており、特にまだ卒業生の少ない国連に後輩の皆さんが続いてくれるよう、日々奮闘しています。
50周年という記念すべき時に在籍されている皆さんには大きな使命があるはずですので、どうか自分という枠にとどまらず、広く社会に世界に問題意識を広げ、誰かのためにという視点で自分の夢を見つけ、実力と人格も磨いていってほしいと思います。それぞれの使命の持ち場で、共々に母校を名実ともに世界一の大学にしましょう。

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