第3章 私からはじまる「人権」

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女性自分らしく生きる

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世界のいたるところで、女性は多くの困難( こんなん )( ちょく )( めん )しています。( ひん )( こん )( )で長時間の家事労働に( じゅう )( )しています。不十分な教育、短い平均寿命( じゅみょう )などにより、人間らしい生活に必要な能力を開発する機会が( うば )われています。賃金格差、結婚( けっこん )や出産による( しつ )( ぎょう )、行政的・管理的職業に( )く機会における差別もみられます。性暴力、性( )( れい )( めい )( )殺人、性的( いや )がらせ(セクシャルハラスメント)、家庭内暴力なども深刻( しんこく )な問題です。

「女性への暴力は、女性が男性に( くら )べて( じゅう )( ぞく )的地位に置かれることを( )いる( じゅう )( だい )な社会的構造( こうぞう )の一つである」と、女性暴力撤廃( てっぱい )宣言に( しる )されているように、こうした問題は女性に対する差別意識に深く( )ざしています。

女性が一人の人間としての可能性を十分に( はっ )( )できるために、ジェンダーの平等がますます重要な( )( ひょう )になっています。

参考資料:アムネスティ・インターナショナル日本HP

数字で見る女性の人権

男性の( )( よう )人口72.2%に対し、女性の雇用人口は47.1%です

世界の女性の35%が夫や恋人( こいびと )または他人から ( ぎゃく )( たい )・性的暴力( )( がい ) にあっています。
一方で、ある国・地域では、女性の70%が、夫や恋人からの被害にあった経験があると報告されています。

世界では推定2,090万人が強制労働の被害を受けており、55%が女性です。また、児童買春・売春の被害者のうち98%(約450万人)は女性です。

アフリカと中東の29カ国・地域の13,300万人を超える女性が、有害な( でん )( とう )( てき )( しゅう )( かん )である女性器切除( せつじょ )を経験しています。

身体的・精神的( )( つう )( くわ )え、長期的な出血、( かん )( せん )( びょう )(HIV( ふく )む)、( )( にん )( しょう )妊娠( にんしん )期間中の合併( がっぺい )( しょう )を引き起こす場合があり、死亡するケースもあります。

世界の女性の政治参画

首長

  • 知事

    2

    /47都道府県

  • 政令指定都市長

    2

    /20政令指定都市

  • 市区町村長

    21

    /1,721市区町村

議会の長

  • 都道府県議会議長

    0

    /47議会

  • 政令指定都市市議会議長

    1

    /20議会

  • 市区町村議会議長

    29

    /1,721議会

国会議員の女性の割合(世界)

  • 1 ルワンダ

    63.8%

  • 2 アンドラ

    50.0%

  • 3 キューバ

    48.9%

  • 162 日本

    8.1%

参考資料
国際労働機関(ILO)「Global Employment Trends 2014: Risk of a jobless recovery?」、世界保険機構(WHO)「Global and Regional Estimates of Violence against Women」、国際労働機関(ILO)「ILO Global Estimate of Forced Labour Results and methodology」、国連児童基金(UNICEF)「FEMALE GENITAL MUTILATION/CUTTING: What might the future hold?」、内閣府男女共同参画局「世界の女性の政治参画マップ2015」

HUMAN STORIES

©UN Photo/Eric Kanalstein
※本文と写真は関係ありません。

( めい )( )殺人

「名誉殺人」とは、女性が婚前( こんぜん )・婚外( こう )( しょう )(( ごう )( かん )による処女の喪失( そうしつ )( ふく )む)した場合や、家族が決めた相手以外と結婚した場合などに「一家の名誉が( けが )された」として、家族・親族らが家族の名誉を守るために、女性を殺害する( ふう )( しゅう )のことです。

アフガニスタン・クンドゥズ出身のブリシュナさん(当時10( さい ))は、2014年5月に地域の宗教指導者に性的暴行( ぼうこう )を受けました。彼女( かのじょ )は家族と地域住民の「名誉殺人」のターゲットになりました。また、ブリシュナさんをサポートしていた女性の人権( よう )( )活動家も殺害予告を受けています。

10月25日、加害者に20年の実刑( じっけい )判決が言い( わた )され、「名誉殺人」を実行しようとしていた家族も、ブリシュナさんを( きず )つけないという誓約書( せいやくしょ )を提出しました。しかし、彼女は学校に通わせてもらえなくなり、いまなお報復( ほうふく )( きょう )( )にさらされています。

「『このまま死ぬような事をされて、
それで死ぬんだ』と思いました。」

©UN Photo/Martine Perret

ドメスティックバイオレンス

女性に対する人権問題は、開発( )( じょう )国だけで起きているわけではありません。日本でも、ドメスティックバイオレンス(DV)は大きな問題となっています。DVには身体的暴行、心ない言動等により、相手の心を傷つける心理的攻撃( こうげき )、経済的圧迫( あっぱく )または性的( きょう )( よう )などがあります。

2014年度には、全国247ヵ所の( )( えん )センターに10万件を( )える配偶者( はいぐうしゃ )からの暴力に関する相談が( )せられ、そのうち98%は女性からのものでした。

また、2014年度に起きた配偶者からの身体に対する暴力事件案等の認知状況( じょうきょう )は59,072件で、うち女性の( )( がい )者は89.9%でした。内閣府が( じっ )( )した「男女間における暴力に関する調査」(平成26年度調査)では、回答した女性(1,401人)のうち、23.7%が配偶者からの暴力を受けた経験があると答えています。

「私の( かみ )の毛を引っ張ってひきずり回したり、け飛ばしたり。それで、私はもう動けなくなって、警察を( )ぶこともできなくて。外にもひきずり出されたりして。『このまま死ぬような事をされて、それで死ぬんだ』と思いました。それが一番( こわ )かったことです。」

(30代女性)

参考資料
アムネスティ・インターナショナルHP、
内閣府男女共同参画局HP、
内閣府「配偶者暴力相談支援センターにおける配偶者からの暴力が関係する相談件数等の結果について(平成26年度分)」
警察庁「平成26年中のストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」

自分にとって家族が大切なように、
( となり )の人にも大切な人がいるはずです。
だから自分だけを切り取って、
( しあわ )せであることはありえない。

地域のボランティア活動に取り組む女性(日本)