看護師の役割とケア
Roles of Nurses and Care

幅広いテーマだったので、まずそれぞれがテーマに沿って調べたいことをピックアップして文献を調べながら話し合いを重ねました。看護師の思考回路のもとになっているであろう看護教育や、看護師の労働環境、目指す看護師像など、みんなの知りたいことが多く、テーマを絞るのがとても大変でした。その中で、出発の数日前にやっと異文化看護について調べていこうと道が定まり、異文化看護は患者のアウトカムを向上させるという仮説を立て、看護師や患者、学生にインタビューを行う質的調査によって、リサーチを進めていくことになりました。
現地では、メンターの先生やSAさんが私たちと一緒にリサーチの準備をして下さいました。コミュニケーションがうまく取れず、私たちの伝えたいことがなかなか伝わらなかったり、体調を崩してしまう人が出たりするなど、困難なこともたくさんありましたが、なんとかやりたかったインタビューを行うことができました。フィリピンの看護師の雇用制度の問題や、看護師の思考の根底に息づくフィリピンの国民性など、新たな発見がたくさんあり、日本での文献調査では得られない学びをすることができました。また、学生が主体的に「何のために学ぶのか」ということを考え、しっかりと目的をもって学んでいたことに刺激を受けました。
プレゼンとして発表する際、新たに得た学びを強調するか、私たちが明らかにしたかったことを伝えるかという点で悩み、真剣に話し合いをしました。結果、当初の仮説を論証しつつ、新たに分かったフィリピンの看護の素晴らしさを盛り込んだ内容をほぼ徹夜で作り上げることができました。プレゼンの作成を始めたのが発表の前日で、本当にぎりぎりの完成となり、原稿を読むのはぶっつけ本番という状態でしたが、伝えたいことを存分に伝えることができました。
異文化看護を学び、また異文化を実際に体験する中で、違いを受け入れることの難しさと大切さを一人一人が感じました。そして、医療従事者が相手を受け入れようとする姿勢を持つことの大切さを学びました。フィリピンでは異文化を理解することが当たり前で、異文化看護の教育も行われているし、自然にケアの中で活かされていることが分かり、日本でも異文化看護の教育はこれから必要になってくるのではないかと考えました。
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