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2023年06月30日 11時00分

《卒業生の活躍》国家公務員

中山田 沙恵さん 法学部2012年度卒業

ワークショップで観光行政のおもしろさを知り、将来に明かりが灯る

多くの高校生は、「将来この仕事に就きたい」という想いから逆算して志望学科を決め、自分に合った大学を見つけると思います。私は学びたいことはあっても、その先の仕事を具体的にイメージできませんでした。法学部を選んだのも、職業選択において融通が利き、「人の役に立つ仕事に就けるかもしれない」と考えたからです。
 

ところが、授業で平和学や国際政治学に興味を抱き、公共政策コースに進んだことで私の道が開けます。そのきっかけが公共政策ワークショップです。公共政策ワークショップでは現実に起きている社会問題に対してグループで解決策を考え発表します。この講座を通して、「人々が生きていくには多くの社会問題があり、問題を解決するために公務員の仕事が必要なのだ」と知り、人のために課題解決に挑む公務員の仕事に興味とやりがいを感じました。

法学部は公務員志望者が多いため公務員試験に向けて切磋琢磨できる仲間がいたこと、ワークショップに導いてくれた教授の存在、そして観光によって地域を活性化させる観光行政のおもしろさにどんどん惹かれていき、将来への指針が定まりました。
 

海外留学を経て、誰のために何をしたいのか、自分の意思が明確になる

創価大学には世界中から学生が集まっており、キャンパスは多様性に満ちています。大学もグローバルな人材教育に力を入れているため、私も世界に貢献できる人材になりたいと海外志向が高まり3年次にイギリスへ短期留学しました。滞在はわずか1カ月。それでも現地で他国の文化に触れることができ刺激的な日々を過ごせましたが、その刺激と同じくらいショックだったのは、ホームステイ先のマンチェスターで至る所にゴミが落ちていたことです。あまりのゴミの量に、環境問題をはじめ社会問題はどの国にもあるのだ、という事実に気付きました。どの国も問題を抱えている、それなら私は両親や友人など自分の周囲にいる人たちのために働きたいと強く思うようになり、日本で公務員試験を受けることを決意します。
 

入学時には漠然としていた「人の役に立ちたい」という想いが、誰のために何をしたいのか明確になり、観光庁で働きたいという目標もできました。そして、4年次に国家公務員試験の一般職に合格。大学卒業後は国土交通省で秘書や国会質疑対応を担い、2020年から国土交通省の外局である観光庁で念願だった観光地経営の支援業務に携わっています。

観光客がたくさん訪れるようになれば、お金が回り、雇用が生まれ、その地域が活性化します。私の役割は、地域ごとの強みを探し、観光によって地域が元気になるための方針を示すことです。食事・農業・レジャーといった地域の魅力を発信するコンテンツづくりをサポートしたり、デジタルマーケティングのツールを導入して各地域で実証実験を行ったり、一人でも多くの観光客が訪れるための指標づくりに取り組んでいます。いまの目標は、訪れたい地域や住みたい地域を増やし、地域の方々をはじめ次の世代が少しでも豊かに暮らせるよう働きかけることです。そのためにも学び続ける気持ちを忘れず貪欲に知識や仕事のスキルを吸収し、仕事を通して自分が得たものを社会に還元したいと考えています。
 

後輩を自分以上の人材に育てる。大学卒業後も深まる創価の連帯

国家公務員試験に合格してから、卒業後も継続して公務員志望の後輩をサポートする活動を行っています。試験には筆記と面接があり、私も教授や先輩方に助けていただき、特に面接トレーニングでは自分自身と徹底的に向き合うなかで自分の強みを伸ばし弱みを克服することができました。このときの出来事は社会人になってからも私の原点となっていて、仕事で大変なことがあっても本当に大切なものを見失わず乗り越えることができていると感じています。そこで、教授や先輩方から受けた恩を少しでも返したいと思い、後輩の試験勉強の相談に乗り、スケジュール管理や面接トレーニングを手伝ってきました。
 

論理的に物事を考えること、視野を広くもつこと、人から吸収すること、意見や資料のまとめ方、話し方、プレゼン方法、仕事に取り組む姿勢など、教授のもとで私たちはさまざまなサポートを行いますが、毎年もがきながらも前へ前へと進んでいく後輩たちの姿に人の可能性の大きさを見ることができ、心を打たれます。同時に、私自身も職場での後輩への接し方や指導についてより良い方法を模索する機会をいただけました。こうした経験も、「後輩を自分以上の人材に育てる」という創価大学の校風があったから得られたことです。

かつての私のように、大学や学科に迷っている方は大勢いると思います。でも、教育プログラムが充実し、いろいろな人との出会いやきっかけを提供してくれる創価大学に入学すれば、きっと心の底からやってみたいと思えるものが見つかるはずです。

 


※大学案内『キャンパスガイド2024』より引用。所属部署・業務内容は取材時のもの。
 
ページ公開日:2023年06月30日 11時00分