紛争 や迫害 が生む難民、経済的な理由による移 住 、災害による避難など、大量の人口移動が現代の特 徴 の一つとなっています。国 境 を越 える人々は、受け入れ国の人々にとっては、「外国人」です。古代から現代に至 るまで、こうした人々への人権保護 は、必 ずしも十分でありませんでした。
今日では、国境を越えることのない国内避難民という形をとるケースも生まれています。 たとえば、日本では、東日本大震災 など、災害による避難民が生まれています。
災害時には、情報不足やデマなどによる人権侵害 も起こります。また、被 災 者は、その後の避難生活でも多くの困難 に直 面 しています。なかでも高齢 者や障がい者、病人やケガ人、心理的な影 響 を受けやすい子ども、ことばの壁 のある外国人など、特別な援助 や配慮 を必要とする、いわゆる「災 害 弱 者 」と呼 ばれる人たちの場合、その困難はより大きなものになります。
数字で見る難民・避 難 民
2014年末時点で、紛争 、迫害 や人権侵害 のため移動を強 いられた人の数は5,950万人に上ります。
わずか1年間で1,390万人増えたことになります。
2014年には毎日平均4万2,500人が家を追われ、避難を余儀 なくされました。
過去7年、自然災害により約1秒に1人が住居を追われており、2014年には年間1,930万人が避難を余儀なくされました。
住む場所を失 い、仮設住宅で生活を送る災害難民もいまだ多くいます。
世界中の数多くの開発途上国・先進国に無国籍 者が存在し、およそ1,200万人に上ると推計されています。
国籍を持たないということはどの国との間にも法的な絆 を持たないということです。
医 療 ・教育・財産的権利へのアクセスだけでなく移動の自由もない場合もあり、恣 意 的 な待遇 や人身取引のような犯罪に遭 いやすいのです。
参考資料
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)HP
Internal Displacement Monitoring Center (IDMC)「Global Estimates 2015 People displaced by disasters」
被 災 者 は決して弱 者 ではありません。
確 かに厳 しい状況 の中での生活を
余儀 なくされていますが、
声にはならない思いをもって
生きています。
本 来 強い人たちなのです。
