機構長あいさつ

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学士課程教育機構長
田中 亮平
本学の50周年をめざしたグランドデザインの中で、教育戦略を担うセクションとして、学士課程教育機構が2010年度に立ち上がりました。共通科目の運営にあたる同運営センター、英語を中心とした語学科目の提供・運営を担うWLC(ワールドランゲージセンター)、ならびに学習および教育活動支援のCETL(教育・学習活動支援センター)の3つの機関を統合する形で、スタートしました。

一般的に、大学に学ぶ学生は、それぞれ所属する学部での学習を果たして、それに応じた学士号を得て卒業をしていきます。今まで、大学の教育を担う中心は学部組織であると考えられていました。しかし、ここ数年の日本の高等教育界では、「学士課程」という言葉が頻出するようになり、大学で学んだ学生のジェネリックな学習成果がきちんと保証されているか、問われるようになってきました。この「学士」としての教育の質保証をする上で、各学部と協同して仕事をするのが、本機構の役割であると思っています。

また、産業界からは学生の「就業力」という表現で、大学の「質保証」が問われるようになりました。企業としては、採用をして「使える」人材を育てて欲しいということです。大学教育の課題は、産業社会を支える人間を育てることと言うつもりはまったくありませんが、同時に社会のニーズを全く顧慮しない大学教育と言うのもあり得ないと思います。大学自身が、現状の社会が求める人材像についての認識をしっかりと持った上で、将来にわたって社会をどう変革していくべきかという展望と、そのために必要な人材像とをしっかりと見定めて、教育理念を構築しなければいけないと思います。そしてその理念を、各大学が提供する教育プログラムに反映させることが重要なのです。

こうした理解のもと、我が「学士課程教育機構」のミッションは、創価大学が「創価大学卒業生」として世に送り出す学生の質を保証することにあると考えます。そのために、具体的には大別して3つの課題を自らに課しています。1つは、大学における教育・学習の基礎となる部分を、語学を含む全学共通科目として提供していますが、その恒常的な改善に取り組んでいきます。2つには学生に対して、4年間の学士課程を通じた学習支援を提供していきます。3つには、学士課程全般にわたる教育改善を、FD活動を通じて実現していきます。

以上のような活動を中心に据え、創価大学の「学士力」向上に寄与していくことが、本機構のミッションであると考えています。学内外の方々との連携を広く持ちながら、「学士課程教育」の充実に貢献していきたいと思っております。