2023年12月04日

産学連携講座「社会貢献と経済学」第11回授業が行われました

 11月30日の4時限に、社会貢献と経済学の第11回授業が行われ、今回は、南三陸ホテル観洋の伊藤 俊次長にオンラインでの語り部ツアーを行っていただきました。
 
 晴れてはいるものの、外気温3度という寒さの中、伊藤次長が震災遺構である高野会館前から、中継を開始されました。以前は賑やかな街並みが広がっていたという高野会館周辺は、何もない風景が広がっていました。その後、カメラを片手に伊藤氏が高野会館の中に入りました。震災当日は近隣の老人会が楽しいひと時を送っていた様子を話してくれました。画面の中から、浮かび上がってくる津波の被害の大きさ。建物自体は基礎工事がしっかりと行われていたため、びくともしなかったようですが、壁は剥がれ、天井のシャンデリアが落ちている様子は、生々しさを感じさせるものでした。そして、多くの人々の命を救った屋上までたどり着き、一旦、中継は終了しました。
 
 その後、中継を受けて、学生はグループディスカッションに移り、再びオンラインで伊藤氏とつないで、質疑応答に移りました。質疑応答の中で、伊藤氏は「本当に良かったねと言える復興とは何なのか、検証が必要ではないか。」、「無知や無関心が一番怖い。現地に足を運ぶことでしか感じ取れないことがある」等と学生に呼びかけられました。 


 以下、参加した学生の声です。
  • よく''災害について学ぶ''とき、「その地域が受けた被害の大きさ、当時の状況を知り、どうやって対策を取るべきかというのを考える」という内容になりがちです。しかし当時の状況ももちろんですが、''どのようにして復興していったのか''を知ることもとても重要なのだと知りました。また、人と人との繋がりがなぜ重要なのかということも考えさせられ、これからの社会のあり方について若者らが考え直す必要があるなと思いました。またあとでメモを見返して疑問(?)に思った点として「今は家は山側に建ったが、前の状態は取り戻せない。本来守るべき人の生活は、どうやって守っていくのか?」という問いについて、そのあまり理解できなかったのですが、じっくり考えると自分すごく思考が浅いな、人間主義とは言えない状態だなと気がつきました。外側にいる人間からしたら「災害のリスクや土地の回復のできなさを考えたら仕方ないのではないか?」と思ってしまったのですが、恐らく当人からすれば、''故郷を奪われ、今も帰ることができない''というようなとてもつらい状況ですよね。新しくなってまた町に違う形でも活気が戻ったのならいいんじゃないか?という感想は浅はかなんだな?と、自分の思考の浅さに気がつきました。被災した方々に寄り添うこともメンタルケアをし続けることも、同じ国に住む者として同じ時代に生きる者としての責任なんですね。
  • 現地の映像から、津波の高さや避難場所までの距離、海との距離などを画面上ではあるが目で見て感じることができた。伊藤さんのお話を聞いて、災害が起きたときにマニュアル通りに動くことはもちろん大切なことだが、ケースバイケースだということを改めて思った。実際、マニュアル通りの避難で助かった命も多くあるが、犠牲となった人も多くいるということを忘れてはいけないと思った。
  • 今日の授業で感じたことは、これからの時代は一人一人の力が問われる時代であること。一人一人の力が最大限に発揮されるというポジティブな見解が新しかった。競争社会は大事だが、持続可能な社会を作るためにはお互いの個性、多様性を認めることが大事。人の力を頼る時代が来る。学ぶ、から学び合いへ、関わり合いへ。今でもこころのケアは大事だし、一番欠けているものだと避けたくても避けられないもの。心のケア経験してないからこそ頑張りすぎちゃう。記憶の風化よりも、もともとなかったことになることが怖い。ゼロベースから話し始めることは労力経験談の押し付けになってしまってはいけない。伝わるように伝えること。ただ伝えるよりも。
ページ公開日:2023年12月04日



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