学長ヴィジョン

2024年度の学長ヴィジョンを公表します。
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 本年度は、開学40周年に向けて掲げた「短大中期計画」の4年目に入る。いよいよ40周年を目前にすることとなる。これまでの取り組みをさらに充実させ、教職学一体で取り組んでいく。 この中期計画では「女性(あなた)が輝く未来を拓く」とのテーマを掲げ、2年間の学びを通して、一人ひとりが自分らしく輝く土台を作り、自身の未来を拓くことができる教育に取り組んできた。この3年間の成果を踏まえ、いよいよ次の段階へと歩みを進める。そして、さらに女性が輝く社会を拓く人材を輩出していきたい。特に「Next 創短! 2024」は本年度の大切な取り組みである。短大教育のさらなる充実を図っていきたい。

 この3年間、「輝く女性育成」と「SDGs」の推進という2つの柱を軸として取り組みを進めてきた。輝く女性育成推進では、「これからの社会と女性の生き方や働き方」の企画セミナーの定着化を始め「偉人に学ぶ女性の生き方」の勉強会を開催し、小冊子にまとめるなど充実を図ってきた。 SDGs推進では、各種のワークショップを中心に、身近なところから行動を起こし、地道に活動を進めてきた。2年連続で東京都が実施する「都民による事業提案制度(都民提案)」に挑戦し、一昨年度に採択され事業化された「働く女性のウェルネス向上事業」に続き、昨年度には都民投票で第4位に選ばれ「介護の魅力PR事業」として予算化され実現していることは素晴らしい成果といえる。
 
 英語能力の向上を目指すE-Swans(英語特別プログラム)では目標のTOEIC730を突破する学生も着実に育ち、実績を残すことができた。資格取得においてもビジネス特設クラスを中心に上級資格も数多く取得し、検定協会よりビジネス文書検定で個人として優秀賞(全国3位)を2名が受賞するなど、確実に教育成果を上げることができている。 また、学生の活躍という点でも、5チームが参加した「大学コンソーシアム八王子主催 学生発表会」での八王子市長への直接提案セッションにおいて奨励賞を受賞するなど地域貢献へ活躍。たくましく挑戦する本学学生の成長の姿を強く感じることができた。  
 
 いよいよ本年度から「Next創短!2024」が3つの柱でスタートする。1つめは少人数・業界に特化したハイレベルクラスとなる「ホテル・航空業界への特設クラス」の新設。2つめは「資格deキャリア」のスタート。今までの秘書・一般事務、ICT活用・情報サービスに加え、医療・調剤事務やブライダルサービスなどの新たな資格プログラムを開講する。そして3つめは「AIで授業をパワーアップ」。授業にAIを導入し、AIを活用できる人材育成を目指す。 これまでの実績の上に、本年度はさらなる充実を図るために、「Next 創短! 2024」とともに、中期計画で掲げた「教育・研究」、「学生支援」、「入試・広報」、「進路・就職」の4つの柱と、それ(贈呈式にて小池都知事と) - 2 -  らを支える「経営基盤」の構築をもとに、取り組みを進めていきたい。 志願者増加の取り組みについては、同窓生(子女を含む)推薦入試などは昨年度を上回る結果を残せたが全体としては減少となった。本年度40期生を迎え、40周年の門出を飾る41期生へのアプローチに、教員と職員が一体となって取り組んでいく。 開学40周年となる明年度へ向けて、創立者池田大作先生の示された建学の指針に適う「創価の女性教育の城」を、どこまでも学生第一で、教職員一同、力を合わせて作り上げていきたい。 
1.教育・研究
社会で輝く女性の育成を目指した教育内容・制度の充実のために、以下の4点についてのさらなる改革を進める。  

(1)カリキュラム改革
 英語特別プログラム(E-Swans)、ビジネス特設クラスに加え、少人数、ハイレベルの「ホテル・航空業界特設クラス」を新設。ホテルや航空業界を目指す学生のために必要な専門的知識、マナーやサービス実務能力の修得を目指す。業界に特化したホスピタリティ&サービス英語についても学ぶ。また、インターンシップ科目を新設し、実践的なスキル修得のためにホテルなどの企業研修も実施する。教養科目の英語科目を見直し、英語を効果的に学べる体制を整えた。本年度よりスタートする。
 また、「輝く女性育成」と「SDGs」の2つの推進については、課外でのセミナーやワークショップなども実施し、さらなる充実をはかる

(2)海外語学研修と資格取得教育の充実
 海外語学研修については、昨年度はSUA短期留学プログラムをSUAのキャンパスで、オタゴ大学語学研修も現地で実施できた。またフィリピン・ミリアムカレッジ語学研修は、オンラインでの実施となった。本年度は、全ての海外語学研修を現地で開催する予定である。
 さらに、研修内容を実りのあるものにするためにも英語力の向上に加えて、国際ビジネス学科の専門的な学びとの連動性を確保できるものにしたい。海外語学研修の前後で履修すべき科目を明確にし、連動した学びの仕組みを整理し、学生の英語力がさらに身につくようにしていきたい。また、SUA短期留学プログラムの授業内容等の改変、充実などを目指す。 次に、資格取得教育の充実については、昨年度は土曜講座の全ての講座を対面で実施でき、学内で実施したMOS試験をはじめ様々な検定試験等も実施できた。
 本年度は、TOEICを含め学習成果(カリキュラム改革で更なる教育の充実) (アメリカへ飛び立つSUA短期留学参加者) を測る指標としての資格取得の推進を検討する。また、課外では「資格deキャリア」をスタートさせ、医療・調剤事務やブライダルサービスなど社会のニーズをふまえた新たな資格講座を実施する。

(3)教育制度の改革
 本年度は、昨年度に引き続きクォーター制の導入、授業時間の見直し(100 分制)について検討を進め、学習成果の測定と可視化についての点検を行う。

(4)教員の研究力の向上
 本年度は、研究環境の整備を進め、紀要論文の執筆を促進し、科研費等の申請数の増加を目指す。また、教育・研究業績の評価や研究費の傾斜配分等についての検討を進める。
2.学生支援
豊かな教養を身につけ、充実した学生生活を送るための支援の拡充を進める。具体的には以下の3点に取り組む。  

(1)SLS(スチューデント・ライフ・サポート) セミナーの充実
 課外で実施している「SLS(スチューデント・ライフ・サポート)セミナー」について、例年開催の内容に加え、「輝く女性育成推進」と共催して外部講師を招いた企画セミナーを実施し、短大生だけでなく、短大卒業生、東西の創価学園の女子生徒にもオンラインを利用した参加機会を提供してきた。本年度も引き続き「輝く女性育成推進企画セミナー」として内容を検討し、さらなる充実をはかる。  

(2)寮生活支援
 日常的に寮生一人ひとりの生活面や学習面などの支援の充実を目指し、教職員による寮生活アドバイザー制度の試行実施を検討し、残寮生と教職員との懇談会を実施した。昨年度まではコロナ禍を考慮し実施を見送ってきたが、本年度は、定期的に懇談会を開催し、残寮生との意見交換をしながら、実施に向けての取り組みを進める。  

(3)障害学生の支援体制の整備とサポート
 「障害学生支援室」を開室して3年目を迎える。これまで、合理的配慮を必要とする学生へのより一層の支援の充実を図ってきた。本年度は、昨年度の実施結果や申請者からのフィードバックを参考にしながら関係部署と連携し、修学および学生生活についての支援をさらに整備し、充実に取り組みたい。 
3.入試・広報
 本年度も多様な学力や高い意欲を持った受験者の獲得に取り組んでいく。新たな入試制度として一昨年度に導入した同窓生推薦入試は、着実に志願者を増やしてきた。また、卒業生に短大からダイレクトに情報発信できるメール登録者は約4,400名となり全卒業生の3分の1を超えるまでになった。本年度は、卒業生への短大情報の発信を通して、同窓生推薦入試制度の推進を図りたい。

  入試広報については、短大ホームページを充実させ、コンテンツの発信を増やす。ソーシャルメディアの活用など、本学の情報が受験者、卒業生にいきわたるよう取り組んでいきたい。オープンキャンパスへの参加の推進、日常的な受験相談に丁寧に対応していきたい。また、各分野で活躍する卒業生特集小冊子(MY STORY)を発刊した。今後は、その活用をはかる
4.進路・就職
 地域・社会の各分野で活躍する人材を育むためのキャリア支援・就職支援の充実を目指す。具体的には、インターンシップの推進、地方Uターン支援の強化、他大学への編入学の支援に取り組む。
 
 本年度も、地方の就職先企業の情報収集と開拓をさらに進める。また、他大学への編入学の支援として論文や面接対策の充実をはかる。さらに就職活動、進路決定が円滑に進むよう取り組みたい。 

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