知念 珠良 さん

Interview

はじめにヴィクトリア大学に行くことになったきっかけを教えてください。

きっかけは、先輩からGPのセメスター留学があると誘われたことです。
いろいろ聞いてみると、授業内容が充実している、と聞きました。
実際にパンフレットなどを見て調べてみると「行ってみたい」と思うようになりました。
創価大学の経営学、日本の経営学を勉強する以外に、ほかの大学、特に全く違う欧米のビジネス理論を学ぶことは、すごくいい経験になると思いました。

留学生活での目標

セメスターですから半年留学したということですよね?

そうです。8月末から12月末まででしたので4か月ですね。
せっかく行くので、目標を立てました。
一つ目に、授業で積極的に発言し、多くの発言をすること。
二つ目に、自分の進路について、新しい視点から考え、明確にすることです。
この機会を、精一杯いかすことをめざしました。

いい目標ですね。積極的な発言はできましたか?

はい。授業での「最初に発言する人ポジション」を獲得するためにがんばりました。
International Businessのクラスでは獲得しましたが、ほかの授業は内容が難しくて、考えがまとまらないことも多かったです。
授業そのものは日本の大学とは形態が違いました。
例えば、ケースステディの課題では、自分がマネージャとかコンサルタントだったらどうするかというのを、ちゃんと考えて授業に挑むのです。
すごく多くて、毎週の課題がやばかったです(笑)最終課題もやばかった(笑)
でも、とても楽しかったです。
アメリカの大学と違って、学生と話したり、交流しながら、楽しくやっていくんです。
いろんなことを相談できました。
良い意見を言った学生にはアメをくれたり、おもちゃをくれたりと、楽しかったです。

ヴィクトリア大学での特色ある授業

楽しそうですね!それでは授業について教えてください。

3つの授業を紹介します。

(1)Business Analysis
この授業はビジネスアナリストやコンサルタントの仕事がどういうものかについて、ケーススタディを使って実践的に学習していました。
毎週ケーススタディの課題が一つ与えられ、顧客にプレゼンをするようなイメージで資料を作っていきます。
問題発見→分析→提案→事業計画→リスクマネージメント、という順番で授業は進み、最後のレポートでは指定されたケーススタディを分析し、事業計画とリスクマネージメントまでのレポート、そしてクライアントに出すPowerPoint作成が課題でした。
ケーススタディで出される業種は幅広く、大企業や倒産寸前企業、ベンチャービジネスなども取り上げられ、それぞれのビジネスやクライアントの性格に沿って的確な判断で提案をします。的確な言葉遣いが求められることも学びました。
授業中は主にクラス全体でのディスカッションが多く、発言をしたら先生がキャンディをくれることや、グループで解決策を出して授業中に競うなど、楽しく学べる場でした。

(2)International Environment of Business
これは主にビジネスが海外進出する際に考慮しなければならない事項、ビジネスが国際社会で置かれる環境について学習しました。
このクラスでは留学生が特に多く、授業の内容に加えて、学生同士の国際交流を図るための授業でした。
グループワークが多く、文化の違いを超えてどれだけ共同して課題に取り組めるかを養うのが担当教授の狙いでした。
グループで出さなければならない課題は合計で二つありました。
一つ目はWalmartの次の進出先はどこが最も適しているか、それぞれの国のビジネス情勢の分析、そして実際に進出した場合の障害や競争力はどれだけあるのかを調べてまとめたものを提出する課題でした。
二つ目は、違う国に進出するためのビジネスプランを練るという課題で、既存の商品を違う国に進出させる、あるいは全く新しい企業で新しいビジネスをするなど、内容は自由でした。
しかし、ビジネスをする際のバランスシート、損益計算書、キャッシュフロー計算書など、具体的な数字を出す必要がありました。

(3)Entrepreneurship and Small Business for the Non-Specialist
この授業では起業をするためのスキルは才能だけではなく、誰にでも習得のできるものだという趣旨でした。
起業をするための方法論や、ケーススタディを分析してどれだけ方法論に当てはまるか、などの勉強をしました。
ベンチャー企業を評価する「VIQ(Venture IntelligenceQuotient)」という評価方法などを使って、自分が作ったビジネスプランがどれだけ有効かを計るためのツールも学びました。
しかし、ケーススタディで成功したビジネスを取り上げても、必ずしも方法論に当てはまることはない、ということがひしひしと伝わってきました。
あくまでも今考えているビジネスをどれだけ改善させることができるか、という授業内容でした。

ヴィクトリアは自然、環境が豊かな街

ありがとうございます。続いてヴィクトリアの街について教えてください。

カナダのスーパーは、環境に配慮したオーガニック製品がたくさん売られていました。
ものによってはとても高い商品も置いています。
もちろん安いお店もあります。
観光については、数日あれば大体見て回ることができます。
離島での自然も堪能することができます。
週末にトレッキング、なんてことも可能です。
ヴィクトリアの人々は、魚釣りをしたり、アイスホッケーの試合観戦を楽しんだりしています。
バンド活動もとても盛んなので、ライブハウスに行き現地のバンドを見に行くのも楽しいです。

治安はいいのでしょうか。

ヴィクトリアはとてもおっとりとした雰囲気の町です。
ダウンタウンのクラブがあるところはちょっと危ないかもしれませんが、それ以外は八王子よりも安全かもしれません。
カナダの人は優しい人が多いんです。
心から優しい人が多い。
育ちがいいからかもしれないし、環境が穏やかだからかもしれないです。
自分が不都合、不利益でも、人に優しくするっていう精神が備わっていると思います。

なぜカナダの人はそんなにも優しいのでしょうか。

そうですね。
全体的におっとりしています。
例えば、バンクーバーは都市化が進んでいるからか、激しい方も多いのですが、ヴィクトリアは結構人口も多いのですが、優しい人が多いです。
海が多いし、山も多い。自然がとにかく多いんです。
一人ひとりが環境に優しい。
周りが優しいし、穏やかです。
環境にも優しい。
それで、育ち方も優しくなっていくのかな、と思います。

アメリカともだいぶ違うのでしょうね。

ここへ行く前はアメリカを参考にしていたんですが、カナダで実際に生活をしてみて、間違っていたことが分かりました。
アメリカは基本的に治安が悪く、利益不利益だけで成り立つ関係が多かった一方、カナダでは純粋に親切な方が多かったです。

これから挑戦したいこと

今後のことについて教えてください。

アントレプレナーシップの授業で、環境問題を解決するケースがすごく多くて、全体的な意識がすごく高いです。
日本はまだまだ遅れていると感じます。
将来的には環境金融の分野を勉強して、環境配慮ができるような環境金融商品が作れたらと思います。
こういったことのヒントが得られたので、ヴィクトリアへの留学は非常によかったです。

受験生へのメッセージ

最後に、後輩にメッセージをお願いします。

カナダでの勉強は、すごく大変だと思いますし、英語でもたぶん挫折することもあると思います。
でも、カナダに留学して、カナダの人の「本質」っていうものを、身につけて帰ってきていただきたいと思います。
ぜひ挑戦してください。
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