GPジャパン研修

初めてのグローバル・プログラム(GP)ジャパンの実施

プログラムコーディネーター・教授  栗山 直樹

2009年度で予定されていた海外研修が新型インフルエンザの影響で実施されないことが決まったことから、初めてグローバル・プログラムの国内研修(GPジャパン)が実施された。結果として、グローバルに展開するビジネスにおいて、日本および日本企業が求められている要件を効果的に学ぶことができ、予想外に大きな成果を得ることができた。担当教員として積極的に参加された学生に心より感謝したい。
GPジャパンの様子
活発に質問する学生
今回の経営学部GPジャパンは、国内において東京での集中講義、訪問講義、および軽井沢・新潟で、企業のCSR施策、そしてソーシャルビジネスの旗手ともいえる方々から講義を受け、効果的な訪問学習を大成功に終えた。グローバルなビジネス環境の展開の中で、日本のビジネスや経営がどうあるべきかについて、その分野で第一人者といえる専門家に、熱い想いをこめたメッセージと共に、直に講義を受けることができた。参加学生はそれに応え、非常に活発な質問を投げかけ、講師の専門家より大きな評価を受けた。
主な訪問先は次の表のとおりである。

【東京訪問プログラム】

8月31日(月) 9:30 ~ 11:00 ピープルツリー自由が丘店
12:30 ~ 13:30 さわやか福祉財団(港区芝)・財団概要と活動について
14:00 ~ 16:00 東京海上日動火災保険(千代田区丸の内)
CSRの取り組みについて
17:00 アバンティ渡邊智恵子社長(アバンティ本社・千駄ヶ谷)
9月1日(火) 9:30 ~ 11:30 ILO、UNHCR(国連大学本部・渋谷)
12:00 ~ 13:00 ファーストリテイリング本社(九段下)(ユニクロのCSR)
15:30 ~ GCジャパンネットワーク
(アミタ本社九段下)(GC事務局、武田薬品など)
講義を受講する様子
ユニクロ本社の講義生
国連グローバルコンパクトの講義案内
国連グローバルコンパクトの講義案内
9月2日(水) 10:00 ~ 12:00 「育て上げ」ネット(立川) 工藤理事長
15:30 ~ 17:00 日本経団連の外国人研修生との懇談会(東京渋谷)
日本経団連の外国人研修生とディスカッションする様子
日本経団連の外国人研修生と
9月3日(木) 国際理解教育情報センター藤井代表一日研修
15:00 マイクロソフト 政策企画本部 竹原 正篤
大学
A321教室
9月4日(金) 10:30 ~ 12:00 および 13:00 ~ 14:30
東京電機大学 世良耕一 准教授
CRM(Cause Related Marketing)に関する講義
15:00 オルシニ・フィリップ先生
(日本大学大学院グローバル・ビジネス学科)
「ダノンのCSRについて」
ダノンのCSRフランス人教授の講義
ダノンのCSRフランス人教授の講義
大学
A321教室

【軽井沢・新潟訪問プログラム】

9月6日(日) 9:00大学発   午後到着 ネイチャー・ウォッチング
エコツーリズム講義(星野リゾートおよびピッキオ)
エコツーリズム研修の様子
エコツーリズム研修
日本で一匹だけのベアードック
日本で一匹だけのベアードックと
軽井沢
9月7日(月) 保護管理体験   村民食堂  新潟へ出発 新潟
9月8日(火) 一正蒲鉾株式会社講義・見学
「新潟NPO協会」
新潟大学学生とのプログラム
新潟
後期には、専門基礎演習や英語授業であるGP Writingで講義の復習をふまえ大きな成果に結実している。現在、報告書をまとめている過程である。

GPジャパン・プラス(京都)

そして、学習意欲はおさまらず、学年末の春3月の研修として、新たな追加的研修プログラムが実施される。日本の名経営者のCSR理念を探るため、京都への合宿研修を企画した。京都には、パナソニックを創業した松下幸之助、オムロン太陽を創業した立石一真、京セラを創業した稲盛和夫らの名経営者の思想を学べる機関が存在する。
これらへの理解を通じて、日本の過去と現在を結びつけ、未来への展望を得ることが期待できる。ここにグローバル社会に学ぶ前提の、日本人として自分自身の国の経営について理解を深め固めることができた。今後、国外への研修へ飛び立つ踏み台を確立したといってよい。今後ともGPジャパンを実施していきたい。

高密度原体験のプログラム

グローバル・プログラム・コーディネーター・准教授  岡田 勇

新型インフルエンザによるあいにくの海外研修中止の報を受けて、スタッフとして海外に勝る国内研修を立ち上げようと決意した。栗山先生の抜群のコーディネートのもと、8月上旬の晴海キックオフ合宿、下旬から始まった都内研修、軽井沢・新潟研修と実施することになった。国連機関、大手企業、CSRの先駆的企業、環境保護団体、NPOと訪問し、外部教員による最先端の事例や考え方の紹介もあったので、おそらくCSRカリキュラムとしては完成度の高いプログラムになったと自負している。学生もGPの本質である「短期間高密度の原体験」を維持しつつ、かえって言葉の壁もないため高い理解のもと、本質に迫った議論ができたと思われる。
GPJapan、棚から牡丹餅の感があるが、1期生は新たな道を拓いてくれた。
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