112 創価大学ニュース 2022 Winter [ スペシャル対談 ] のんさん×杉山 由紀男教授 「いてもたってもいられない」気持ちが、 次の一歩を踏み出す力になる。 【 Focus創大 】 次代を育むために、進化・深化する「世界市民教育」 Create Next!
Special Interview [ スペシャル対談 ] 03 「いてもたってもいられない」気持ちが、 次の一歩を踏み出す力になる。 まだまだ予断を許さない状況は続きますが、コロナ禍の新 しい日常で希望の未来に思いをはせるために、今回は2月公 開の映画「Ribbon」で監督を務め、コロナ禍に打ちのめさ れながらも、希望を掴み、前に進む美大生の姿を描いた女優 のんさんをゲストにお迎えしました。対談相手となるのは、 文学部教授、地域・産学連携センター長として、どんなとき も前に進む学生たちの姿をすぐ隣で見てきた杉山教授。そん な2人の対談を通して、コロナ禍という試練のなかで次の時 代を切り拓く力を得て、強く、たくましく成長する学生たちの “今” に迫ります。
04 創価大学ニュース 2 0 2 2 W i n t e r No.112 【表紙写真】 図書館4階にはオンラインで授業を聴 講する学生、自習に取り組む学生が多 い。感染防止対策を徹底した“新しい日 常”のなかで、学生たちは学業に励み、 キャンパスライフを送っている。 今号の取材・撮影は、感染防止対策を徹底した うえで行っています。 INDEX [ スペシャル対談 ] [ Focus創大 ] Create Next! P.03 P.07 「いてもたってもいられない」気持ちが、 次の一歩を踏み出す力になる。 ありがとう P.16 子から親へ、親から子へ 理工学部 鈴木 汰知さん 経営学部 前島 奈緒子さん キャンパスニュース P.17 特待生・試験合格者/イベント情報 P.21 Over the border 【ベトナム社会主義共和国】柴 秀典さん P.13 学問探訪 【 脳科学と世界市民教育】 川井 秀樹教授 P.15 のんさん×杉山 由紀男 次代を育むために、進化・深化する「世界市民教育」 SUN112 2022 Winter 杉山:女優、声優、ミュージシャン、さ らには会社の代表もお務めになるなど、 のんさんはマルチに活躍されていらっ しゃいますが、今度は映画監督にも挑 戦されたのですね。お話をいろいろと うかがえることを、楽しみにしてきま した。のんさんの挑戦は多くの人々、 特に若い人に、大きな希望を与えてく ださっていると感じています。映画 「Ribbon」も何よりのエールになるの ではないでしょうか。 のん:そう感じていただけると、とても 嬉しいです。コロナ禍で「エンターテイ ンメント」や「アート」は不要不急な ものにされてしまいました。今回の映画 は、その悔しさを表現したものなのです。 感染対策として人との交流を減らすこと は、もちろん必要なことです。私自身、 大好きなエンターテインメントやアート に関わる仕事やイベントがなくなり、主 催していた音楽フェス「NON KAIWA フェス」も中止という決断をしました。 当時はまだライブの開催可否がアーティ ストに委ねられている状況下だったので すが、「ライブで感染が広がる」という 声が上がれば中止せざるを得ません。 仕方がないという気持ちも強かったので すが、それでもやりきれなくて、悔しく て……。ステイホーム中でも「何かしな きゃ何かしなきゃ」という思いが高まり、 そのときに抱いていたさまざまな気持ち を「Ribbon」に込めました。 杉山:悔しさという言葉を聞いて、 一生に一度のチャンスを失った「悔しさ」を晴らす人にエールを送りたい。 Special Interview スペシャル対談 【 創価大学 文学部 】 【 女優・創作あーちすと・映画監督 】 杉山 由紀男 のんさん 教授/地域・ 産学連携センター長 教授/地域・産学 連携センター長
05 コロナ禍だから育めた「自分たちの手で状況を変える力」。 映画の主役が大学生であることに納得 しました。コロナ禍で授業がオンライン になり、友人との交流もできず、思い描 いていたキャンパスライフとのギャップ に苦しんでいる学生の姿を見てきまし た。人生でも、特にかけがえのない学 生時代の2年間を奪われた悔しさは、 とても大きいと感じます。 のん:学生の2年が失われるのって、 本当に事件だなと思います。映画をつく るにあたり、コロナ禍で卒業制作の展 示会をする機会を逃した美術大学の卒 業生の皆さんが開催した「見のがし卒 展」を取材しました。印象的だったのが、 代表でご挨拶をされた先生が突然涙が あふれそうになって、言葉につまってし まったんです。その光景を見たときに、 学生も悔しいし、先生や学校側もどう にもできないもどかしさがあったのだな と感じました。社会全体の状況がなか なか好転しなかったことも要因ですが、 悔しさの根本はどこにもぶつけられな いモヤモヤとした気持ちにあるんですよ ね。「見のがし卒展」ができていなかっ たら、その悔しさはずっと心に残ってい ただろうと思います。 杉山:本学の一大イベントである大学 祭なども、オンラインで開催しました。 皆本当に悔しかったと思いますが、学 生ならではの工夫が随所に光っていま した。 のん:卒業研究や部活動など、調べれ ば調べていくほど、学生にとっての一生 に一度のチャンスがコロナ禍で失われて いることがわかってきました。その悔し さを晴らすような作品として「Ribbon」 を観てもらいたいです。劇中では、空中 を舞うリボンでの感情表現に挑戦して います。悲しいリボンとか、怒っている リボンとか、ちょっと報われるリボンと か。その一つひとつを学生の皆さんに 共感してもらえると嬉しいですね。 杉山:今は8割ぐらい対面での授業に なり、キャンパスに活気が戻ってきたと いう感じです。また、来年度は感染対 策を講じたうえで、原則は対面授業を 行う予定です。コロナ禍でも、いい変 化がありました。対面授業だけのときよ りも、いいプレゼンテーションが増え たのです。 のん:そうなんですか? 素晴らしい ですね。 杉山:その理由として、学生たち自身 が大学に通うことの意義や、自分にとっ ての原点というものを確認できたことが 大きいのかなと思います。ゼミ生に「コ ロナ禍でもよかったこと」をヒアリング すると、友人との電話で大事な話がで きたという回答がありました。普通に 会えるときの電話はたわいもない会話 である場合が多いのが、直接会えない ぶん「なんで大学で勉強をするのか」 ▲大学祭のオンライン配信に向けた クラブ団体による舞台撮影の模様
06 SUN112 2022 Winter コロナ禍の2020年。主人公いつかが通う美術大学でも、その影響は例外な く、卒業制作展が中止となった。悲しむ間もなく作品を持ち帰ることになった いつか。いろいろな感情が渦巻いて、何も手につかない。心配してくれる父・ 母とも衝突。妹のまいもコロナに過剰反応。普段は冷静な親友の平井もイ ライラを募らせている。こんなことではいけない。絵を描くことに夢中になっ たきっかけをくれた友人との再会、平井との本音の衝突により、心が動く。 未来をこじ開けられるのは、自分しかいない̶。誰もが苦しんだ2020 年、心に光が差す青春ストーリー。のん発案のもと、「シン・ゴジラ」監督・ 特技監督の樋口真嗣、准監督・特技統括の尾上克郎の豪華タッグにより特 撮で撮影された“リボンアート”による感情表現にもご注目ください。2022 年2月25日(金)よりテアトル新宿ほかロードショー 「それは何のためなのか」というような 深い話ができた。そのことが嬉しかっ たようです。プレゼンテーションを準備 するときも、SNSやオンラインミーティ ングなどのツールを駆使して、グループ でこれまで以上に試行錯誤していまし た。会えないからこそ、いろいろ工夫し て、我慢を強いられる状況をいい方向 へ変えようと頑張っているなと感じま した。 のん:自分たちでどうにかしようという 気持ちが、とても力強い。尊敬しますね。 私も音楽フェスを中止にしたとき、「どう にかしなきゃ」という思いで生配信ライ ブを早いタイミングで始めて、今も続け ています。そうやって明るく頑張ること は大切ですよね。 杉山:前を向いて行動する力は、とても 大切ですね。本学の学生は、大学の地 元・八王子への地域貢献にも力を入れ ているのですが、コロナ禍を通じて、自 分たちの活動で多くの人をつなげたいと いう意欲が強くなったように感じます。 のん脚本・監督・主演作品 映画「Ribbon」 by 杉山 由紀男/ Yukio Sugiyama のん/女優・創作あーちすと・映画監督 1993年兵庫県生まれ。2016年公開の劇場アニメ「この世界の片隅に」で主人公・すずの声を演じ、第38回 ヨコハマ映画祭「審査員特別賞」を受賞。作品は同映画祭で作品賞、第40回日本アカデミー賞では最優秀 アニメーション作品賞も受賞した。2020年「星屑の町「」8日で死んだ怪獣の12日の物語」出演。2017年に自ら 代表を務める新レーベル「KAIWA(RE)CORD」を発足。2020年5月よりオンラインライブを毎月開催。 創作あーちすととしても活動を行い、2018年初の展覧会「‘のん’ひとり展-女の子は牙をむく-」を開催。 創価大学大学院博士後期課程満期退学。修士(文学)。理論社 会学、特にフランス社会学の学説研究が専門。社会学の理論が 現代社会の問題の解明にどれほど有効なのかを研究。ゼミでは 家族・ジェンダー・教育の問題に焦点を当てている。1986年より 創価大学文学部に在職。2011年から教授。 ©「Ribbon」フィルムパートナーズ 例えば、トロイ遺跡を発掘したことで有 名なシュリーマンは八王子にゆかりがあ るのですが、そのシュリーマンの生誕 200年を地域活性化のイベントにしよ うと、八王子の自治体や企業、商店街 などと協力して、さまざまな取り組みを しています。(p.12参照) のん:本当に、コロナ禍での「いてもたっ てもいられない」という気持ちが、ポジ ティブな力になっていると感じますね。 先ほどの「見のがし卒展」に参加した学 生にも話をうかがったのですが、「どう にかしてやりたい! やりたい!」と動く なかで、全国の大学の学生とつながり、 次第に開催のチャンスを得ることができ たそうなのです。コロナ禍で、みんな悔 しさを感じるだけでなく、自分がそのと き打ち込んでいたものに支えられていた ことに改めて気づいたと思うのです。「こ んなに強い気持ちだったんだ」と、その 大 切 さ を 再 認 識 した とい うか。 「Ribbon」で、そうした気持ちを信じて いいんだと後押しができたらと思ってい ます。私も杉山先生のお話を聞いて、学 生の皆さんの頼もしさに元気づけられま した。 杉山:今の言葉、何よりのエールです。 「Ribbon」がたくさんの人を励ます映画 になるように、私たちもエールを送りま すね。 のん:ありがとうございます。みんなで 踏ん張って頑張りましょう。 「コロナ禍だからこそ気づけた 自分のなかの強い気持ちを信じて、 前に進んでください! 」 のんさん
次代を育むために、進化・深化する「世界市民教育」 07 2030 年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として 多くの団体・企業が賛同している「SDGs」。 人々の生活をよりよいものへと導くためのデジタル技術変革を示す「DX」。 新しい用語の浸透は社会の大きな変化を表しています。 そうした変革とともに、本学も価値創造を実践する 「世界市民」を育むという教育目標に向かって、変化し続けていく必要があります。 今回のFocus 創大では、本学の教育・研究の現在地を、 「データサイエンス教育」「生命科学」「地域創生」「SDGs」という 4つの実例とともに紹介します。進化・深化する「世界市民教育」が どんな人材を育むのかを知るとともに、 創大生の未来の活躍に期待していただきたいと思います。 Focus 創大
「Grand Design2021-2030」の一環として、2030年を展望する新たな教育プログラムが始まっています。 その一つが「データサイエンス教育」です。2022年4月から全学必修化される共通科目 「データサイエンス入門」をはじめ、どの学部からでも学べる副専攻「データサイエンス」を拡充し、 データサイエンスを体系的に学べる環境を整えます。 もっともわかりやすいのは、ニュース番組などで伝えられる 新型コロナウイルス感染症の感染者予測グラフではないで しょうか。国民に感染予防の大切さを理解してもらうための 根拠を、データサイエンスを使って示しているといえます。つ まりデータサイエンスとは、あるデータから“新しい価値” や “意味のある示唆” を取り出す技術なのです。SDGsの目標と なっている数値など、社会のいたるところにデータサイエン スが活用されています。 私自身が文系の学部出身のため、同じ疑問を持っていました。 日本IBMに入って数年後にデータサイエンスを活用するよう になって気づいたことは、「データサイエンスは手段。その目 的は人・社会のため」ということです。データサイエンスで重 要な要素の一つは、誰にどのような価値を届けたいかを当事 者目線で考える力であり、これに文系、理系は関係ありません。 さらに近年は、一部の専門家だけでなく大衆がデータを活用 できるようにする「データの民主化」という考え方があります。 すでに、業界や職種に関係なくデータを活用して業務に取り 組む人は増えており、この流れはさらに加速していくでしょう。 世界市民教育 データサイエンス 08 SUN112 2022 Winter 2022年4月から、「データサイエンス教育」の全学必修化がスタートします。 学生には、実際にデータサイエンスでの問題解決を体験し てもらいます。コンビニの業務効率化策を、手元のデータか ら考えるワークショップです。効率化を実現するためにデー タから現状の課題を読み取り、解決策という新しい価値を 生み出す経験を通じて、数値を追うだけではないデータサ イエンスの面白さを知ってもらえるはずです。社会課題の解 決を目指す創大生の皆さんにとって、データサイエンスを自 分事にすることが、将来の夢・目標達成のための大きな財 産になるはずです。 日本IBM東さんに聞く。 なぜ今、データサイエンス教育なのか? 日本IBM 東 稔 あずま みのる 38期経済学部 2013年卒業 データサイエンスって、私たちの身近にありますか? 文系の学生にはあまり関係のないものでは? 日本IBMとの産学連携プログラムで、 データサイエンスが好きになれますか? 本学のデータサイエンス教育の一番の特徴といえるのが、 日本 IBMとの産学連携プログラムです。 プログラムの責任者であり、本学卒業生である 東 稔さんにお話をうかがいました。
本学のカリキュラムは、社会のニーズのもと常に学生の声を的確に反映しています。データサイエンス教育も、 「学生時代に何を学んでおくべきか」という本学卒業生へのアンケートでは、以前から回答が多く、2021年実施 の同アンケートでは「データサイエンスを学ぶべき」という回答が「語学習得」と並んで上位にあがりました。 そうした声を受け、2014年から段階的に文系学部でも授業を導入するなど創価大学ならではのデータサイエンス 教育をつくり上げ、2022年度から全学必修化がスタートします。 創価大学のデータサイエンス教育の特色 09 Focus 創大 POINT 「段階的な授業構成」で、学生を目標レベルの到達へと導く。 全学必修化を実現するうえで、もっとも配慮したのは、 数学を苦手とする文系学生でも意欲的に学びを進められ るカリキュラムです。本学では、リテラシーレベルの「ス テップ0」から理工学部生を対象とした専門性の高い「ス テップ3」まで、4段階のステップを明確化し、学生が一 歩一歩成長し、実力とともにデータサイエンスに対する 知的好奇心を育む授業を展開していきます。 データサイエンスへの入り口となる「データサイエン ス入門」の授業は、「反転授業」で行われます。まず、 ビデオなどのオンライン教材で、学生一人ひとりが事前 に新しい知識をインプットし、授業でその知識を活用 する。従来の授業形態を「反転」させる方式でデータ サイエンスの知識を定着させていきます。 座学×「挑戦する」場づくりで、高品質な学びを。 前ページで紹介した日本IBMとの産学連携プログラ ムはもちろん、「データサイエンス入門」でも対面セッ ションでのグループ学習などで、データを活用した課題 解決を経験する授業を充実させています。英語などの 語学習得と同じように、知識を得たあとに実際にその 知識を使って「挑戦する」経験を積むことが、データサ イエンスのスキル修得への近道となるからです。 日本IBMというデータサイエンスで多くの社会課題 を解決している企業と産学連携プログラムを実施でき ることは、他の大学にはない大きなアドバンテージとい えるでしょう。 ステップ0 ステップ1 ステップ2 ステップ3 全学必修科目「データサイエンス入門」 「データサイエンス基礎科目群」 「データサイエンス副専攻」 理系レベルの データサイエンス教育 オフィスアワー 講義ビデオ(オンデマンド) 対面セッション オンライン クイズ 授業後 アンケート 机上で 学ぶ 挑戦する 実践する グローバルに 活躍 語学研修、 留学で 類似環境、 インターンで データの専門性を 活かして活躍 机上で 1 3 2 4 「反転授業」で全学生に データサイエンスの基礎修得へ。 POINT POINT データサイエンス 語 学
データサイエンスとともに、未来へ進む学生たち データサイエンスの授業で特に印象に残っているのは、日本IBMとの産学連携プログラムで 行ったグループワークです。データサイエンスを使って、コンビニエンスストアの在庫管理シス テムを効率化し、食品ロスを減らすというものでした。それまでは統計学などデータ分析の手 段は学んでいましたが、それが具体的にどう役に立っていくのかのイメージができていなかっ たので、授業を通じてビジネスでの活用方法や将来的な重要性を体験できました。 データサイエンスを仕事にするという選択肢もでき、別の職種でもこれから社会でキャリア を重ねるなかで重要なスキルだと実感したので、卒業後も学ぶ機会を得ていきたいと考えてい ます。データサイエンスを使えば、これまで誰も発見できなかった社会課題の解決方法が見つ かる―そんな未来の可能性を、大学で学び、体験し、将来の選択肢が広げるきっかけを 得られたことはとても貴重だと感じています。 データサイエンティストという職業は、膨大なデータを黙々と分析する仕事だと思って いました。しかし授業を通じて、ビッグデータを用いてお客さまに課題解決策や新しい価 値を提案・提供する仕事だと知りました。データがないと何が問題かが漠然として、わ かりません。でも、膨大なデータから傾向などを導き、本質的な課題を突き詰めることで、 ITを使った解決に至ることができます。言ってみれば、データサイエンスは過去の情報か ら少し先のことを予測し、理想の未来の姿を導き出す技術なのです。 もともと私が理工学部に進学した理由は、日々進化するITを用いて社会のため、人の ためになる新しいモノを生み出したいと考えたからです。しかし、それを仕事にする職業 が何なのかわからず、エンジニアを目指していました。授業を受け、まさに私のやりたい ことだ!と、将来の道が拓けたと感じています。 私は現在、大学院で自然言語処理の研究をしています。それは、テキストを解析することで、 私たちが普段使用するインターネット検索や機械翻訳など、言語に関わるさまざまな技術を実 現する方法を検討する分野です。 その技術の裏では、統計モデルが使用されており、統計学が非常に重要になっています。こう した統計モデルへの興味は、経済学部で統計学を学んだことがきっかけとなっています。学部の 授業では、現在の研究にも活きるようなレベルの高い内容を学ぶことができました。ゼミでは、教 授が親身になって指導してくださり、発展的な内容について研究することができ、その結果、その 研究は難関国際会議に採択され、発表することもできました。データサイエンスとは、問題の解決 方法を模索する手段でもあり、解決方法自体にもなり得ます。特に、インターネットが活発な現代 では、解決方法としてのデータサイエンスはとても可能性に満ちています。テクノロジーの進化・ 高度な情報化により、データサイエンスは現代社会を生き抜くために必要なリテラシーであり、同 時に可能性を開く鍵となります。創価大学の全学必修化はとても大きな一歩だと思います。 10 SUN112 2022 Winter 今の社会、これからの社会に“欠かせない力” を学ぶ機会に。 授業を受けて、データサイエンティストが将来の夢に。 データサイエンスという新しい視野を得る大きなきっかけ。 槇原恵利香さん 経済学部経済学科3年 三宅藍子さん 理工学部情報システム工学科3年 井上誠一 さん 東京都立大学システムデザイン研究科情報科学域所属 2021年3月創価大学経済学部経済 学科卒業
これまでも生命に関する新しい可能性を解き明かしてきた 生命科学。その手がかりとして従来は「ゲノム(遺伝子)」「タ ンパク質」が注目されてきましたが、生命を構成する第3の 鎖である「糖鎖」を読み解くことで、さらなる未知の領域に 歩みを進めることができると期待が高まっています。しかし、 「糖鎖」は構造が複雑なことから分析に時間がかかるなど高 い専門性が必要であり、さらなる研究推進の道のりは平易で はありません。 そうした状況を打破して一層の「糖鎖」研究を進めようと開 始したのが、「ヒューマングライコームプロジェクト」です。同 プロジェクトは、国が策定した「学術研究の大型プロジェクト の推進に関する基本構想ーロードマップ2020」にも選定さ れ、国内外から期待の声が寄せられています。「ヒューマング ライコームとは、ヒトの網羅的糖鎖情報を意味し、本プロジェ クトは20,000人規模の糖鎖情報データベースの構築を目指 しています。これまでも糖鎖情報のデータベースはありました が、数万規模のサンプルを標準化されたプロトコルで解析し た例はありません。このデータベースを完成後、国内外の研 究者・研究機関に公開することで、次世代生命科学への飛 躍的な発展と、医療・ヘルスケア革新の実現を目指します」 (糖鎖生命システム融合研究所 木下フローラ聖子副所長/教授) 本学の糖鎖生命システム融合研究所は、東海国立大学機 構並びに自然科学研究機構とともにプロジェクトの主要拠 点として、このたび「文部科学省共同利用・共同研究拠点(糖 鎖生命科学連携ネットワーク型拠点)」に認定され、糖鎖生 命科学と情報科学を融合させるフィールドを担います。私立 大学がこうした国家プロジェクトの主要研究拠点に選ばれる 例は少なく、本学の研究力が高く評価された形になります。 「本学では15年以上前から生命科学と情報科学の融合を目 指していました。実は『融合』は大変難しく、研究領域が異な ると『常識』すら異なり、研究者同士の話がかみ合わないこと が多々あります。しかし、これからの生命科学の発展には情報 科学の知識が欠かせないと考え、時間をかけて双方の研究者 が共通言語で話せる環境を整えました。糖鎖と情報科学の専 門家が協働する研究所は、現時点では本学が唯一だと言える でしょう」 (糖鎖生命システム融合研究所 西原祥子所長/教授) 2022年4月から 本格始動する本プロ ジェクトが、どんな新 しい生命科学の扉を 開くのか、ご注目くだ さい。 糖鎖とは細胞表面やタンパク質に結合している糖が鎖状につながった構造。糖鎖 はCOVID-19をはじめとしたウイルス感染の窓口となるほか、がん発見のマーカー になることがわかってきており、遺伝子やタンパク質だけでは達成できない病気の 理解・治療・予防が、糖鎖情報を加えることで可能になると期待されています。 生命科学の可能性を「糖鎖」で拓く 国家プロジェクト 『ヒューマングライコームプロジェクト』に 主要研究拠点として参画 世界市民教育 ヒューマングライコームプロジェクト 11 細胞A 細胞B 細胞C TOPIC ▲ 2021年11月11日に文部科学省記者会見室に おいて、東海国立大学機構並びに自然科学研究機 構とともに記者会見を実施。 Focus 創大 Human Glycome Project 糖鎖生命システム融合研究所 写真左:西原祥子所長、右:木下フローラ聖子副所長
トロイ遺跡の発見で知られるドイツの考古学 者シュリーマンは、2022年1月に生誕200年 を迎えました。彼の旅行記『シュリーマン旅行 記 清国・日本』(石井和子訳版、講談社)には、 1865年6月(幕末)に八王子を訪れ、織物作 業や街並みを見たことが記されています。 この史実を八王子の活性化につなげようと、 文学部の伊藤貴雄ゼミと西川ハンナゼミを中心 に構成された「文学部インターゼミ桑都(そうと) プロジェクト」では、地域とコラボした “まちおこ し” を多角的に展開しています。学生による地域 貢献活動や調査・研究活動に対し、大学コンソー シアム八王子が費用などを助成する「学生企画 事業補助金事業」として採択されています。 世界市民教育 SDGs 12 SUN112 2022 Winter 世界市民教育 地域創生 Regional Revitalization SDGs シュリーマンで八王子のまちを活性化! 世界的考古学者の生誕200年企画を文学部生が立案 2021年12月、本学におけるSDGs活動のさらなる進化を目 指した新しい取り組みがスタートしました。ビジネス、研究、国 際機関、NPOといった多様なフィールドで活躍されている SDGs実践者を本学にお招きし、SDGsの最前線で培った経 験を学生・教員が直接対話で学ぶ貴重な機会となりました。 会合に参加した学生・教員は、自らの活動や研究についての 状況を実践者と共有し、改善案や参考となる視点などをそれ ぞれ学ぶことができました。本学としても、SDGs達成を目指す 者同士が分野や立場を超えて対 話をする機会を創出することで、 新しい可能性を生み出す人的 ネットワークの構築という目標 を達成することができました。 さらなるSDGs達成を目指し、 実践者と学生・教員の対話・ネットワーキング会合を開催 八王子駅北口商店会の「つるや製菓」と コラボで、「シュリーまん」の販売開始。 「くまざわ書店八王子店」にて、 学生選書コーナーを設置。 「まちなか休憩所 八王子宿」にて、 シュリーマンと肥沼信次の タイアップ展示を実施。 東京富士美術館で開催された 『古代エジプト展・古代遺跡写真展』の 広報サポート。 八王子のご当地銘 菓「都まんじゅう」 に学生がデザイン したシュリーマンの 焼き印を入れた特 製「シュリーまん」を 販売。 シュリーマンに関連 する本や地元の歴 史本をまとめた特 設コーナーを設置。 学生がポップをつく り、ポスターやチラ シをデザイン。 ドイツで医療活動 に尽力した八王子 出身の医師・肥沼 信 次 博 士とシュ リーマンを、八王子 とドイツをつないだ 偉人として紹介。 来日したエジプト 博物館オリヴィア・ ツォーン副館長に、 シュリーマン・コレ クションの由来な どについて学生が インタビュー。 学生発表テーマ・グループ 発表者:那須野 晴菜(経済3年)、殖木 奎介(経済3年)、江剌家 匠(経済3年) 八王子市における太陽光パネルに関する 資源循環型社会形成に関する研究 発表者:平泉 要太(経済4年)、古賀 誠人(経済4年)/ オブザーバー:佐藤 広宣(経済4年) 創価大学の再生可能エネルギー率向上のための調査 発表者:岡 璃奈(経営3年)、竹田 麻衣子(経営3年)、蓑田 秀美(経営3年) 経営学部 野村ゼミ × SDGs(廃棄生地を救え) 発表者:家田 智美(法4年)、明石 健一(経営4年)/ オブザーバー:池田 知明(経済3年) 教育を通じて国際社会に革新と革命を促す学生による活動 (ASPIRE SOKAによる難民映画祭の活動など) 1G 2G 3G 4G
13 柴 秀典さん 法学部2010年卒業(34期) ヤマハ発動機株式会社 「知性」「健康」「友情」-3つの指針とともに、 経済成長を続けるベトナムの地で躍動する。 1980年代終盤から現在に至るまでベト ナムはASEAN域内でトップクラスの経済成 長率を達成。柴さんは、その経済成長を牽 引する外資企業の現地リーダーとして、大 切な3つの指針を胸に抱いて働いている。 「日系企業が海外進出するとき、単に投資 をするだけ、あるいは技術や知識で勝負す るだけでは、うまくいきません。そこに求め られるのは、まず『知性』―技術や知識 に、情熱、ユーモア、誠実さが加わり、結実 した人間力です。次に『知性』をビジネスと して具現化していくには、その推進役たる 社員は心身ともに『健康』でなければなりま せん。最後に『友情』です。海外で仕事をし ていくうえで、信頼・信用・敬意に基づい た人間関係は必要不可欠で、人と人とのつ ながりが最大の財産です」 これは柴さんが学生時代に所属してい たイタリア・スペイン研究会に創立者か ら贈られた3指針「一.知性を世界に」 「一.健康は指導者(リーダー)の要件」 日系企業の海外進出を成功へ導く、 創立者に学んだ、お金や技術よりも大切なもの。 「一.友情は生涯の宝」に由来している。 「海外で働くなかで、ようやくこの3指針 の意味・意義を実感し、創立者がなぜあえ て、この3指針を我々に贈ってくださったの か、社会に出て理解できました。国境を越 えて、人々と暮らすための心構えでした。 私が現在働く会社の理想は『、世界の人々 に新たな感動と豊かな生活を提供する』感 動創造企業というもので、創価大学の教 育と合致します。価値創造を実践する『世 界市民』を目指して学び、体験した、すべて のことを活かし、この事業を通して、でき る限りたくさんの社会課題の解決に貢献し ていきたいです」 ▲ベトナムで行われた モーターサイクルショーでの一枚 在学中にイタリア・ボローニャ大学に交換留学。2010年に法 学部を卒業後、ヤマハ発動機株式会社に入社。入社3年目か ら中東・アフリカおよび国連などの国際機関向け海外営業担 当。その後ベトナム現地法人に出向し、広告宣伝・PR・商品企 画担当を経て現在はベトナム全土の営業を担当している。 柴 秀典さん Over the border
14 外国企業の生産工場誘致で経済発展 を遂げたことから、日系企業の進出も 多い、ベトナム南部の都市ホーチミン。 「東洋のパリ」と呼ばれるエキゾチック な街並みを、バイクの波が埋め尽くす 光景が、街の名物となっている。 [ホーチミン] ベトナム 社会主義共和国 SUN112 2022 Winter
学 問 探 訪 川井 秀樹教授 【 理工学部 共生創造理工学科 】 脳治療の新しい可能性発見の原動力は、 研究を通して人類に貢献しようとする志。 コロナ禍に苦しんだこの2年は、ワクチ ンや治療薬についての話題が盛んに報じ られ、生命科学の発展が社会の礎になっ ているという事実を、改めて実感した期 間でした。それは同時に、多くの若者の 胸に「生命科学を究めて社会を支えた い」という志を育む時間にもなった可能 性があるのではないでしょうか。 創価大学の理工学部では、そうした志 に応える最先端の生命科学が研究され ています。なかでも機能神経生物学研究 室が発見した「大脳皮質のオリゴデンド ロサイト前駆細胞の盲目による変化」は、 世界中の研究者が閲覧する権威ある研 究誌『PLOS ONE』に論文が掲載され、 注目を集める研究です。 今回の学問探訪では、機能神経生物 学研究室を指導する理工学部の川井秀 樹教授に、その研究内容を解説していた だくとともに、“創価大学の研究力”につい てお話を聞きました。 「大脳皮質は視覚や聴覚などの感覚情 報を処理し、知覚や認知を担う脳部位で す。感覚情報がある期間で変化すると、 それに応じて大脳も変化します。例えば、 ある時期に片目を遮蔽すると、開いてい るほうの目の情報を処理する神経細胞が 増え、遮蔽したほうの目に応答する神経 細胞が減少することがわかっています。 こうした大脳皮質の特性に関する基礎 研究は、脳のさまざまな病気の理解と治 療法の開発にも寄与すると考えています。 我々が注目しているオリゴデンドロサイ ト前駆細胞(OPC)の神経活動の解明 は、神経細胞死をもたらす脳卒中や神経 変性疾患であるアルツハイマー病などの 再生医療の可能性を秘めているのです」 生命科学以外にも、環境、機械工学、 情報システムといった多岐にわたる分野 で世界をリードする研究が理工学部で行 われています。なぜ、こういった先進的な 研究が盛んなのでしょうか。川井教授は、 研究費などの大学からのサポートが手厚 いこととともに、理由の一つとして「人類 に貢献したいと思うモチベーション」をあ げます。 「研究とは、それが病気のことにせよ、根 本的な原理にせよ、人類共通の原理を発 見し、発表することです。言ってみれば、 File 29 創大の 科学の研究に取り組むことそのものが『世 界市民教育』になります。どんな研究者も 根本的には人類に貢献したいという思い を持っています。本学ではそうしたモチ ベーションが一層高いことが、研究力の高 さにつながっているのではないでしょう か。私は、科学をもっと開かれた学問にし ていかなければならないと思っています。 私たちの発見は、研究者のみならず、可能 であれば一般の方々にも理解できるメッ セージとして広めていくことが必要です」 今回、機能神経生物学研究室が論文を 発表した『PLOS ONE』誌は、研究誌のオ ンライン化の先駆け的な役割を担ってい ます。こうしたオンライン環境を活用し、 最先端の研究成果に誰もが自由にアクセ スできるようにすることが、川井教授の考 える「科学者の人類への貢献」の一つです。 「学生には、興味を深掘りしてほしいと思 います。自分の興味に真摯に向き合って 取り組む勉強は、試験のための勉強では なく、自分、そして人類の未来につながる 学びになります。私の場合、それが脳でし た。研究を通して、教科書を書き換えるよ うな、脳の働きに関する新たな発見をし て、人類の知見や教育に貢献するととも に、脳の病で困っている人々に、一日も早 く治療法を提供したいと考えています」 [ テーマ ] 脳科学と 世界市民教育 Hideki Kawai 15 大脳の形成・機能・修復 学習する脳 発達する脳 病む脳 認知機能の解明に向けて 脳の形成と進化の理解に向けて 脳の異常の修復に向けて
私は心理研究会の部長を2年間務めました。リーダーシップを発揮し、 自分から率先してクラブを引っ張る姿なんて、大学入学前の何事にも消極的 な自分からは想像できませんでした。そんな私が変わったのは、何事にも目 標を設定し、その達成に懸命に取り組む多くの創大生の姿を間近で見たから です。頼もしい仲間に少しでも近づきたいと、私もできる精一杯の力でクラブ 活動や創大祭実行委員としての活動に取り組むことで、「主体性」を持った 人間に成長することができたと感じています。 現在、崔龍雲研究室で自律移動ロボットという最先端の工学に仲間と切磋 琢磨しながら取り組んでいます。“崔研”で培った専門的な技術と学内活動で 培った「主体性」を活かして、創大出身者としての誇りを持って社会の第一線 で活躍したいと思います。そうした姿を見せることで、自分のことを陰で一番 支えてくれた両親に親孝行ができればと考えています。 ▲(左)笑顔が最高な信頼する部活の仲間たち (右)桜花爛漫の入学式で母と ▲(左)入学式で撮った母との一枚 (右)所属する「崔研究室」のメンバーとともに 人に頼るのが苦手だけど、自分に自信もないーそんな私は、大学入学を成 長のチャンスととらえ、寮やヴォーカルグループ、海外留学、地方留学など、さ まざまな場所で活動をし、自分を受け止めてくれる大切な人たちと出会いまし た。そのなかで、一番に応援してくれる両親をはじめとした多くの人に「守られ て今の自分がいる」ということを自覚できました。 特に第二の母ともいえるゼミの野村佐智代先生には、社会に出る前でも1人 の人間として生きる責任感や勇気といった「人間力」を学びました。また、多くの 人に守られてきたことを自覚したことで、困ったり悩んだりしている人がいた ら、そのサポートにすぐに動く「行動力」を伸ばせたと感じています。 今後ビジネスで社会課題解決に取り組むため、社会での実践的な現場 経験と勉学の両立に励み、大学で培った力と人との絆を大切にしながら日々 精進します。 自分のことが中心だったあなた、大学で まわりの方に支えられながら成長した 姿を見せてくれましたね。特にヴォーカ ルグループでの活動で、多くの仲間と切 磋琢磨し、人に尽くす大切さを学び、 「私たちの歌で、誰かを励まし、勇気と希 望を与えたい」と、今までにない言葉を 発する姿を嬉しく思いました。感謝の心 を忘れずに、あなたにしかできない使命 の道を拓いていってください! 母より 大学で学んだ「主体性」と「最先端の工学」を武器に、 創大出身者としての誇りを持って社会の第一線へ。 前島 奈緒子さん 創価大学 経営学部4年 自分を受け止めてくれる大切な人たちとの 出会いが、人に尽くすための力を育んでくれた。 学生たちが、夢に向かって歩みを進められるのは、保護 者の皆さまの温かいサポートがあってこそ。また保護者 の皆さまも、大学・短大で一生懸命に学び、大きく可能 性を羽ばたかせる我が子の頑張りに、大きな喜びを感 じていらっしゃるはずです。でも、お互いに思いを伝え る機会はなかなかないもの。本企画ではそんな気持ち をSUN誌面を介して伝え合っていただきます。 Dear Naoko 鈴木 汰知さん 創価大学 理工学部4年 最高の4年間でしたね。創大で多くの挑 戦をし、自分に何ができるか自分なりに 考え、人の役に立つことのできる人間に 成長したと感じます。帰省をしたときも、 時間をつくっては友人に会い、相談にの り、励ましを送っている姿を見ることが できました。創立者の真心の励ましやよ き先輩・友人との出会いを大切にし、自 分らしくこれからも負けじ魂で頑張って ください。応援しています。 母より Dear Taichi 静岡県出身 神奈川県出身 16 SUN112 2022 Winter
キャンパスニュース CAMPUS NEWS キャンパスニュース 17 10月11日(月)、2021年プロ野球ドラフト会議が都内で 行われ、セ・リーグの阪神タイガースから本学硬式野球部の 鈴木勇斗投手(法学部4年)が、ドラフト2位で指名を受け ました。 指名会見で鈴木投手は、「高校時代は甲子園の舞台に立て ず悔しい思いをしたので、憧れのマウンドで投げられるのを嬉 しく思います。自分の武器は力強いストレートと、相手に立ち 向かっていく強い気持ちの部分なので、プロになってもその気 持ちを大事にし、一日でも早くプロの打者に通用する投手に なっていきたいと思います」と述べました。 本学硬式野球部の鈴木勇斗投手が阪神タイガースからドラフト2位指名! また、対戦したいバッターについての質問に対して東京ヤクルト スワローズの村上宗隆選手の名前をあげ、「同じ九州の高校出 身で自分の同期なので、プロの世界で一度対戦してみたいで す。強打者に自分の真っすぐが通用するのか試してみたいです」 と答えました。 指名会見に同席した堀内尊法監督は、「練習熱心で努力を 惜しまない選手です。力強い真っすぐだけでなく、怪我をしな い強い体も彼の強みだと思います。プロの世界でも鈴木投手 らしく、これまでの経験に自信を持って打者に立ち向かっても らいたいです」とエールを送りました。 10月8日(金)、創価大学創立50周 年祝賀「第51回創大祭・第37回白鳥 祭記念フェスティバル」が本学の池田記 念講堂で開催されました。 今回は対面での参加を学内関係者(学 生・教職員)に限定し、オンラインでも 配信。式典では、創立50周年に寄せら れた識者や卒業生からの祝賀メッセージ を紹介するオープニング映像を上映し、 学生による祝賀演目が披露されました。 パイオニア吹奏楽団の演奏に合わせたプ ロローグ映像、Pride of Sokaによる ファンファーレ、滝山太鼓の演奏、イチャ リバチョーデーズの演技、短大生と 創立50周年祝賀フェスティバル、創大祭・白鳥祭が開催されました ヴォーカルグループによる合唱映像に続 き、15カ国・地域から集った留学生が 入国できない留学生と事前収録した映 像に合わせてダンスを披露。各演目の 合間には学生が学生生活の様子を発表 し、最後に参加者で学生歌を合唱しま した。 翌9日(土)10日(日)は一般公開日 として学内関係者を対象に展示やフ リーマーケット、クラブ団体などによる イベントが開催されたほか、留学生喫 茶もオンラインで実施され、各国の伝 統料理のレシピブックの紹介やダンス 動画の配信などが行われました。 2 0 2 2 W i n t e r SUN112
18 創立50周年記念事業の一環として 「第11回池田大作思想国際学術シンポ ジウム」が本学キャンパスを中心に各国・ 地域をオンラインでつないで10月23日 (土)24日(日)の両日で開催されました。 2005年に北京大学で11大学から学識 者が集まって第1回が開催されて以来、 さまざまなテーマで池田大作先生の思 想を探究しており、今回は「人類の共生 と世界市民教育」をテーマに、10カ国・ 地域の52大学・機関から80本の研究 第11回池田大作思想国際学術シンポジウムを開催 論文が提出されました。 23日の開幕式には本学教職員・学生、 研究者ら約350名が参加。中国・清華 大学高等研究院の顧秉林院長とインド・ ガンジー研究協会のニーラカンタ・ラダ クリシュナン理事長のビデオメッセージ のあと、本学の馬場善久学長、中華日 本学会の高洪会長、デポール大学「池 田大作教育研究所」のジェイソン・グー ラー所長の3名が登壇し、「世界市民」 を育む人間教育の哲学などについて講 イギリスの大学評価機関であるクアク アレリ・シモンズ(QS)が、11月3日(水) にアジア大学ランキングを発表。本学 は、総合351~400位(国内58位タイ) にランクインし、昨年度の総合401~ 450位から順位を上げました。 本学は2014年に文部科学省「スー パーグローバル大学創成支援」に採 択され、現在では、海外63カ国・地域、 227大学と学術交流協定を結び、年 間約730名の留学生が学んでいます。 今後も多様な学生が学びあう国際性 豊かなキャンパスの実現に取り組む予 QSアジア大学ランキング総合351~400位(国内58位タイ)にランクイン! 定です。 指標別では、外国籍教員:54位(国 内6位)、海外派遣交換留学生:101 位(国内10位)、外国人交換留学生: 119位(国内18位)、外国人留学生: 133位(国内25位)となりました。 「世界市民・SDGs」をテーマに朝日教育会議2021フォーラムを開催しました 演しました。両日で7つの中国語分科会と 4つの英語分科会をオンラインで開催し、 各国の池田研究者が論文を発表、活発な 議論が交わされました。 ◀詳しくはHPへ 創立50周年記念事業の一環で、朝 日新聞社と共催し、12月4日(土)に 朝日教育会議2021フォーラムを開催 しました。 「『世界市民』としてSDGsの時代を 生きる」をテーマに掲げ、第1部では 日本総合研究所会長/多摩大学学長 の寺島実郎氏に「世界を知る力とは何 か?」と題してご講演いただきました。 第2部で馬場善久学長がプレゼンテー ションをした後、第3部のパネルディ スカッションでは寺島氏と馬場学長、 また、国連難民高等弁務官事務所駐 日首席副代表のナッケン鯉都氏と SDGs市民社会ネットワーク理事・事 務局長の新田英里子氏が登壇し、世 界市民に必要とされる資質やSDGsの 時代をどう生きるかなどを中心に議論 しました。 参加者からは、「『世界市民』という 言葉を初めて聞きました。特別な人のこ とではなく、自分の立場で社会のために 行動することが大事だと思いました」な どの声が寄せられました。 SUN112 2022 Winter
www.soka.ac.jpRkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz