創価大学創立50周年記念
ロモノーソフ生誕310 周年記念特別WEB展示
ー ロシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ ー

 
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宇宙大の人間 ― ロシアの天才 ロモノーソフ

「ロシアのレオナルド・ダビンチ」「万能人間」とも言われ、自然科学、文学、教育の幅広い分野で功績を残し、ロシアの学問発展の基礎を築きました。
本年は、ロモノーソフが誕生してちょうど310周年にあたります。この記念すべき年を機に、創価大学ロシアセンターは、モスクワ大学との共催、ルースキー・ミール基金の後援でロシアの偉大な学問の父、詩人、文学者であるミハイル・ロモノーソフをウエブ展示会で紹介することに致しました。

ロモノーソフの生涯・年表

ミハイル・ロモノーソフは1711年11月19日に生まれた。18世紀初頭といえば、ロシアでは、大変革の時代であり、ピョートル大帝が、社会のほぼ全般にわたる改革を推し進めていた時代である。産業の目まぐるしい発展、天然資源の開発、新首都の建設、艦隊の創設、新暦の導入(新年が1月1日になった)、初の新聞や初の博物館の開設、一般市民のための教育機関の設置、さらには、ロシア史に大きな足跡を残した科学アカデミーの創立、等々、変化に富んだ時代だった。
 
 

ロモノーソフの業績―教育分野

ロモノーソフが誕生した18世紀初頭はめまぐるしい変化の時代であった。ピョートル大帝が西欧諸国を手本に国内の改革を次々と断行し、ロシアを強国へと押し上げようとしていた時期である。国を発展させるために重要なのは科学的思考、教育、文化だと理解していたピョートルは、ドイツの大哲学者ライプニッツの熱心な勧めもあり、サンクト・ペテルブルクに外国から優秀な学者を招いて、学術研究と教育の中心地として科学アカデミーを設置することを決意した。西欧の科学や技術、文化を輸入すれば、ロシアの地に根を下ろし、やがてロシア人自身の手により独自に花開くはずだ。ロシアの持つ莫大な天然資源を開発し、ロシア人の中から優秀な人材を育てることができれば、西欧諸国を凌駕するほどの大国へと成長できるはずだ―そう考えたのである。
 

ロモノーソフの業績―自然科学

ロモノーソフが誕生した18世紀初頭はめまぐるしい変化の時代であった。ピョートル大帝が西欧諸国を手本に国内の改革を次々と断行し、ロシアを強国へと押し上げようとしていた時期である。国を発展させるために重要なのは科学的思考、教育、文化だと理解していたピョートルは、ドイツの大哲学者ライプニッツの熱心な勧めもあり、サンクト・ペテルブルクに外国から優秀な学者を招いて、学術研究と教育の中心地として科学アカデミーを設置することを決意した。西欧の科学や技術、文化を輸入すれば、ロシアの地に根を下ろし、やがてロシア人自身の手により独自に花開くはずだ。ロシアの持つ莫大な天然資源を開発し、ロシア人の中から優秀な人材を育てることができれば、西欧諸国を凌駕するほどの大国へと成長できるはずだ―そう考えたのである。・・・・
 

ロモノーソフの業績―モザイク画

モザイクとは、さまざまな色の石、貝殻、ガラスなどの小片を寄せ合わせて接着し、図や模様を表す装飾美術の技法である。ロシアをはじめ、ビザンツから正教会の伝統を受け継いだ地域では、古くから宮殿や教会を飾るためにこのモザイク技術が使われていた。しかし、当時モザイク画の中心地だったキエフが衰退し、フレスコ画の技術が普及すると、ロシアでは完全に失われた技術となってしまった。
 

ロモノーソフの業績―詩作
大いなるオーロラを前に夜想う神の偉大さ

 
昼はその顔(かんばせ)を隠し
闇黒の夜が野原を覆いつくした
山々に黒い闇がのぼり
光は傾き、われらのもとを去った
すると無数の星々が一面に現れた
底なしの深淵に浮かぶ無数の星々が。
 

ロモノーソフの箴言集

1.小人は、たとえ山頂に立ったとしても小さく、巨人は穴に落ちようとも大きい。
 
2.不断の努力は、困難を克服する。
 
3.おべっか使いの人間は舌にははちみつを塗り、心には毒をもつ。
 
4.苦労して善きことを成したならば、苦労は過ぎ去るが、善きことは残る。楽して悪事をはたらけば、楽は過ぎ去るが、悪事は残る。
 
5.間違いを指摘するのは簡単だ。より良きものを与えることこそ、優れ た人にふさわしい行いである。
 
6.おお、希望が我らのために
    無限の闇の檻を
    開きゆく!
    しきたりも、禁令もない
    かの地に英知が殿堂を築きゆく!
    そして、無知は色あせるのだ。 
    (「エリザヴェータ女帝戴冠式に捧げ る頌歌」1747年19番)
 

おわりに

本展示会を開催するに当たりましてはモスクワ大学及びクンストカメラ(ロシア科学アカデミー付属ピョートル大帝記念人類学・民族誌学博物館)より貴重な展示データをご提供頂くなどのご尽力を賜り、心より感謝しております。また、2015年にモスクワ大学のサドーブ二チィ総長が本学訪問の折に行われたご講演「ロモノーソフ — 宇宙大の人間」の資料使用を快諾して下さり、深く感謝申し上げます。さらに「ルースキー・ミール基金」が日頃より創価大学ロシアセンターの運営をサポートして頂き、本展示会の支援も頂いたことも感謝をもって明記させて頂きます。
 
本展示会が隣国ロシアをよりよく知る機会となりましたら幸甚です。
 
創価大学ロシアセンター長 浅山龍一