対話から広がる絆と成長~朝風寮で見つけた挑戦のかたち~

森山 美佳 (もりやま みか)
国際ビジネス学科 2年 島根県出身

短大学生寮では、「世紀の希望の短大寮 全員が聡明な女性リーダーたれ」というモットーのもと、全国各地から集った短大生が、親元を離れて互いに支え合いながら共同生活を送っています。
朝風寮で寮長を務める森山美佳さんは、多くの寮生と関わる中で「対話を通して、相手の“本当の姿”を知ることができる」と語ります。悩み、迷いながら見つけた「寮」という「挑戦の場」。その思いに至るまでの寮生活の様子自身の成長について伺いました。

どうして寮に入寮しようと思ったんですか?朝風寮への入寮を決めた理由を教えてください。

母からの勧めや短大卒業生である二人の姉から寮生活の話を聞く中で、自然と寮に入ろうと決めていました。寮生活ならではの大変さについても聞いていましたが、それ以上に、寮での共同生活を通して協調性やコミュニケーション力を高められることに魅力を感じました。また、寮には全国各地から自分と異なる価値観をもつ人が集まり、生活を共にするので、自分を客観的に見つめられる環境があると感じました。そのため、入寮前は不安よりも「どんな人たちと出会えるのだろう」、「どんな成長ができるのだろう」という、わくわくした気持ちの方が強かったです。

実際に寮生活を経験してどう感じていますか?

実際に寮に入ってみると、想像していた以上に楽しく、笑顔あふれる毎日を過ごせました。同期や残寮生の先輩方がいつも優しく声をかけてくださり、安心できるあたたかい雰囲気の中で生活することができました。何気ない日常の中で笑い合った時間、全寮集会などで力を合わせて取り組んだ経験は、すべてがかけがえのない思い出です。
また、実行委員会やクラブ活動に積極的に取り組む友人や残寮生の先輩方の姿にも強く刺激を受け、「自分も何かに挑戦したい」と思うようになりました。スポーツフェスティバル実行委員会や白鳥祭実行委員会の部門員、寮では全寮集会の対話部門の一員として活動し、仲間と共に一つのものを創り上げる楽しさを感じました。
こうした経験を通して、寮生活は単なる共同生活ではなく、自分の可能性を広げる場であり、挑戦する勇気を育ててくれる場所だと実感しました。

対話部門(全寮集会)での活動の様子
卒寮式

充実した寮生活を送られたんですね。残寮生、また寮長になろうと決めるまでにそう時間はかからなかったのではないですか?

短大2年目をどう過ごすかについては、とても悩み、迷いました。
残寮生の姿や楽しい寮生活を通して、1年生の夏頃から「自分も残寮生になりたい」と漠然と思ってはいましたが、一人暮らしをして新たな経験や学びを得たいという気持ちもありました。また、寮ではなく学生会執行委員会などの学内組織に所属し、短大建設に携わる2年目にしたいという思いを抱くこともありました。
そんな中で、先輩からかけてもらった「残寮生になって後悔しないよ」という言葉が心に残りました。残寮生の姉たちや家族と話すうちに、「来年入学してくる妹たちと関わっていきたい」「姉妹で送ることができる最後の寮生活で寮運営に携わりたい」という思いが次第に強くなり、2年目も寮に残ることを決意しました。

ただ、残寮生になる決意をした後も、「本当にこれでよかったのかな」という迷いは心のどこかに残っていました。そんな時、先輩や周りの人から「寮長をやってみないか」と声をかけていただいたことが、寮長を意識するきっかけになりました。はじめは、自分が寮長になるなんて1ミリも想像していませんでしたが、寮長という立場は寮生だけでなく残寮生のサポートもでき、より多くの人と深く関われる存在だと思い、そのやりがいに少しずつ心が動いていきました。これまでお世話になった残寮生や寮母さん、寮長を務められた先輩方をはじめ、寮建設に携わる方々と対話を重ねる中で、心の奥に「短大生活で最後までやり遂げたといえることに挑戦したい」という思いがあったことに気づきました。そして、寮長として寮建設に励むことがその挑戦の場だと確信でき、「姉妹で送る最後の寮生活を意味あるものにしたい!日々、感謝して朝風寮生みんなが楽しく過ごせる世界一の朝風寮にしていこう!」との決意で寮長として出発しました。

残寮生のみんなと

寮への熱い思いが止まりませんね。寮長になってよかったなと思うことはありますか。

寮長としての一番の役割は、「全体の調和を取りながら、みんなが安心して楽しく寮生活を送れるようにサポートすること」だと思っています。寮の中心者として何かを決めていくというよりも、みんなの意見を丁寧に聞き、前向きな方向にまとまっていくようにサポートできる存在でありたいと思い、日々過ごしています。本格的に残寮生として動き始めた3月には、これまで短大にあった2つの寮が1つの寮になり、新しい体制でのスタートでした。寮のルールを決めたり、運営の方針を考えたりする中で、意見が分かれることも多くあり、みんなの思いを一つにまとめていくことの難しさを感じました。しかもその時期は就職活動とも重なり、慣れない寮長としての毎日との両立で一番大変な時期だったかなと思います。それでも、一人ひとりの意見をしっかり聞き、計画的に話し合いを進めていくことを意識することで、少しずつ残寮生として同じ方向を向いていけるようになりました。みんなが真剣に意見を出し合い、良い寮をつくろうと取り組んでくれたことが、何より心強かったです。
また、寮長になってから「一対一の対話の大切さ」をより強く感じています。対話は、一人ひとりの“本当の姿”を自分の目で見るためにするものだと思っています。対話をしていく中で相手の立場に寄り添えるようになり、仲の良い人だけでなく、どんな人の悩みや課題にも耳を傾け、一緒に考えられるようになりました。問題や悩みを解決しようとたくさん話し合う中でいろいろな意見に触れ、物事を多角的に見る力が少しずつ身についてきたように感じます。そして、本当のことは対話をしてみないと分からないということを学びました。
私は寮長として、この1年で寮生・残寮生全員の合計75名と対話をすることを目標にしています。この目標を達成し、寮生活をやりきった姿で卒寮の日を迎えたいです!

全寮集会(2年・春学期)

最後に、これからの決意と短大姉妹のみなさんにメッセージをお願いします。

あったかくてかわいい短大生が大好きです♡いつも支えてくれる同期や先輩、残寮生の仲間、残寮として学び、成長させてくれる寮生には感謝しかないです。ありがとう!みんなのおかげで幸せです♡姉妹で過ごす最後の短大・寮生活でこれからもたくさんの宝の思い出をつくっていきます!

森山 美佳 

[好きな言葉] ありがとう
[性 格]一度決めたことはやり遂げる
[趣 味]韓国ドラマ鑑賞
[最近読んだ本]
子どもの世界―青少年に贈る哲学―(池田大作)

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