子どもは、自 らの育つ環 境 を選ぶことができません。その声に大人が耳を傾 けなければ、安心・安全な生活を送ることができません。ときに、大人の気まぐれの対 象 にされやすく、しばしば社会的矛 盾 の矛 先 が向けられます。大人と異 なり、子どもには特有の権利があります。しかし、世界各地で子どもの権利が守られていません。
子どもに対する暴力が、世界のいたるところで起こっています。商業的な性的搾取 の対象とされ、労働市場において売買され、紛争 によって犠 牲 になっている子どももいます。死 刑 や失踪 、残 虐 で非人道的な刑罰 を受けるなど、さまざまな暴力を振 るわれ、軍事組織に徴 兵 される子どももいます。
栄養不良や貧困が原因で命を奪 われたり、安全な環境で暮 らせなかったり、学校に通 えず、教育を受ける機会を奪われ、あるいは親や近親者 と離 れて暮 らさなければならない子どもがいます。
子どもは、こうした困難 がなぜもたらされるのかを理解する知識もなく、選択 の権利を持たないままなのです。子どもは、体もこころもまだまだこれから発達 する存在です。生まれる前も生まれてからも、子どもに適 した法律や、その他の方法で、守られる必要があります。
参考資料:アムネスティ・インターナショナル日本HP
数字で見る子どもの人権
世界では年間630万人が5歳 を迎 える前に死亡しており、その約半数が栄養不良にかかわる原因で命を落としています。
これは、1日に1万7,000人
およそ5秒に1人が命を落としているという割合です。
5歳になる前の子どもが
命をうしなう理由 (2012年)

死亡の半数以上は栄養不良が関係
児童労働に従 事 する5歳から14歳の子どもの数は、 世界で1億2,000万人
これにより、経済的搾取 から保護される権利、学習や遊びの権利が侵害 されています。
現在、19カ国で25万人以上の少年や少女が、強制的に武器をもたされ、兵士として徴 用 されているといわれています。
紛争 下において、 政府軍や武装勢力は、 まだ判断能力のない子どもたちを誘拐 し、監禁 し、洗脳 します。 そして、 子ども兵士として、戦闘 の最 前 線 に立たせるのです。
子どもたちが、「殺人マシーン」として、 利用されています。
日本でも児童虐 待 は深刻 な問題で、年々増加しています。
児童虐待に関する相談の対応件数も、 2012年度には
6万6,700件を超 えました。これは13年前(1999年度)の5.7倍に匹敵 します。
しかし、児童虐待に関する警察や司法の介 入 は難 しく、虐待に関 与 した両親親族で検挙された人数は
719人にしか及 びません。
(2014年度)
参考資料
国連児童基金(UNICEF)「Committing to Child Survival Promise Renewed 2014」、国連児童基金(UNICEF)「Committing to Child Survival:A Promise Renewed 2013」、国連児童基金(UNICEF)「The State of the World’s Children 2014」、アムネスティ・インターナショナル日本HP、警察庁生活安全局少年課「児童虐待及び福祉反犯の検挙状況平成26年1〜12月」
苦しんでいる子どもたちを
助けるにはぼくたち子どもが
立ち上がるべきだ
1995年、カナダに住む当時12歳 だったクレイグは、ある朝、新聞で、世界には貧困 のため奴 隷 のように働 かされる子どもがたくさんいることを知り、大きなショックを受けた。そこで、同じ子どもの問題なら自分たち子どもで取り組もうと「フリー・ザ・チルドレン(FTC)」を設立した。

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