言葉が通じなくても、心はつながる。そして、“知る”ことが“平和”に通じる。―創価大学訪中団に参加して
川井 こころ(かわい こころ)
国際ビジネス学科 2年 兵庫県出身
7月28日から8月3日の7日間、中国人民対外友好協会からの招聘を受け、短大生の代表6名を含む創価大学の学生教職員総勢98名が、中国・北京市、青海省西寧市を訪問しました。今回の訪中団では、世界中の青年が一堂に集う「世界青年和平大会」への出演をはじめ、青海理工学院の学生との交流や中国最大の湖「青海湖」でのゴミ拾いボランティア活動が行われました。
今回のSwan Daysでは、短大生の代表として参加した、学生会執行委員長でもある川井こころさんに、訪中団での経験や学び、参加しての感想を伺いました。
訪中団に参加していかがでしたか?
今回、訪中団の一員として北京市と青海省を訪問しました。創価大学、創価女子短期大学の代表としての訪問ではありますが、“日本の学生の代表”として、この訪中をきっかけにもっと中国のこと、日中関係のことを学ぼうと決意して臨みました。訪問させていただいた7日間は、とても濃密なスケジュールで、理解が追いつかないくらいのたくさんの経験を積むことができました。私は、“海外”へ行くこと自体が初めてだったのですが、中国の文化や歴史を知るだけでなく、“世界”を肌で感じることができ、自分自身の視野を広げられたと感じています。今回このようにご招待いただけたことも、創立者が結ばれた日中友好の絆あってのことであり、金の橋を築いてくださった創立者への感謝の思いでいっぱいです。
今回の訪中の目的の1つが「世界青年和平大会」への参加と伺いました。
2日目に「世界青年和平大会」に参加しました。2008年北京オリンピックの会場でもある北京大学の体育館に、世界各国の青年が集いあい、「世界平和」をテーマにみなで平和について考えました。「世界青年平和イニシアチブ」の提言発表やトークセッションが行われ、「平和に必要なことは何か」という問いを深めました。大会の2部・3部には、各国の伝統舞踊や歌のパフォーマンスがあり、私たちもアジアの代表として「桜花縁」の合唱を披露しました。大会全体を通し、青年の手で平和の世界を守ろうという熱気が会場にあふれていて、参加者全員が同じ熱量で世界平和を求めていることに感動しました。また、会場には大会のテーマでもある「共に平和へ」という文字が大きく掲げられていて、大会後には参加者にペンが配られ、それぞれが名前や決意をパネルに記し、平和への決意を深めることができました。

「世界青年和平大会」に参加してみての感想を教えてください!
4時間近くのイベントで、話す内容が難しいと感じる時間もありましたが、多くの異文化に触れることができ、純粋にとても楽しかったです。日常生活では目の前のことに精一杯で、なかなか「平和」について真剣に向き合って考える機会がなかったので、とても貴重な経験になりました。特に、互いのパフォーマンスを披露した際に、参加者が盛大な拍手を送りあい、称えあっている様子が印象的でした。その様子を目の当たりにしたとき、他国を知り、文化交流することが、世界平和につながっていくことを実感しました。知らないことが多いと、勝手なイメージや偏見も生まれやすいと思います。だからこそ、今回の経験を通し、もっと自分から積極的に知っていきたいと感じました。また、「桜花縁」を中国語の歌詞で歌わせていただき、平和への思いを直接届けられたことに嬉しさを感じるとともに、創立者が築いてくださった日中友好の金の橋を受け継ぐ後継の自覚を深める機会となり、本当にありがたい経験でした。

青海省では“ゴミ拾いボランティア活動”にも参加されたんですよね。
訪中4日目に青湖省へ移動し、5日目には青海理工学院の学生交流の一環で中国最大の湖である「青海湖」を訪れ、ゴミ拾いボランティアに参加しました。“ゴミ拾い”と言っても、ウォークラリーのようにイベント化されていて、ゴミを拾いながら湖周辺を散策し、各チェックポイントでは青海湖に関するクイズに参加するものでした。実際、ゴミはほとんど落ちていなくて、現地の学生と交流しながら楽しく参加できました。「青海湖」は中国最大の湖ということもあって、琵琶湖とは比べ物にならないくらい大きくて(笑)、中国のスケールの大きさを目の当たりにしました。他にも、日本ではあまり見ない“ヤク”という動物を間近で見ることができ、一面に広がる大草原や大自然の環境はまるで作り物のような圧巻の景色で、世界の広さを実感し圧倒されました。

現地の学生との交流はどうでしたか?
ゴミ拾いボランティアだけでなく、博物館の見学や青海理工学院での交歓会など、たくさんの交流の場がありとても仲良くなれました。言葉が通じない中、翻訳機を駆使しながら、お互いの言語を教え合ったり、それぞれの学校での様子をシェアしました。拙い中国語でも頑張って話すととても喜んでくれ、逆に日本語で話しかけてくれるととても嬉しくて。うまく伝えられないことがあっても、分かり合おうとする交流で心を通じあえたことがとても嬉しかったです。本当に温かく迎え入れ、積極的に関わってくれて、現地の学生との交流が今回の訪中で1番の思い出になりました。また、中国は学歴社会だからこそ、とても勉学に力を入れて頑張っていることも教えてくれました。実際に交流中の英語も堪能で、私ももっと語学や資格取得など、勉強に挑戦しようと触発を受けました。


今回の訪中に行く前と帰国後で変化を感じることはありますか?
初めて中国を訪問しましたが、たくさんの方と交流し、中国が大好きになりました。出発前は、中国に対して大気汚染や社会問題のイメージもあったのですが、実際に訪れたことでリアルな中国を見ることができ、無知が偏見を生むことを実感しました。中国の方々のわたしたちに対する対応はとても温かく、正しく知ることの重要性を学びました。世界の平和に対しても、自分たちが毎日の生活の中でできることはちっぽけなことかもしれませんが、まず“知ること”が大事だと感じ、“学ぶこと”への意欲が高まりました。訪中団で夜店に訪れた際、同い年くらいの人が弟の世話をしながら働かれていました。今、短大で学べる環境に感謝し、語学をはじめ社会に貢献できるよう知識を身につけていきたいと強く思いました。
最後に今後の決意をお聞かせください!
卒業まで残り半年の学生生活、40周年を迎えた今この時に短大生として過ごせる時間は今しかありません。短大に入学し、たくさんの素敵な同期や姉妹と出会い、今の自分があります。執行委員長として、短大の総仕上げをどう飾っていくか。とても難しいことだと感じていますが、姉たちが築いてきてくれた伝統をどう残し、妹たちに託していけるのか、短大建設のことを考えて1日1日を過ごしていきたいです。
卒業後は、大手建設業界に就職します。短大で人との関わり方やコミュニケーションの大切さを学び、女性リーダーとしての経験を積ませていただきました。短大での学びを活かして、人を励まし、支えていける人になれるよう、悔いなく自分にできるかぎりの挑戦をしていきます!

川井 こころ
[好きな言葉] 冬は必ず春となる
[性 格] 好奇心旺盛
[趣 味] サウナ・温泉、お買い物
[最近読んだ本] 周恩来 鄧穎超と池田大作(孔繁豊/紀亜光/高橋強)