松井純子さん

・ 卒業年度・入学期:1992年度卒・7期
・ 所属学科:経営科
・ 勤務先等:イタリア政府公認観光ガイド
創価女子短期大学とわたし
上は6歳、下は30歳以上も離れた“姉妹”がいると思うと、心から感激します。私は短大7期生です。
私の短大時代は実は、初年度の1学期がはじまって早々、「早く短大をやめたい」との思いに苛まれるというスタートでした。美術書や画集が好きで、キャンパス内の図書館に通う日々。在籍した経営科での学習にあまり魅力を感じられなかったことはその理由の一つでした。
ところが、当時かなり活発に活動を展開していた課外活動「イタリア研究会」に所属したのをきっかけに、自らの興味や将来の夢を見出していきました。本当に自分が進みたい道とはなんだろう。それを見つけられたのが、私にとっての短大と言えます。
短大二年目のある日、来日したイタリア修復家の講演会で話を聞き、感動したのをきっかけに卒業後イタリアへ移住。その後のイタリア滞在中はいかなる困難の時も、「短大生だった自分だからきっと大丈夫」という不思議な確信や安心感が私を支えてきました。それはおそらく、やや反抗心の強い私であったとはいえ、短大キャンパスで縁した人々の「一人を大切にする真摯な想い」に触れられたからではないかと思います。
短大は私にとって「あなたが本当の意味でまっすぐに、自身の幸の道を歩めるように」という周囲からの想いを肌で受け止めることができた場所でした。創立者の青年に託す想いと信念が貫かれたキャンパスで、その哲学を背中で語ってくださる多くの方々に出会えたことが、今の私の支えとなっています。
すでにイタリア在住30年を超え、在住の地フィレンツェの町で幸せな家庭を築き、仕事面では、イタリア政府公認観光ガイドの仕事を中心に、イタリア国内、特にトスカーナ地方のあちこちを飛び回っています。近年のパンデミックをきっかけに、逆境を逆手に取り、イタリアの諸々を紹介する新種のオンライン事業開拓者の一人となりました。毎年、ありとあらゆるイタリア関連事業の各種コーディネートを任されています。現在は、フィレンツェの有機オリーブ農家の極上オリーブオイル販売・プロモーションを担当しており、美しいイタリアの良さをあらゆる形で紹介する多くの仕事に従事しています。
当時、いやいや通学することもあったあの頃を思うと懐かしいですが、今では短大に身を寄せられた自分を心から嬉しく思っています。
どうか短大時代に、尊敬できる人に出会えますように。生涯の財産になる友情を育まれますように。イタリアの地から皆さんのご活躍にエールを送り続けていきます。