貧困に苦しむ人をこの手で支えるー。創大で描いた夢が、
インドネシアの人々の生活と命を救う力に。

2.7億人という世界4位の人口を背景に堅調な経済発展を遂げつつあるインドネシア。いすゞ自動車に勤務する坂本亮太さんは、現地工場の生産管理部門の一員として頑丈かつ高性能な日本製トラックを提供することで、インドネシアの人々の生活と命を支えている。

「トラックは、インフラの整備や生活必需品の輸送といった経済基盤であり、災害時には命を救うこともできます。人間の無限の価値創造力によって、トラックはどんな姿にも変身できる。無限の可能性を持っているのです」

熱い思いの原点は、当時経済学部に在籍していた加納直幸先生による「21世紀のアフリカ」という授業だった。そこではじめて世界の貧困の現状を知り、大きなショックを受けた。その後、加納ゼミに所属して知識を深めていくなかで、自分の手で発展途上国の人々を支えたいと思うように。

「就職活動の軸には『苦しんでいる人の支えになる仕事とは?』という問いを置きました。そして、途上国の発展を支えるトラックの可能性に惹かれたのです」

現在、大学時代の夢を実現させている坂本さんだが、インドネシア赴任当初は現地の日本人上長との信頼関係がなかなか築けず、心が挫けそうになったという。そんなとき力となったのは「世界へ羽ばたきなさい」という創立者の言葉だった。

「創立者はいつも苦労している人、苦しんでいる人を徹底して励まされていた。その姿に誓った『発展途上国の人々を支える』という思いが、苦しいとき最後の一歩で踏ん張る力を私にくれました」

現地スタッフとの仕事では、育った環境、文化、言葉の違いから、意見が合わないことも当たり前にあるという。

「それでも世界市民という自覚があれば、相手をもっと理解しよう、みんなが心から納得できる解を探そうという、価値創造的なコミュニケーションが生まれます。その積み重ねが、信頼と友情を構築することになり、ゆくゆくは世界を変えることにつながるはずです」

※ SUN115号のインタビュー記事より転載

Profile
坂本 亮太さん
経済学部 経済学科 2011年3月卒
いすゞ自動車株式会社勤務

大学時代、経済学部の加納ゼミ(当時)に所属し、発展途上国についての知見を広げる。卒業後は「自分の手でつくり上げたトラックが、全世界の人々を支えている瞬間を見てみたい」という思いから、いすゞ自動車株式会社に入社。生産部門に配属され、幅広いモノづくりの知識と経験を積む。入社9年目の19年4月より、インドネシアに赴任。

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