人はみんなそれぞれ異 なります。その違 いを尊 重 できる心を育 むには、どのようにすればよいのでしょうか。
私たちの世界では、差別や暴 力 など、自由や平 等 が損 なわれるような出 来 事 が起きています。そのようなときにはまず失 われた権利を回復 するための取り組みが大切です。同時に、そうした事 態 が繰 り返されないためにはどうしたらよいのかを考える必要があります。そこに「教育」や「学習」が果 たす役割があります。
こうした教育や学習は、学校だけで行 われるものではありません。社会人や一般 の人々が参加する生 涯 学習や各種の訓練や研修も、こうした態 度 や価値観を育 む場となります。
国連の人権教育の取り組み
人権に関するグローバルな認識を高め、普 遍 的な人権の文化を育成するために、国連を中心に国際的な取り組みが継続 的に行 われています。
人権教育の10年 UN Decade for Human Rights Education(1995-2004)や国連「人権教育のための世界計画(2005-)は、そうした具体的な取り組みのひとつです。
2011年12月には、「人権教育・研修」国連宣言が採択 され、人権教育のための国際基準が初 めて設定されました。
人権の確立に向けて一番大事な役割を担 っているのは、ほかならぬ私たち一人ひとりです。
私たち自身が、人権問題を常 に自身の問題としてとらえ、「人権のエキスパート」になっていく必要があります。
人権問題を、それが起きる場所が身 近 であれ、遠いところであれ、 鋭敏 に感じとる感性 が必要です。
また、人権侵害 に抵抗 する勇気を育 まなければなりません。
私たち一人ひとりが自分自身を「人権教育」するための努 力 が、いま、求 められています。
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、
そして1本のペンが
世界を変えうるのです
教育こそがただ一つの解決策。
教育第一です。
パキスタン出身の人権運動家。武装勢力パキスタン・ターリバーン運動による女子校の破 壊 活動を批 判 し、銃 弾 を受け負 傷 。女性への教育の必要性や平和を訴 える活動を続けている。
2014年、史上最年少でノーベル平和賞を受賞。

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