概要

設立の経緯

 国際社会では、四半世紀にわたり女性の人権確保や地位向上を目的とした活動が活発化してきています。日本政府もジェンダー問題に関する国際的な合意形成に積極的に関与し、国内法の整備や国民の意識啓発に取り組んできており、内閣府はあらゆる場面で女性比率を2020年には30%以上にすべきであるとしています。
 しかし、このような国内外の潮流にあって、わが国の学術界におけるジェンダーギャップが、遅々として改善されていないことが問題視されています。いまや社会のあらゆる分野で女性が活躍していることや、本学における女子学生の割合が50%に近いことを鑑みると、女性教員の存在は不可欠であり、教育の観点からも女性教員を増員することが望ましいと考え、創立50周年を目指す創価大学グランドデザインの達成すべき課題として、女性教員が働きやすい環境を整備することにより、教育・研究活動を活性化させていくことを掲げました。このグランドデザインに基づき、2012年3月に女性教員支援室設置準備委員会を設置し、他大学、一般企業の先行事例を取材、学内の女性教員・研究者を取り巻く環境やニーズの調査を行い、活発な議論を重ねました。そして、2014年4月に、待望の「男女共同参画推進センター」を開設するに至ったのです。
 今後、本学の教員・研究者が出産や子育てなどのライフイベントと教育・研究活動を両立していくことのできる環境整備に取り組み、本学が男女共同参画社会を推進するという公教育機関としての責務を全うし、学生第一の建学の理念を実現するため諸提案を試みたいと考えています。

Soka University Grand Design 2021-2030-男女共同参画の取組み

 2010年に発表したグランドデザインでは、2020年における女性教員比率30%の実現を目指し、達成しました。「スーパーグローバル大学創成支援」の事業構想においても、この方針を堅持して全学的に女性教員および女性職員の比率増加を推進しています。2030年までの目標として、「女性教員比率20%を全学部において達成」「女性職員比率40%の達成と維持」「女性管理職比率の目標設定と達成」を掲げ、男女共同参画の実現に引き続き取り組みます。
 2021年度男女共同参画推進センター運営委員会では、「女性教員比率20%を全ての学部において達成」の実現のために、各学部の教員男女比率を公表すること、さらに比率の低い法学部と理工学部を重点学部に設定し、学内の教職員の意識向上に努めていくことが確認されました。
 今後もダイバーシティ・インクルージョン推進センターでは、「Soka University Grand Design 2021-2030」で掲げられた「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」へ、多様な価値観が集まるキャンパスの実現を目指し、創価大学における男女共同参画が前進するよう、取り組んで参ります。

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