香川淑恵さん

・ 卒業年度・入学期:1991年度卒・6期
・ 所属学科:英語科
・ 勤務先等:全日本空輸株式会社ウィーン支店
創価女子短期大学とわたし
開学40周年、心よりお祝い申し上げます。
「精神(エスプリ)の戦いを起こせ」「学問の扉を開け」との創立者の力強い激励で始まった短大生活。「語学力を身につけ、世界中に友情の輪を広げてください」との指針を胸に、私はその道を歩む決意をしました。
本来は創価大学でドイツの歴史や言語を学ぶつもりでしたが、短大受験時に柏原理事(当時)から「短大は2年で4年分の勉強をするのよ、ついて来れる?」と聞かれ、思わず「はい!」と答えたことがご縁となり、短大進学を決意。ドイツ語を中心に学ぼうと入学前から独習を始め、授業が始まったときの喜びは今も忘れられません。
1年次の夏には、オーストリアのクラーゲンフルト大学でのドイツ語研修に参加し、そこで抱いた「ウィーンで暮らしたい」という夢を叶え、卒業後に渡墺。現地の旅行会社に就職し、創立者ご夫妻をウィーンでお迎えしたことが今の生活の原点になりました。
短大卒業から17年後、突然膠原病を発症し、療養を余儀なくしました。一時は健康も経済基盤も失いましたが、4年後に念願だった国際人道支援NGOに転職することができました。しかし、3年経った頃の2015年にユーロ危機や難民危機の影響で組織編成が行われ、私のポジションはリストラの対象に。再度の失業に挫けそうになりながらも、困難をバネに転換するのが創短生だと一念発起し、奨学金を得てウィーン大学に入学しました。在学中は、ライフワークにできるような研究テーマを見つけたいと思い、メディア演習でオーストリアと日本を繋ぐ原爆関連の歴史に触れ、被爆者を家族に持つ一員として研究をスタート。原爆文学を扱った修士論文は卒業生代表として大学で講演し、ウィーン国連軍縮部のイベントでも発表しました。そして、被爆80周年の今年、縁あってオーストリア国営放送局の8月6日に放送されるドキュメンタリー制作の撮影や翻訳に携わらせていただき、私や両親も出演させていただきました。現在は、ANAウィーン支店で広報やVIP対応など多岐にわたる業務を担当しています。短大を卒業して以来、創立者が示してくださった建学の指針を生涯をかけて体現していくという決意が、常に私の原動力となっています。
2026年度以降の学生募集が停止となりましたが、だからこそ今まで学びを受けた私たち卒業生の活躍がますます重要になると思います。創立者への感謝を結果で示すべく、白鳥が水面下で懸命に水をかくように、何事も真剣に、粘り強く、全力で努力し続けましょう。私は「向学の6期」として、生涯学びを貫いてまいります。

創価女子短期大学とわたし
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