日本語教師をめざして、66歳で創大通教に入学した宮本さん。みずから3年間で卒業するという期限を設定し、海外研修で1年間休学しながらも、強い意志で取り組み、見事に目標を達成しました。
「人生では、60歳を過ぎるころ、家族最優先で生きる期間が終わり、自分ひとりのための期間が始まります。そこからどう生きるかが大切ではないでしょうか?前向きに挑戦することで、新たな景色が広がります。創大通教は、そのためのまたとないチャンスになるはずです。」
年齢や環境を言い訳にせず、夢に向かう宮本さんに、パワーの秘訣をうかがいました。
創大を卒業した息子はマレーシアの企業に就職し、結婚して子どもも生まれ、充実した生活を送っていましたが、出張先のフィリピンで体調を崩し、34歳の若さで亡くなってしまいました。私は悲嘆に暮れて半年ほどうつ状態で過ごしました。そこから立ち直れたのは、息子の会社で残務整理をしていたとき、同僚の皆さんが、息子に日本語を教えてもらっていたと話してくれたのを思い出したからです。「彼は最高の日本語の先生でした!」と言って泣いてくれた光景が浮かび、息子にはまだまだやりたいことがたくさんあっただろうと考えるうちに、「私が息子の意志を受け継ごう」という思いが湧き上がってきました。そして息子の夢であった「世界の懸け橋に」との想いを込めて日本語教師をめざすことを決め、創大通教に入学しました。66才からの出発でした。
創大では日本語教授法だけでなく、心理学や教育学なども学び、知識の幅を広げることができました。さらに最初のスクーリングで、講義中に国際交流基金の日本語パートナーズについての紹介があり、挑戦を決意。英会話も勉強し直し、数少ない60代の合格者としてインドネシアの高校に派遣されました。日本語の授業のサポートのほか、日本文化を伝えたり、民族楽器のガムランに合わせてオカリナを演奏するなど、とてもいい経験になったと思います。帰国後は通教と並行して420時間の養成講座を受講し、不安のあった実技面を強化。レポートや試験に苦労しながらもやり遂げることができました。今後は日本語を教えることで、日本と自国の懸け橋となれるような人材育成に尽力し、私なりに国際平和に貢献していきたいと考えています。
東京都在住。2020年3月教育学部教育学科卒業
大学卒業後、臨床検査技師として医学部の研究室で難病研究に取り組む。結婚後、育児、介護を経て創大通教で日本語教師資格を取得。現在は中国のネットスクールで中国人学習者に向けてオンライン授業を行う。趣味はオカリナ演奏。
ページ公開日:2020年12月16日