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2023年08月21日 10時21分

留学日記(イギリス・バッキンガム大学英語DD10期 2023年8月21日) 

皆さんこんにちは。
英語DD10期生として昨年7月に日本を離れてから早1年が過ぎました。文学部のDD10期生は私一人なのですが、法学部DDの二人の同期や先輩に支えられ、充実した日々を過ごしてきました。バッキンガム大学の卒業もあと半年に迫ってきたなかでの初めての投稿ということで、この一年間を振り返りながら、私のイギリスでの学びについて綴っていきたいと思います。長文にはなりますが、読んでいただけるとうれしいです!

私は、高校生の時に読んだ「21世紀への対話」に感銘を受け、著者の一人であるアーノルド・トインビー博士の生まれた地であるイギリスで学びたいという思いから、ダブル・ディグリーコースでの留学を選びました。バッキンガム大学では文学を専攻するということで、それぞれの文化の表象である文学を分析研究していくことに、とってもわくわくしながら日本を出発したことを今でも覚えています。イギリスに到着してからというもの、休む間もなく翌日から授業があり、てんてこまいな日々でしたが、DD8、9期の先輩や同期のおかげですんなりと生活に慣れることができました。

あるとき、とてもホームシックになり、一人で部屋に籠って泣いている時がありました。すると法学部DDの友人がすぐ私のもとに来て励まし、私の手を引き外へ連れ出してくれ、もう一人の料理が得意な法学部DD生にリクエストして、チャーハンや油淋鶏などを振舞ってくれました。すると、それまでの泣き言が嘘だったかのように、心も晴れ渡り、お腹も満たされ超復活を果たしました。人間、つらいことがある時は、外の空気を吸い、美味しいものを食べて、たくさん寝ると元気が出るものだとの教訓を得ました。学部は違えど、同期がいたことがどれだけ支えになったことか。感謝が尽きない日々です。

バッキンガム大学での学びは言葉では言い表せないほど興味深く、これほどまでに文学に集中して学べることが喜びです。特に印象に残っている授業を紹介したいと思います。まずは、「Creative Writing1」です。この授業は、ポエムとショートストーリーを書き上げていく文芸創作が中心なのですが、詩の技法や小説の構成や工夫の仕方など、理論も併せて学ぶことができ、漠然と抱いていた「いつか自分の本を出版したい」という夢が少しずつ形になっていきました。他には、「Inklings and their Influences」という授業で、Inklingsという当時オックスフォード大学にあった文藝グループに所属していた、C.S LewisやJ.R.R.Tolkienといった『ナルニア国物語』や『ロ―ド・オブ・ザ・リング』で有名な作家の作品を分析し、その共通点や、Fantasyと呼ばれるジャンルの特徴、彼らに培われた基礎となるものが後世の作家に与えた影響などについて探求しました。授業の一環で、オックスフォードへフィールドワークへ行き、作家たちが愛用していたパブや散歩道へ実際に訪れ、オックスフォードの様々なカレッジの見学もしました。さらには、C.S.Lewisが実際に住んでいた家を訪れることもできました。想像力が溢れだし、終始夢の世界にいるようでした。(笑)

私は、DD11期生や先輩方とは違うカリキュラムで、フランス語を学んでいないため、その分の選択科目の中の一つに、「Dissertation」がありました。いわゆる卒論です。バッキンガム大学は2年制で、特に文学部は2年次の前期に卒論を書き終えるというシステムだったので、2023年の1月から6月にかけて卒論にとりかかりました。題材として、「フランケンシュタイン」と「ジキル博士とハイド氏」を選び、人間の本質を説き明かすうえでのScience Fictionというジャンルの役割について比較研究しました。すべてが順調に進んだわけもなく、心が折れそうな局面がたくさんありました。そんな時に、担当の先生が、「第2言語で卒論を書き上げるなんてすごいことじゃないか。不安に思うことはない。誇りも自信も持っていい。最後まで楽しもうね」との励ましの言葉に、自分でも信じられないほど前向きになり、最後の最後には書き終わってしまうのがさみしくなる程でした。
今期履修している「Shakespearean Drama」ではシェイクスピアの作品を4つのジャンル、歴史、悲劇、喜劇、悲劇的喜劇に分けた中でそれぞれ代表的な4作品を、主に言葉の使い方や、オリジナルテキストと、舞台での違いなどについて学んでいます。授業の一環でロンドンにあるGlobe Theatreへ行き、マクベスを鑑賞しました。舞台において、観客の関与やまた見る位置からも物語の解釈の幅が広がり、経験の深さも変わることを肌で感じ、一時も目が離せませんでした。他にも、「Creative Writing2」で、先ほど述べた「Creative Writing1」で学んだことを活かしながら、本格的な小説の創作に注力しています。第2言語での文芸創作は難しい所もありますが、日本語、英語それぞれの美しさを見つけることができ、とても楽しいです。
学期間の休暇では、イギリスの各地を訪れました。春にスコットランド、夏にウェールズに行きました。あと北アイルランドへ行ければ、UK全国制覇です。(笑)他にもKent州のCanterbury、BathやCambridgeなどへ行き、その地域ならではの街の雰囲気に包まれ、とても充実した休暇になりました。今年の夏には、法・文学部DD10期生の3人でドイツ旅行に行きました。ベルリンとポツダムへ行き、街中に残される歴史の爪痕に、その当時の様子を思いめぐらせました。特に、チェックポイント・チャーリーでは、ドイツが東西に分断されていたことを色濃く示す、検問所や看板が残されており、教科書で学んでいたことをこの身で感じることができました。ポツダムでは、ポツダム会談行われたツェツィーリエンホーフ宮殿へ行き、当時の様子を伝えるガイドと共に、どことなく特別な空気が流れる丸テーブルでは、たくさんの人が立ち止まり、それぞれの歴史観とともにその場をじっと見つめていました。ベルリンの街は、クラシックな建物と近代建築が融合し、それとともに緑が溢れ、とても居心地がよく、街を横断する路面電車はインフラの中心で、たくさんの人が行き交っていました。公共交通機関の利用の仕方が、今まで経験してきたものとはまったく異なり、とても新鮮でした。将来の移住先にいいなぁと思いながら帰路につきました。いつも、旅行を終えてバッキンガムの街に帰ってくると、多大なる安堵感に包まれ、街への愛情が募ります。自然のうちに、この街が第二の故郷になっているんだなと、旅行のたびに感じるのです。
この一年間、様々な困難もありましたが、その分の達成感や喜びも得ることができました。バッキンガム大学卒業まであと半年を切り、さみしさも感じますが、自分らしく最後まで楽しんで学びに遊びに全力でいたいと思います。
長文にはなりましたが、読んでくださりありがとうございました!


By みれい
ページ公開日:2023年08月21日 10時21分
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