学長ヴィジョン

1998年4月に第1回目を発表して以来、毎年度のはじめに学長ヴィジョンを発表しています。
このヴィジョンは、本学の中長期計画である「Soka University Grand Design 2021-2030」を推進するための単年度のアクションプランになります。毎年度の達成・実現度を年度末に総括し、その過程で、次年度の学長ヴィジョンの策定に入るというサイクルができあがっており、大学運営の骨格をなしています。また、自己点検・評価の一環としての役割も担っています。

2024年度 創価大学学長ヴィジョン

前文
昨年 11 月に創立者池田大作先生がご逝去された。創価大学の教職員学生一同とともに、心より哀悼の意を表したい。そして、高い理想をもって創価大学を創立され、以来全力で創大生を励まし続けてこられた創立者のご構想実現のために、より一層の努力を共々に誓い合いたい。
昨年度は、ようやくコロナ以前の生活に戻った1年であった。しかし、全てが元に戻ったというわけではなく、生成AIの登場に象徴されるように、DX(デジタルトランスフォーメーション)とも呼ばれる新たな状況の中で、授業を含めさまざまな活動を展開しつつ「Soka University Grand Design 2021-2030」(以下「グランドデザイン」)に示した目標を着実に実行してきた。本年度は、創立 100 周年に向けた新たな取り組みに着手し、諸課題の解決に向けて行動していきたい。

さて、昨年度は、学生、教職員の協力のもと、ほぼすべての授業をコロナ以前の対面授業に戻すとともに、多の行事や課外活動を実施することができた。留学生の派遣・受け入れおよび現地での海外研修についてもほぼ従来の規模に戻り、多くの創大生が留学・研修に出かけ、また諸外国からの留学生たちも戻ってきた。本学の特徴である国際色豊かなキャンパスが再現された1年であった。
教育においては、地球的視野をもって問題解決に取り組む世界市民の育成を目指し、「副専攻:SDGs」がスタートした。全学どの学部に所属していても、所定の科目から 24 単位以上修得等すれば、卒業時に副専攻修了が認められる。またデータサイエンス教育については、全学必修の「データサイエンス入門」が定着するとともに、各学部の専門科目として応用基礎レベルの授業もスタートした。なお、「データサイエンス入門」については、東西の創価高校に早期履修プログラムとして提供し、多くの高校生が積極的に履修してくれた。高大連携の一つとして、今後も展開を考えていきたい。
研究面では、文部科学省の「大規模学術フロンティア促進事業」として本格始動した、糖鎖生命システム融合研究所が参画する「ヒューマングライコームプロジェクト」が、東海国立大学機構および自然科学研究機構との三者による共同事業として進められている。またエチオピアの大学との国際共同研究「SATREPS-EARTH」も着実に成果を上げている。
一方、国際的評価としては、QSアジア大学ランキングにおいて総合451~500位(国内57 位タイ)の評価受け、なかでも外国籍教員比率(72位・国内5位)、交換留学生数(94位・国内5位)、外国人留学生比率(154 位・国内 21 位)など、本学の国際性が高く評価された。
2014 年度に採択された文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」(以下「SGU」)が、昨年度をもって10年の事業期間を終了した。この間本学は、平和で持続的なグローバル社会の実現を目指し、新学部・研究科の設置、外国人教員や語学基準達成者の増加など、数々の目標を着実に達成し、中間評価でも二度にわたり最高評価の「S」を獲得することができた。今では海外68カ国・地域の257大学(本年1月現在)と交流協定を結ぶまでとなり、この数はますます増えつつある。こうしたグローバル事業については、SGU終了後の本年度から、いよいよ独自の取り組みを進めていくことにしている。

学生の活躍にも目覚ましいものがあった。令和 5 年司法試験に、新たに導入された法科大学院在学中受験者を含め12名が合格、合格率は32.4%で、10名以上合格した私立大学の中で第5位であった。これで創立以来の合格者累計は448名となった。外務省専門職員採用試験、いわゆる外交官試験においても、42年ぶりとなる4名合格という成果を示したほか、税理士、公認会計士の試験でも昨年度を上回る合格者を出すことができた。
ゼミの活動でも、第63回日本学生経済ゼミナール関東部会(インナー大会)で経営学部のゼミ生によるチームが、24大学119チームの頂点となる最優秀賞を獲得するなど、各種コンテストで多くの学生が大活躍した。
クラブ活動では、駅伝部が記念すべき第100回東京箱根間往復大学駅伝競走で見事8位に入賞、5年連続でシド権を獲得した。硬式野球部は春季・秋季ともリーグ優勝を果たした。さらに、パイオニア吹奏楽団は第71回全日本吹奏楽コンクール(大学の部)に出場し銀賞を獲得、プライド・オブ・ソウカも第51回マーチングバンド全国大会(一般の部)で銀賞に輝いた。本年度も多彩な分野で学生の活躍を期待したい。

さて、本学は2030年に向け「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」とのテーマのもと、教育・研究・SDGs・ダイバーシティという4つの分野で多くの目標を掲げた「グランドデザイン」の取り組みを進めている。残念ながら昨年度は、終わりの見えないウクライナでの紛争に続いて、ハマスとイスラエルの軍事衝突が起き、おびただしい数の民間人が犠牲となった。その一方で、一昨年の「第1回世界市民教育シンポジウム」に続いて、昨年3 月には「G7研究会議」が本学で開催され、安全保障と持続可能性について検討し、G7サミットに対して提言を行うなど、平和を希求する活動を展開した。本年度は、周恩来首相と創立者池田先生との会見50周年を記念するシンポジウムを、秋に開催する予定である。グランドデザインでも目標として掲げ、SGUでもテーマとしてきた「人間教育の世界的拠点」としての役割をどのようにして果たすのか考え、行動してまいりたい。

昨年度もいくつかの国・地域を訪問したほか、コロナ後ということもあって、実に多くの大学が本学を訪問てくださった。また6月には東南アジア高等教育協会(ASAIHL)の年次総会が本学で開催され、アジアのみならず世界から15カ国・200名以上の大学関係者が参加した。本学がホスト校となるのは2018年に続き2回目であったが、本学のプレゼンスを大いに高めることができた。参加した大学はいずれも発展が著しく、これらの大学と教育・研究交流を深めていくことが、本学をさらに大きく前進させることにつながることを確信している。
昨年度からスタートした新カリキュラムも 2 年目に入り、新たな学位授与ポリシーに基づく各学部の教育が 2 年生まで進行して本格化してくる。すべての学部において工夫を凝らした新カリキュラムや副専攻制度が効果を発揮し、新時代を担う人材が陸続と輩出することを期待したい。

ところで、教職員や全国の卒業生、学生等の懸命な取り組みにより、2024年度入試において本学の志願者は前年度に比べて増加し、これまで続いてきた減少傾向に歯止めをかけることができたものの、引き続き新入生の数は定員を下回る状況が続いている。本学の持つ教育研究における素晴らしい価値を発信して魅力を高める努力を続けると同時に、学部改組を含む斬新な改革が必要な時期に来ていると言える。人間教育や国際交流といった本学の伝統的な強みを生かしつつ、さらに文理融合型教育の推進や実学重視の傾向など、現代社会の要請にも十分配慮したうえで、新しい創価大学を表現する具体的な構想を決定・公表してまいりたい。
創立者が逝去された今、創価大学は新たな地平に立ったと言える。これからが本学の真価が問われるときである。「いよいよこれから」の気概で教職学がより一層団結し、力強く前進する1年としてまいりたい。
1.教育
(1) 世界市民教育のさらなる推進
看護を除く7学部について新カリキュラム2年目を迎え、SDGsに関する科目や、世界市民教育を推進する科目の多くがスタートする。また、学ぶ意欲の向上や、語学・体験学習を目的とした各国への短期研修の充実は、世界市民を育む機会になるため重要な研修として本年度も継続する。
加えて、正課(授業)内外にわたる学生生活全体を通じた総合的な「価値創造プログラム」の体系化を目指した検討を開始する。まずその第一段階として、一昨年度に作成した「世界市民教育カリキュラムマップ」を活用しながら、価値創造という観点から正課内外の活動の分類・整理に着手する。

(2) より実践的なデータサイエンス教育の充実
データサイエンス教育推進センターが中心となり、引き続きデータサイエンス教育プログラムのモニタリングと改善を図っていく。まず、共通科目に設置されている産学連携科目「データサイエンス演習」を充実させ、本年度より複数の科目を履修できるようになる。また、専門科目においても「データサイエンス活用演習」、「心理統計とデータ分析」等を新たに開講し、学部教育の中で学生が実際のデータを活用する機会を増やす。

(3) DXを活用した学生支援
昨年度から導入している学生の欠席状況や過去の面談結果などの可視化した学びの「つまずき」の兆候を察知する IT プラットフォームを活用し、アドバイザー教員をはじめ、総合学習支援センター(SPACe)、ならびに障害学生支援室が連携し、組織的に個々の学生の状況に応じたサポートを実施していく。
また、学生への授業アンケート結果のフィードバックやラーニング・アウトカムズに則した学修成果の可視化を通じて、多面的な学びの振り返りを提供していく。特に昨年度生から提供している学修成果の可視化については、学期の開始に際しては履修登録した科目で合格判定を得た場合の学修成果の伸長予測を学生に提示し、成績確定時には実際の成績評価をふまえた学修成果の伸長度を学生に改めて提示することで、学生の成長実感の醸成を促す。

(4) 学生参画による内部質保証を通じた教育改善
「学生第一」を掲げる本学として、これまでも取り組んできた学生参画による内部質保証の活動を通じて教職学の協働を弛まず推進していく。特に本年度は学生からの提案もあり、3つのポリシー、ラーニング・アウトカムズを学生に浸透させる施策を推進する。
また、アセスメントプランに基づいた自己点検・評価の着実な実施と、外部評価委員会による学外有識者の客観的な意見の活用を通じて、教育改善に取り組んでいく。

(5) 教員、学生双方のリフレクション(振り返り)の強化
本年度は、昨年度から開始した「人間教育のリフレクションシステムの構築を通じた相互評価文化の定着」を目標にした新3ヵ年計画が本格化する。2021年度から進めてきたティーチング・ポートフォリオ導入については、メンター役の教員の輪を広げつつ、第2期として継続していく。加えて、教員間に限らず、大学建設の同志として教職学の連携・連帯の向上を目指し、職員や学生を交えた新たな同僚会議のスタイルも試行する。
また、学生がラーニング・アウトカムズの修得具合を自覚する上で、学修ポートフォリオを活用した振り返りの機会を増やしていけるように、各学部やキャリアセンターとも連携しながら進めていく。特に、学修ポートフォリオの利便性向上に向けたシステム改修を加速する。
2.研究
(1) 「ヒューマングライコームプロジェクト:Human Glycome Atlas Project(HGA)」 および「共同利用・共同研究拠点 糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点(J-GlycoNet)」 について
糖鎖生命システム融合研究所は、文部科学省大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」と、それに連動して行われる共同利用・共同研究拠点「糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点(J-GlycoNet)」に、実施主体機関の一つとして参画している。同研究所は、本学の「重点研究拠点」の一つであり、こうした、先端的かつ独創的な研究活動を行っている。プロジェクトへの貢献はもとより、これらの研究活動を通じて、学際的かつ特色的な研究テーマを創出し、国際共同研究および国際学術論文を増加するなど、本学の研究活動のさらなる活性化に寄与することを期待している。

(2) 重点研究の推進と国際競争力の強化
特色ある優れた研究および SDGs 達成に貢献する研究課題に助成する「重点研究推進プロジェクト」は、昨年度、7件を採択した。これらの採択課題の積極的な情報発信を行うなど、本学の強みとなる研究分野への後押しを行う。また、本学における先端的かつ独創的な研究活動をリードする重点研究拠点として、現在、糖鎖生命科学融合研究拠点、プランクトン工学研究拠点、マレーシア研究拠点の3拠点を認定し、拠点経費を支援している。今後、これらの拠点への支援策や、さらなる重点研究拠点の増加を目指す。
また、前述の文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」や、共同利用・共同研究拠点「糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点(J-GlycoNet)」、「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS-EARTH プロジェクト)」などの共同研究プロジェクトを着実に推進する。

(3) 組織的サポートによる外部資金獲得の強化
人文学・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる研究を助成する「科学研究費助成事業」の獲得強化に向けて、セミナーの開催、コンサルティングサービスの拡充、科研費上位種目への挑戦を促進するための施策等の検討など、研究課題の策定から実施に至るプロセスをカバーする研究環境の整備を進める。また、研究効率化のためのセミナーや、国の研究業績システムである「researchmap」のハンズオンセミナーなどの充実も図る。その他、海外ファンド情報をはじめ、民間の研究助成や出版に特化した助成制度などの、公募情報などもわかりやすく学内周知し、研究者がこれらの情報にアクセスしやすい環境を整備する。

(4) 若手研究者支援の充実も含めた研究基盤の強化
研究力の強化および若手研究者支援に重要な「研究時間の確保」について、本学の研究環境に沿った施策の検討を開始する。研究データの管理・利活用に係るポリシーの策定に合わせて、実効性のある運用を行うべく体制を整備する。また、日本学術振興会の「研究環境向上のための若手研究者雇用支援制度」の導入に向けて、各種規程の整備を行う。
現在推進している科学技術振興機構の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」を着実に推進するとともに、一層の博士課程学生の研究環境を整備する。

(5) 適正な研究活動の推進
研究活動における不正行為を防止すべく、全専任教員に対し、定期的に研究倫理教育 e ラーニング教材「eAPRIN」の受講を促し、受講確認を行う。また、博士前期課程ならびに修士課程の全大学院生(専門職大学院を除く)に対する必修科目「研究倫理(Research Ethics)」の提供や、外部講師による講演会の開催等を通じ、学内における研究倫理に関する規範意識の醸成を促す。同時に、受講対象者へのコンプライアンス教育の実施を推進するとともに、研究費不正使用防止に関する啓発活動を強化していく。

(6) 創立者の思想・実践および創価教育に関する研究の推進
再び対立と分断が進んでいるように見える世界の中で、創立者が長年取り組んだ対話の試みから何を学べるのか、対話によって平和と発展を実現するには何が必要か、等々について、本年度はさらに一層、国内外の研究者と連携しつつ考察・発信していく。
池田大作記念創価教育研究所は、創立者の思想・実践および創価教育の学術的研究を学内外で推進するために、まず、「周恩来・池田大作会見50周を記念シンポジウム」を11月30日、12月1日の両日にわたって開催、「日本デューイ学会第67回研究大会」を9月28日、29日に受け入れ開催し、一方で創立者の思想・世界市民教育についてのシンポジウムの開催を準備していく。また、世界市民教育に関する国際共同研究、および創価教育に関する刊行物の発刊や翻訳等を推進する。
さらに、創立者の思想・実践、および創価教育の実践の記録を体系的に収集・整理・保存し、学内外の研究者が利用できるように準備を進めていく。
3.SDGs
(1) 全学SDGsプロジェクトの推進とSDGs目標達成に貢献する人材の育成
SDGs達成の促進を目的に、「創価大学SDGsグッドプラクティス」制度を一昨年度に創設し、助成金の支給を行った。その一方で、本制度への理解や浸透、応募者の増加が課題であり、SDGs学生委員とも連携して本年度は早期に周知するよう取り組む。
また、SDGs 達成に向けたネットワーク構築を目標に、2021年度より実践者と学生・教員の対話・ネットワーク会合を実施しており、昨年度は「創大キャンパスの脱炭素化」をテーマに行った。本年度、第4 回目として開催する。また、“SDGs 目標達成に貢献する人材”の育成を目指して、(仮称)国際協力・SDGs人材育成センターの設置と、人材ロスター制度の構築に向けて、協議と準備を進める。

(2) キャンパス運営におけるSDGs主流化・エネルギー計画の策定
2050 年にカーボンニュートラルを目指し、2021 年 4 月に学校法人創価大学気候非常事態宣言を表明(私立大学で3番目)。キャンパスの脱炭素化を加速するため昨年度、エネルギー検討部会を発展的に解消し、サスティナブルキャンパス検討部会を新設。本学自らによる温室効果ガスの直接排出(スコープ1)、他社から購入した電気等の使用に伴う間接排出(スコープ2)、上記以外の間接排出量(スコープ3)の一部の算定を行い、2050年カーボンニュートラル達成のためのシナリオを作成した。本年度は、算定結果をもとに、省エネ・再エネの調達・創エネなど、より具体的な実行計画を策定する。

(3) 国連諸機関との連携強化
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との協定に基づき、学部生および大学院生の受け入れを継続する。さらに、難民の苦難と希望を描いた映画を通じて理解と共感を深めることを目的に、UNHCR と連携して難民映画祭を継続開催する。本学平和問題研究所設置の難民研究プロジェクトでは、難民問題の歴史、政治、経済、社会、文化などの多様な側面を研究し、その解決策を探る。加えて、国連開発計画(UNDP)等においてインターンシップ事業や平和講座の実施などの協力事業を推進する。これらの事業を通じて、学生が国際社会の課題に触れ、自らの能力を磨く機会を提供する。
ユネスコスクール支援委員会の活動においては、海外のユネスコスクールとの連携を一層強化する。また、学生の主体的取り組みによる「ユネスコクラブ」の活動をサポートする。

(4) 地域と連携したサービスラーニングプログラムの実施
地域・産学連携センターが八王子市とのボランティア連携窓口としての役割を担い、八王子市が紹介している八王子市関連事業のボランティアプログラムを活用し、主に「ボランティア実習」での単位認定によるサービスラーニングプログラムを実施する。

(5) SDGs副専攻の本格化
昨年度に日本語・英語の両方で提供する「SDGs副専攻」を開設した。本年度は、昨年度生が2年次となり副専攻への登録がスタートする。また、SDGs選択科目となる「気候変動の経済学」、「惑星政治学」等の授業科目を本年度より新たに開講する。より多くの学生が SDGs を学び、理解が進むよう取り組んでいく。
4.ダイバーシティ
(1) グローバルネットワークの強化
本学は創立50周年記念事業として、「世界市民教育の拠点を構築すること」を掲げ、海外諸大学・機関と教育研究交流に取り組み、ネットワークを構築してきた。今後、本年秋に「周恩来・池田大作会見50周年記念シンポジウム」、「(英国)バッキンガム大学・創大平和問題研究所 合同シンポジウム」、「中国文化大学・慶南大学・創価大学3大学によるピースフォーラム」等を開催する。また国内外の有識者を招聘し、連続セミナー「Soka Global Perspectives」を継続して開催する予定である。また、昨年度に引き続き、創価教育に関するオンラインによる授業をインドの創価池田女子大学を対象に提供する予定である。

(2) スーパーグローバル大学創成支援事業の自走化
昨年度にSGU事業は終了し、本年度は最終報告書を作成する。本事業の自走化のため、本学は基金を設置した。この基金にあたっては、多くの皆様よりご寄付を賜り、心から感謝を申し上げたい。今後、「キャンパスの多様化」に取り組むことになる。
特に外国人学生については、グランドデザインとして2030年までに、1学年200人(学部生)を受け入れることを目標としている。海外での入試説明会の実施、発展著しい地域の高校との連携による推薦入学制度、海外からの編入学などを進める。また学生の海外派遣については、「国際協働オンライン学習プログラム(COIL)」も活用する。さらに、文部科学省「大学の国際化促進フォーラム」におけるプロジェクト「BEVI(成果の分析)」の拠点として、海外派遣学生の研修前後の成果を測定し、海外留学・研修の充実に努める。

(3) ダイバーシティ・インクルージョンなどの取り組み
「創価大学ダイバーシティ・インクルージョン推進センター」では、まずグランドデザインに関連して①女性教員比率全学部 20%(現状全学で 30%の目標は達成済)②女性職員比率 40% ③女性管理職比率の目標設定と達成の 3 つのテーマに基づく事業計画を引き続き推進する。昨年度より「女子大学院生のフェローシップ制度」を運用しており、外国人学生の支援や SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)支援等についても関係部課等との連携を深めている。
本年度には、SDGs推進センターとの共催のセミナーを開催する予定であり、本学におけるダイバーシティ・インクルージョンの推進へ意識啓発の場としたい。

(4) 障害学生への支援拡充
本学では2021年3月に障害学生支援室を開室した。これまで、支援の必要な学生が障害のない学生と同等の教育・研究の機会を得ることができるよう、相談員(臨床心理士)を配置し、修学上の支援を実施してきた。昨年度には、新たにキャンパスソーシャルワーカーを障害学生支援室に迎え、学内外の関係部署等との連携を強化した。
本年度は、障害学生支援の具体的方策を協議する障害学生支援室運営委員会のもとに、教員を中心としたワーキンググループを設置し、合理的配慮を必要とする学生が各学部において学修を進める上での課題等について、提言をまとめる予定である。
また、職員組織においては、合理的配慮の申請学生や合理的配慮の必要な学生に関する支援を目的とした連絡協議会を発足し、定期的な協議の場を設けることで、これまで以上に機動的に多様な学生に対応できる体制を整備する。

2023年度以前の創価大学教育ヴィジョン

2023年度 創価大学学長ヴィジョン
2022年度 創価大学学長ヴィジョン
2021年度 創価大学学長ヴィジョン
2020年度 創価大学学長ヴィジョン
2019年度 創価大学学長ヴィジョン
2018年度 創価大学学長ヴィジョン
2017年度 創価大学教育ヴィジョン
2016年度 創価大学教育ヴィジョン
2015年度 創価大学教育ヴィジョン
2014年度 創価大学教育ヴィジョン
2013年度 創価大学教育ヴィジョン
2012年度 創価大学教育ヴィジョン
2011年度 創価大学教育ヴィジョン
2010年度 創価大学教育ヴィジョン