SDGsレポート2022

S D G s R e p o r t 2 0 2 2

井 田 旬 一 創 価 大 学 Message SDGs推進センター長 About us 創価大学は、開学以来、生命の尊厳に基づ く平和・文化・教育を掲げ る建学の精神のも と、地球社会の課題と真摯に向き合い、現実社会に価値を創造しゆく「世界市民」の育成 に取り組んで まいりました。この理念のもと、2015 年 9 月の国連サミットで 採択された SDGs(持続可能な開発目標)実現へのより積極的な貢献を目指し、2019 年 4 月に「SDGs 推進センター」を開設しました。創立60 周年を展望する新たな中長期計画「Soka University Grand Design 2021-2030」の中で も4つの重点テーマの1つに SDGsを掲 げ 、全教職員、学生が一丸となって取り組みを進めております。 具体的には、2022年度から新たに、学生の優れた取り組みやアイデアを募集し、必要に 応じて資金を一部補助する「創価大学SDGsグッドプラクティス制度」を創設し、学生がよ り実践的に活動を推進で きるよう支援を開始しました。SDGs実務者と本学の学生・教職員 との対話・ネットワーキングを行うことを目的とした会合も2回目を開催し、外部有識者 との連携も強化されつつあります。また、2021年に国内で 3番目の大学として「気候非常 事態宣言」を発出し、2050年まで のキャンパスのカーボンニュートラルを目指し、具体的 な取り組みの検討を開始しました。2023年度からは、文理横断で SDGsに関する専門科目 を学べる副専攻制度も開始します。これからも、教職員・学生の連携を強めつつ、持続可 能な未来に向けての挑戦を続けていきます。 ・SDGs推進活動に関する推進方策の企画・立案 ・SDGsに関する啓発活動 ・SDGsに関する広報・公表 主 な 取 り 組 み 創価大学SDGs 推進センターは、学 内外のSDGs 達成へ貢献することを 目的に、2019 年4月に開設しまし た。 センター員は教職員及び学生の代表 で 構成され、SDGs推進活動に関する 推進方策の企画・立案、SDGsに関す る啓発活動、SDGsに関する広報・公 表を中心に、関連部署と連携しなが ら取り組みを推進しています。

2021-2030 SOKA University Grand Design 創価大学は、2021 年に創立50 周年を迎えるにあたり、新たな10 か年の中長期計画と して「Soka University Grand Design 2021-2030」を策定しました。 「世界市民教育」「SDGs の達成」「多様性あるキャンパスの構築」などをコンセプト として「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」をテーマに掲げ ています。 SDGsに関する主な取り組み ーSDGsの達成とともに、「誰も置き去りにしない」という地球社会の実現に 取り組みます。 ・世界市民教育の体系化の一環で 、SDGs 指定科目から所定の単位を取得した 場合には副専攻として認定します。 ・「全学SDGs プロジェクトの推進」、「SDGs 達成に貢献する人材育成と ネットワーク構築」の他、国連等の諸機関との連携、地域や社会との連携を推 進します。 ・サスティナブルなキャンパスを目指し、カーボンニュートラルを目指したエ ネルギー計画などを推進します。 名 称 期間 Soka University Grand Design 2021-2030 2021 年4月1日~2031 年 3 月 31 日 (10 か年計画)

「SDGs」を開始 マに「価値創造×SDGs」 2023年度から副専攻制度 Pick up News 2023年度より、所属する学部学科のカ リキュラムを学ぶ主専攻に加えて、文 理横断で SDGsに関する専門科目を学べ る副専攻制度を開始します。 副専攻制度は、「幅広い学び」を保証 するため、所属する学部学科以外の分 野(学部)から体系的かつ深く専門領 域を学べる制度で す。例えば、経済学 部の学生が経済学部で 設置する専門科 目を学ぶかたわら、SDGs副専攻の科目 を学び、その上で 認定要件を満たして いれば、「主専攻:経済学」「副専 攻:SDGs」として成績証明書及び卒業 証明書に記載されます。 #新制度 #文理問わず取得可 「Soka University Grand Design 2021-2030」の取り組みの柱の一つと して、SDGsの達成へ先導的な役割を担 うため、大学・諸機関および研究者と のネットワーク形成等を通した、平和 社会の構築を目指した活動の推進に取 り組んで います。 2022年度の「価値創造×SDGs」シリ アルイベントは、6月4日(土)から6 月18日(土)まで 開催し、国連環境計 画(UNEP)アフリカ地域の気候変動プロ グラムコーディネーターによる基調講 演等を行い、イベント全体を通して、 参加者一人一人がSDGsについて考え、 行動を起こすきっかけになりました。 #グローバルな連携 #地球的課題を考える #価値創造 「世界市民教育」をテー Week を実施しました

での学びとは?」を開催 「国際協力につながる大学 【高校1・2年生対象】 グ会合」を開催 「SDGs達成に 向けた実践者と学生・教員 の対話・ネットワーキン 2022年7月31日(日)、8月21日 (日)に、国際協力の分野で 活躍する 本学卒業生を講師に招き、「国際協力 につながる大学で の学びとは?」との テーマのもと、オープンキャンパス特 別イベントを開催しました。 本イベントは、国際協力に興味がある 高校1・2年生を対象に、国際協力に 関連する仕事で 働くためには、大学で どのような学びを深めていけば良いの か(通称“推し学”)、グループワーク を通して体験する事前申込制のプログ ラムで す。 #推し学 #推し職 #大学での学びが深まる 2022年12月11日(日)、本学キャン パスに、環境、気候変動、人権などの 分野で SDGs達成に向けて取り組む実践 者9名を招き、第2回「SDGs達成に向 けた実践者と学生・教員の対話・ネッ トワーキング会合」を開催しました。 本企画は、本学学生のSDGsに関する活 動や研究に対して、学外の実践者から フィードバックをいただくなど分野を 超えた対話を行い、人的ネットワーク を広げ るとともに研究や活動の充実に 繋げ ることを目的に実施しました。 #SDGsの分野で活躍する 実践者からのフィード バック #人的ネットワーク構築

New Program 01 SOKA university SDGs Good practice SDGsグッドプラクティス: 「SDGs」の達成を目指して、貢献度の高い取り組み(タイプA)や、実現可能性の高 いアイデア(タイプB)を称え、助成することを目的に、本年度より新たに開始した制 度で す。 入賞したグループには賞状と副賞が贈られます。 また、タイプBの「SDGs達成に資する実現可能性の高いアイデア」として表彰された グループには助成金が支給されます。 Awards ceremony 表彰式で は、賞状と記念品の授与に続き、 入賞した各グループの学生代表が挨拶し ました。 最後にSDGs推進センター長より、社会 課題を的確に捉え、その解決に取り組む 学生の提案を称えました。 入 賞 グ ル ー プ ●タイプA 最優秀賞:地球に優しいアイテムの販売を通して海洋ゴミ削減を目指す 優秀賞:ふくのきもちプロジェクト 努力賞:『ピリカ』を活用したゴミ拾い活動についての発表 ●タイプB 最優秀賞:創価大学におけるファーストジェネレーション支援

地球に優しいアイテムの販売を通して海洋ゴミ削減を目指す タイプA 最優秀賞 Ranchuは海洋ゴミの削減に貢献するアイテムの開発・販売行っています。Z世 代のメンバー合計100人が参加した3回のクリーンアップ活動の実施や、約二 週間に渡るフィリピンで の現地調査と保育園への文具提供など、寄付活動も 行っています。Ranchuは「地球社会の生命の尊厳のために」これからも挑戦 し続けます。 入賞グループ紹介 \受賞コメント/ タイプB 最優秀賞 創価大学におけるファーストジェネレーション支援 \受賞コメント/ 第1回SDGsグッドプラクティス 最優秀賞を受賞 したことを、心から嬉しく思います。ご支援をい ただいた皆様のおかげです。詳細は公式インスタ グラムからご覧ください! @ranchu_official ファーストジェネレーションとは、家族の中で 初めて大学に進学する学生を指 します。彼らは「大学についての隠れた常識」が欠如し大学適応に困難を抱え やすいで す。私たちのグループで はファーストジェネレーションに関する情報 伝達、共同体の形成、そして研究活動を通して創価大学に持続可能なサポート 体制を整える契機とします。 ファーストジェネレーションの課題が大学で取り 組むべき問題であると認知された結果の受賞であ ると感じました。嬉しく思います。今後も、多く の方へファーストジェネレーションについて、 知っていただけるように、活動したいと思います。 大束良明さん(経営学部4年)、荻野拓未さん(経営学部4年)、桑原翔太さん(国際教養学部4年)、 井戸秀将さん(教育学部4年)、兼岡杏至さん(国際教養学部4年) 村瀬侑水さん(国際教養学部2年)、鈴木未来さん(看護学部2年)、 三木綾華さん(国際教養学部2年)、岩間夏美さん(法学部2年)

New Program 02 SUN&SDGs企画 2022年度の取り組みとして、本学広 報誌「SUN」で は、創価大学と創価 女子短期大学の「〇〇 & SDGs」を テーマに掲げ 、SDGsの取り組みを紹 介する企画を実施しました。 年間合計4回、「研究」「インター ンシップ」「クラブ活動」 「授業」 のテーマより、さまざまな分野で SDGs達成に向けた取り組みを紹介し ました。 SUN114号:理工学部丸田晋策ゼミ 「廃材となる米粉を活用して、脱プラスチックを推進 SUN115号:インターンシップ 「社会で の注目度の高まりとともに、年々増えるSDGs企業への就職活動」 SUN116号:クラブ活動 「使命感と好奇心を胸にSDGsの目標達成に挑む、学生たち」 SUN117号:授業 「”副専攻”で 描く、可能性のミライ」 主な掲載内容 SUNは以下の号数をクリックするか、QRコードよりお読みいただけます。 SUN114号 SUN115号 SUN116号 SUN117号

SDGs アンケート 本学で は、SDGsに関する認知・関心・行動、 および本学のSDGsへの取り組みの認知・意見 に関する全7項目10の質問を学生に実施してい ます。 【調査期間】 2022年11月5日(土)~ 11月25 日(金) 【調査対象】 調査期間において、創価大学に在学中の全学生 【回答数】2972名 【アンケート方法】Web方式 \ 結 果 発 表 S u m m a r y / Q. SDGsについて、どの程度関 心がありますか? 72.1%の学生がSDGs に関心を寄 せていることがわかりました。 Q.あなたはSDGs のどのゴールに関心がありますか。 以下の項目への関心が高いことがわかりました。 GOAL1( 貧困をなくそう), GOAL4(質の高い 教育をみんなに), GOAL5( ジェンダ ー平等を実現しよう), GOAL10(人や国の不平等をなくそう)への関心度が高い。 アンケートの結果はこちらをクリックするか、 右記QRコードよりご確認いただけます。

Contents 各SDGでの具体的な取り組み事例 S D G 1 S D G 2 S D G 3 S D G 4 S D G 5 S D G 6 S D G 7 S D G 8 S D G 9 SDG10 SDG11 SDG12 SDG13 SDG14 SDG15 SDG16 SDG17 P.11 P12 P.13 P.14 P.15 P.16 P.17 P.18 P.19 ……. ……. ……. ……. ……. ……. ……. ……. ……. P.20 P.21 P.22 P.23 P.24 P.25 P.26 P.27 ……. ……. ……. ……. ……. ……. ……. …….

SDG 01 貧困をなくそう あらゆる場所のあらゆる形態 の貧困を終わらせる 授業紹介「Development Economics」 国際教養学部 内海 友子 准教授 Point 本授業で は、開発途上国が抱える課題について、教育、健康、労働、移住、ジェン ダー、紛争など幅広く学びます。世界の事例をもとに、問題点と原因を考察し、どの ような政策が効果的なのか、皆で ディスカッションを行う時間を多くとり、多角的に 考える力を育んで います。また、貧困問題を考える際、データから見えるものだけで はなく、その先にいる人々まで 想いを馳せられる想像力も大切で す。留学生も多く、 それぞれの国で の経験を共有し合うことで 、世界の諸問題を身近に捉えられるように なり、課題解決に貢献したいとの思いを一層深めたとの声が多くありました。 学生に食料無償提供 Point ・生活に必要な食料を提供 ・物価高騰の影響を受ける 学生の支援 2022年11月25日(金)本学キャンパスで 、ひとり暮らしの学生や寮生、留学生ら約 500 人に、お米や食品、野菜、さつま芋、果物、カップラーメン、水等の食料品を無 償で 提供しました。4回目となる今回は、コロナ禍によるアルバイト時間の減少ととも に、円安やウクライナ情勢の影響等による物価上昇で 、食費の負担が増えている学生 への支援を目的に実施しました。 ・貧困問題を多角的に学ぶ ・ディスカッションを通じ て世界をより深く理解

SDG 02 飢餓をゼロに 飢餓を終わらせ、食料安全保障及 び栄養改善を実現し、持続可能な 農業を促進する 授業紹介「国際機構論」 法学部中山雅司教授 Point ・飢餓のない世界を築く ・貧困のない世界を築く 国連をはじめ国際機構は、すべての人が平和で 豊かで 人間らしく生きられる世界を目 指して生まれました。なかで も、食糧を得ることは人間が生きていくうえで 最も重要 で 最低限の権利で す。 しかし、いまだ世界で 8億2,800万人が飢餓に直面しているとの国連報告書(2022年 版)が公表されました。このような現状に対し、国連食糧農業機関(FAO)、国連児 童基金(UNICEF)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)をはじめ、 多くの国際機関が食糧の確保と飢餓の背景にある貧困や紛争、社会構造の改善のため に活動しています。 国際機構論で は、国際機構の歴史、組織、機能、意思決定等の理解をふまえ、地球的 課題の解決における国際機構の役割と課題について学び、国連職員をはじめ人間の尊 厳に立ったグローバルリーダーを育成していきます。

SDG 03 すべての人に 健康と福祉を あらゆる年齢のすべての人々 の健康的な生活を確保し、 福祉を促進する 「大学における赤ちゃん ふれあい事業」を実施 Point ・健康に関する情報を提 供し健康管理能力を強化 「いいお産の日」で ある11月3日(木)、本学と八王子市の協力のもと、若い世代の 子育て意識向上を目的として、創価大学において東京都助産師会による「大学におけ る赤ちゃんふれあい事業」が実施されました。この事業は、「まちづ くり八王子 フィールドワーク」という授業において本学学生が八王子市に提案した企画が実現し たもので す。助産師会から2名(小井戸様・月野様)、八王子市から1名(小野様)、 法学部教員2名(和足・土井)が参加し、23名の学生が受講しました。 赤ちゃんふれあい事業」の実施内容は、①「妊婦体験ジャケット」と「赤ちゃん人 形」を使用した体験授業、②助産師による「いのちの授業」、③本学卒業生の母親と その赤ちゃんをつないだ「オンライン対話」というもので した。 助産師会の小井戸様からは「学生が 熱心に参加してくれてやりがいが あった」とのコメントをいただきま した。また、八王子市の小野様から は「市としても若者が参加する機会 を提供で きて喜ばしい」とのコメン トがありました。受講した学生(法 学部・2年)は「赤ちゃん人形を抱っ こしてみて、生まれたばかりの赤 ちゃんは首がすわっていないことな ど、新たに気づ くことがありまし た」と感想を述べています。

SDG 04 質の高い教育を みんなに すべての人々への、包摂的かつ 公正な質の高い教育を確保し、 生涯学習の機会を促進する 「レフュジー家族の絆」 の上映会を開催 Point ・全ての人に平和につい て学ぶ機会を提供 「UNHCR WILL2LIVE Cinemaパートナーズ」に参加している本学で は「UNHCR WILL2LIVE ムーブメント2022」の開催にあわせて、2022年10月9日(日)と28日 (金)に映画「レフュジー家族の絆」を対面とオンラインのハイブリッドで 上映し、 学内外より約250名が参加しました。国連UNHCR協会、ユナイテッドピープル株式会 社が主催する本映画祭は、映画を通して難民への理解を広げ ることを目的に開催して います。本学も学校パートナーズとして参加し、国連が定める平和運動を推進する本 学の学生団体「ASPIRE SOKA」との共催で 開催しました。 第48回夏季大学講座を実施 Point ・社会に高等教育を体験で きる機会を提供 2022年8月27日(土)、28日(日)に本学キャンパスで 「第48回夏季大学講座」を開 講し、3年ぶりの対面講座となった今回は、2日間36講座に約3500名の方が全国各地 から参加しました。 1973年に開講した本講座は、大学の教育・研究成果を市民の皆様に還元し、広く学習 の機会を提供するため、毎年夏に実施しています。

SDG 05 ジェンダー平等を 実現しよう ジェンダー平等を達成し、すべ ての女性及び女児の能力強化を 行う ダイバーシティ・インクルージョン 推進センター主催の講演会を開催 Point ・ダイバーシティを尊重し、 ジェンダーの平等を促進 する啓発活動 ダイバーシティ・インクルージョン推進センター主催の「体験的ダイバーシティ論~ 真の多様性を問う~」と題した講演会が、2022年6月23日(木)にオンラインで 開催 され、学内外より多くの方が参加しました。 昭和女子大学理事長顧問で トライウォールグループ取締役会長兼CEOを務める鈴木雄 二氏が、これまで のご自身の体験を通じて得た多様性の考え方、日本を多様化させる 様々な取り組みを紹介していただきました。 創価女子短期大学の学生が立案した 「働く女性のウェルネス向上事業」が 東京都予算案に計上 Point ・働く女性の健康に関する 普及啓発について研究 創価女子短期大学の青野ゼミで は、東京都に対して4つの事業提案を行い、都民投票に おいて得票第2位で 事業化対象候補として選定されていた「働く女性のウェルネス向 上」の提案が、東京都の令和5(2023)年度事業として予算案に計上されました。同 短期大学の学生(国際ビジネス学科2年 中野菜摘さん、森本美里さん)は、ゼミの活 動の中で 、女性のエンパワーメントの一環として、SDGsで 掲げ られた社会課題を自分 事にするために、SDGsに関連する諸問題(働く女性の健康に関する普及啓発)につい て研究調査を進めてきました。その上で 、今回、本制度を利用した事業提案に取り組 みました。

SDG 06 安全な水とトイレ を世界中に すべての人々の水と衛生の利 用可能性と持続可能な管理を 確保する 授業紹介「国際保健学」 佐々木諭教授 Point ・疾病予防 ・安全な水/衛生的なトイレ ・プロジェクトを立案 アジアやアフリカの途上国で は、安全な水へアクセスがで きないことや衛生的なトイ レが普及していないことにより、毎年、多くの子どもたちが下痢症の病気により亡く なっています。国際保健学の授業で は、下痢症疾患を予防するための安全な水と衛生 的なトレイの重要性を学び、プロジェクト立案のグループワークを通して、どのよう に安全な水と衛生的なトイレを普及で きるかを考察します。2023年度は、アフリカの エチオピアより招へいした客員教員による講義をとおして、現地の健康水準や衛生状 況、そして健康改善のための取り組みを学びます。 授業紹介「生態環境工学」 理工学部 戸田 龍樹 教授 Point ・有機性廃棄物の循環利用 ・エネルギー/栄養の再利用 ・循環型社会 「生態環境工学」は人間と自然生態系 との共存を目指す学問分野で す。産業 革命以降の無計画な人間活動が、自然 環境に大きな負荷をかけていることは ご存じのことで しょう。21世紀はま さしく、この生態系の修復に時間と労 力を割き、人間が自然環境と共存する 術を考えなくてはなりません。 授業で は、生態系から人間社会が受けるさまざまなサービスを理解し、持続可能 な資源利用について考えます。生態系の生物群集を高度利用し、積極的に排水や 廃棄物を浄化するとともに、エネルギーや栄養を回収・利用することので きる“環 境技術“について、その原理と利用方法を教授し、いかに、循環型社会を再構築し ていくかについて議論します。

SDG 07 エネルギーをみんなに そしてクリーンに すべての人々の、安価かつ信 頼で きる持続可能な近代的エ ネルギーへのアクセスを確保 する 授業紹介「光学」 理工学部 西山 道子 准教授 Point ・持続可能なエネルギー ・光の性質 光が波として振る舞う時に生じる、波の重ね合わせによる干渉、光が当たった壁の向 こう側にも光が回り込む回折に特に焦点を当てて、現在の産業機器、IT機器の基盤で ある半導体、高集積回路の加工がで きる理由について、数式も用いてそれらの現象を 解き明かします。また、光ファイバによって世界中のインターネット通信網が実現し たように、光を用いて長距離離れたところにも情報を伝送することがで きます。それ を妨げ る要因となる、光の散乱、吸収の性質についても学び、また太陽電池のエネル ギー効率を高める反射防止膜の光学的仕様の条件についても学びます。 脱炭素化に向けて、コンサ ルテーション会合を開催 Point ・環境に配慮したエネル ギー使用について考える 「大学の脱炭素化に向けて、皆で 語り合おう」と題し、創価大学の脱炭素化、エネル ギー利用・今後の計画に関するコンサルテーション会合(経済学部掛川ゼミ主催、 SDGs推進センター後援)が、2022年6月29日(水)に学内で 開催されました。 学生、教員、職員の約50名が参加し、熱心な意見交換が行われました。 参加者からは次のような声が寄せられました。 「学生、教員、職員という立場を超えて、皆で 大学の脱炭素化に向けて意見交換で き たのは、楽しく有意義で した。また開催してほしいで す。」

SDG 08 働きがいも 経済成長も 包摂的かつ持続可能な経済成 長及びすべての人々の完全か つ生産的な雇用と働きがいの ある人間らしい雇用(ディー セント・ワーク)を促進する 「女性が輝く未来を拓く」 ワークショップを開催 Point ・働きがいのある仕事に 就くための支援 2022年12月20日の放課後に、創価女子短期大学の開学40周年に向けた取り組み「輝 く女性育成推進」と「SDGs推進」の合同企画として、「女性(あなた)が輝く未来を 拓く」ワークショップを開催しました。 ワークショップで は、この1年間の総括として、取り組みに参加してきた学生が、取り 組み内容や学んだこと、これからの決意をプレゼンテーションしました。発表内容は 次の通りで す。 (1)輝く女性育成推進の取り組み2022 ーサーラ・ワイダ―博士に学ぶ -ワンガリ・マータイ博士に学ぶ 最後に水元短大学長が、学生のみなさんが主体となって学び、活動する中で 、皆さん の輝く未来を拓く土台を作っていってもらいたいと、語りました。 【ワークショップに参加した学生の声】 〇それぞれの推進企画で 取り組んで きた内容をお互いに知れて良かったで す。発表を 聴いてとても感動しました。 〇発表を通して、短大に来た意味を、短大で 学んで いる使命を改めて見つめ直すこと がで きました。これから先、どんなことがあっても負けずに立ち向かい、平和を築く ことので きる女性リーダーへと成長していきたいと思います。 (2)SDGs推進の取り組み2022 ーSDGsワークショップ ・柿の木プロジェクト ・クルポン調査団 ・SDGs活動の広報

SDG 09 産業と技術革新の 基盤をつくろう 強靱(レジリエント)なイン フラ構築、包摂的かつ持続可 能な産業化の促進及びイノ ベーションの推進を図る 理工学部の丸田ゼミが バイオプラスチック製品を展示 Point ・環境に配慮した新たな 技術開発 本学理工学部・丸田晋策ゼミが、"たま未来メッセ"で 開催された「八王子ものづ くり EXPO」において、産学連携事業で 開発した八王子産の米粉を利用したバイオプラス チック製品を展示しました。 八王子産米の吟醸酒“髙尾の天狗”を造る過程で 発生する副産物の米粉を活用した、米 率51%バイオマスプラスチックのクリップを作りました。 「大学コンソーシアム八王子」 ポスターデザインコンテスト 最優秀賞を受賞 Point ・産官学連携の推進を通し て、産業のさらなる促進 を目指す 本学法学部生が、「第14回大学コンソーシアム八王子学生発表会」の周知用ポスター デザインコンテストにて、最優秀賞を受賞しました。 デザインには、産官学連携や市民の目線に立ち、チームで 新たな可能性を探るなかで 、 成長で きたことや多様な考え方を受入れていくことの大事さなどを表現しています。

SDG 10 人や国の不平等 をなくそう 各国内及び各国間の不平等を 是正する 本学少年野球教室を開催 Point ・すべての人が能力強化 できる機会を提供 2022年12月3日(土)、本学硬式野球部のワールドグラウンドにて3年ぶりに「創価 大学少年野球教室」が開催され、本学硬式野球部員約60名と八王子市内の少年野球 チームの児童約140名が参加しました。 この野球教室は、八王子市内の少年野球チームを対象に、本学の地域貢献の一環とし て2012年から開催し、本年で 8回目を迎えました。 「大学コンソーシアム八王子」 八王子市長へ直接提案 Point ・あらゆる経済状況の人 も能力強化できる社会 を考える 「第14回大学コンソーシアム八王子学生発表会の『八王子市長へ直接提案部門』」 で 、法学部の中山雅司ゼミのチーム「TSUNAGU」が最優秀賞(第1位)に輝きまし た。 「あなたのみちとヤングケアラー~ヤングケアラーの子どもが幸せと思えるまちづ く り~」とのテーマで 、行政内に相談先を設置すること等について提案しました。

SDG 11 住み続けられる まちづくりを 包摂的で 安全かつ強靱(レジ リエント)で 持続可能な都市 及び人間居住を実現する 文学部生が桑の日に 地域イベントを開催 Point ・まちおこしを通して 周辺地域や地元住民 との良好な繋がりを促進 桑の日(9月8日)に文学部生が桑の葉の食文化を広める地域イベントを開催しまし た。地域振興と市民の健康増進を図り、さらには八王子の大地を守る桑畑の持続可能 性を高めることを目指すイベントで す。 なお、同プロジェクトは、大学コンソーシアム八王子が費用等を助成する「学生企画 事業補助金事業」に採択された活動で す。 エチオピアで持続可能な循環型社 会の構築を目指す国際共同研究 Point ・災害による被害を抑制 し、経済的損失の削減 に貢献 近年の人口増加に伴う栄養塩の流入や外来種の移入により、エチオピアのタナ湖で 水 草(ホテイアオイ)が過剰繁茂して環境汚染や経済的損失を引き起こしています。 それらの水草をリモートセンシング技術等のICTを駆使して適切に管理・回収し、回収 したバイオマスから有価物を生産するプロセスを研究開発することで 、環境保全と経 済成長を両立させる現代版アフリカ里湖(さとうみ)循環型社会の構築を目指してい ます。

SDG 12 つくる責任 つかう責任 持続可能な生産消費形態を確 保する 廃棄になる新聞や雑誌を使って アップサイクルグッズを作成 Point ・廃棄物の発生防止に努め、 再生利用に貢献 2022年8月から館内に設置された企画コーナー「UPCYCLE LIBRARY」。中央図書 館で は、廃棄になる新聞や雑誌をエコバッグやブックカバー、パスケースなどに再 生するアップサイクルに取り組んで います。 利用者からは「愛用しています」「作り方を知りたい!」などの声をいただいてい ます。 経営学部の野村ゼミが大学祭で 不要衣類の回収を実施 Point ・資源の再生利用を実現し、 廃棄物の発生を削減 経営学部の野村佐智代ゼミで は、2022年10月9日から10日に開催された創大祭にお いて、不要になった衣類(Tシャツ・スウェット)のリサイクル用回収ボックスを設 置し、約50着の不要衣類を回収しました。 また、展示などを通して来場者にファッション産業におけるSDGs推進の重要性を呼 びかけました。

SDG 13 気候変動に 具体的な対策を 気候変動及びその影響を軽減 するための緊急対策を講じる 「全学総合防災訓練」 Point ・自然災害に対するレジ リエンス及び適応能力 の強化 隔年で 開催している「全学総合防災訓練」を、2022年10月20日(木)に実施し、 キャンパス内の学生と教職員が参加しました。 災害発生時の初動対応の訓練を目的に、感染対策を講じながら行いました。 終了後には、集まった学生・教職員に非常食とパン・ジュースを配布しました。 授業紹介「国際地域経営論」 経営学部 吉元 浩二 教授 Point ・グローバル化の理解 ・世界の相互依存関係 ・人間の自由・平和・人権 国際地域経営論は、海外市場を理解するという点においては、国際経営論と同じで す。異なる点は、単純に経済的な視点や経営学的な収益側面から分析した内容で は ないということで す。海外市場を⑴グローバル化、⑵異文化リテラシー、⑶海外市 場で の倫理行動の重要性、⑷人間開発指数等の側面から理解することで 、海外市場 を理解することは収益のみならず、社会的利益の拡大のためにも必要な内容で ある ことを学生に強調しています。学生が上記4点を理解することで 、グローバル社会 の中で ダイバーシティーと社会的利益を重要視する社会人となることを目指してい ます。

SDG 14 海の豊かさを守ろう 持続可能な開発のために海 洋・海洋資源を保全し、持続 可能な形で 利用する 授業紹介「エネルギー科学基礎」 教育学部 桑原ビクター伸一 教授 Point ・海洋の役割を学ぶ ・海の豊かさを守る ・物質の循環を理解 この授業で は、地球を構成する地圏・大気圏・水圏・生物圏の4つの環境領域に基づ い て、地球の環境と生態系について学びます。 また、太陽光を起源とするエネルギーが、各領域で 物質をどのように循環させている かを理解することがで きます。 特に、海洋(水圏)に注目し、その重要性を議論するとともに、海洋環境を保護する ために必要な取り組みについて考えます。 海洋は、私たちが必要とする酸素の50%を生成し、全二酸化炭素排出量の25%を吸収 し、過剰な熱の90%を捕捉します。 持続可能な社会の実現には、「海の豊かさを守ること」が不可欠で あることを皆で 共 有し、最新の研究結果を踏まえた学びを通じて、より深い理解を目指します。

SDG 15 陸の豊かさも守ろう 陸域生態系の保護、回復、 持続可能な利用の推進、持 続可能な森林の経営、砂漠 化への対処、ならびに土地 の劣化の阻止・回復及び生 物多様性の損失を阻止する 授業紹介「土壌学」 理工学部 佐藤 伸二郎 教授 Point ・土壌の重要性 ・土壌管理・改良方法 ・植物成長 「土壌」は生物・大気・水圏・岩石などの生態環境と密接に関係していることから、 様々な環境問題の中で 重要な役割を果たしています。本授業で は、その土壌の保全や 改良と環境問題解決との関連性について広く学びます。 また土壌の物理・化学・生物的特性は、その地域や気候また年代によって大きく異な ります。その違いを理解することで 、作物を栽培するための最適な土壌の管理や改良 方法を学ぶことがで き、地域ごとに異なる「陸の豊かさ」を守ることにつながること を理解します。 授業紹介「植物生理生態学」 理工学部 久米川 宣一 准教授 Point ・大学内の植物を理解 ・キャンパスに植樹 ・遺伝子組換え植物の是非 本授業で は教室にて植物の概要や陸域生態系について学ぶほか、教員が学生を引率し てキャンパス内を巡りながら、学内に絶滅危惧種が存在することや、里山保全の必要 性とその課題点について学びます。また、中間レポート「大学内に植樹したい植物」 にて、これまで 学んだことをもとにして各自で 提案書を作成するとともに、グループ ワークによる討論と発表会を行っています。優秀な提案においては、教員が苗や種子 を調達し育成を行っています。

SDG 16 平和と公正を すべての人に 持続可能な開発のための平和 で 包摂的な社会を促進し、す べての人々に司法へのアクセ スを提供し、あらゆるレベル において効果的で 説明責任の ある包摂的な制度を構築する ウクライナからの留学生の 歓迎会を開催 Point ・あらゆる人々の能力開発 に貢献 一般財団法人パスウェイズ・ジャパン(PJ)による「日本・ウクライナ教育パスウェ イズ」に参画している本学で は、この秋学期(9月)より、ウクライナの危機が続く状 況において日本で 学業の継続を希望するウクライナ人留学生を5名受け入れています。 留学生5名のうち3名が来日し、9月12日(月)に歓迎会および奨学生証書授与式を 本学中央教育棟で 開催しました。 最初に3名の留学生が挨拶し、「このような機会に心から感謝しています。創価大学 の皆さんと家族のように仲良くなりたいで す」、「ずっと日本に来たいと思っていた ので 嬉しいで す」、「世界各国の留学生と共に、創価大学で 学べることが楽しみで す」など喜びを語りました。続いて、田代康則理事長が奨学生証書を授与し、「創価 大学はウクライナと長年交流があります。皆さんのことを心から歓迎します。ようこ そ創価大学へ」と歓迎の言葉を述べました。最後に鈴木将史学長が「多様性あふれる キャンパスで 多くの学友と語り合っていただき、実りある学生生活をお送りくださ い」とエールを送りました。

SDG 17 パートナーシップで 目標を達成しよう 持続可能な開発のための実施手 段を強化し、グローバル・パー トナーシップを活性化する 授業紹介「国際開発協力論」 経済学部 掛川三千代 准教授 Point ・途上国との開発協力 ・社会課題解決 ・プロジェクトを企画・発表 本授業で は「開発とは何か」「国際協力とは何か」という基本的な課題を考え、最終 的に、途上国で の協力プロジェクトを企画する力を養っていきます。プロジェクトの 企画時、経済効果のみを考えるので はなく、環境や社会にどのように配慮するのかも 学びます。その後、学部を超えたグループで 、課題解決を目指してプロジェクトを企 画・発表し、皆で 講評します。学生は協働する力やパートナーシップを推進する力を 習得し、同時に持続可能な社会づ くりの為には協働が必須で あることも実体験を通し て学んで いきます。 難民を対象とした推薦入学制度 更新の協定書調印式 Point ・開発途上国の人材育成 に貢献 国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所、国連UNHCR協会および本学による、難 民を対象とする推薦入学制度「UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)」に関する 協定の契約期間満了に伴う更新を目的とした協定書調印式が2022年4月19日(火)、 本学中央教育棟で 開催されました。本学で は、2016年に本協定を締結し、2017年4 月より毎年1名の学部生を奨学生として受け入れ、当該学生に対して原則4年間、学費 を免除するほか、生活支援の奨学金の給付を行い、経済的な理由で 日本の大学に通う ことが困難な難民に対して大学教育の機会を提供してきました。

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