2016年10月20日

「人間の安全保障フィールドワーク」レポート第1回

外務省、国連大学、第五福竜丸展示館訪問
「人間の安全保障フィールドワーク」レポートの第1回は、2016年8月2日に実施された外務省、国連大学、第五福竜丸展示館訪問です。

「人間の安全保障フィールドワーク」は、「国際平和・外交コース」のコース科目として設置された科目で、昨年度からスタートしました。前期の「人間の安全保障論」で学んだ基礎知識をふまえて、学生がグループ単位で、国連機関、官公庁、NGO、平和資料館等を訪問し、視察・インタビューなどのフィールドワークを通し、「人間の安全保障」をめぐる諸問題の現場や実務に直接触れることで、「平和」への理解をより深めるとともに、キャリア設計にもつなげていくことをねらいとした体験型の授業です。

本授業は、本年夏休みを中心に「国際平和・外交コース」の2年生を対象に実施されました。
「人間の安全保障フィールドワーク」の概要について聞かせてください。
はい。5月ごろからガイダンスや事前研修が始まりました。あらかじめ、「平和(軍縮問題)」、「人権(難民問題)」、「開発(貧困問題)」、「環境(地球環境問題)」という平和問題に関する4つのテーマが設定され、それぞれの分野(テーマ)に関連した訪問先が組まれました。学生は希望する分野ごとにグループに分かれ、グループ単位でテーマや訪問先についてのリサーチを行い、インタビューしたい質問内容を考えながら準備を進めました。そして、夏休みに入って間もない8月1日に中間報告会、翌2日に今回紹介する全体での都内研修を実施、夏休みをかけてグループごとに各機関を訪問しました。その成果をふまえ、9月6日には各グループによる調査報告会が行われ、最後に調査報告書という形でまとめました。
外務省、国連大学、第五福竜丸展示館の訪問について教えてください。
外務省、国連大学、第五福竜丸展示館の訪問は、中間報告会翌日の8月2日に実施されました。これは夏休み期間に行う予定の各グループでの諸機関への訪問に先立って、本授業の履修者全員が参加する全体研修として、担当教員引率のもとで実施されました。
外務省および第五福竜丸展示館の訪問はいかがでしたか。
午前は2グループに分かれて、外務省と第五福竜丸展示館を訪問しました。外務省訪問では、最初に職員の方の案内で省庁内を見学させていただきました。その後、現在外務省で働かれている本学卒業生の方との懇談会が行われました。懇談会では、ベンガル語の専門家としてバングラデシュなどの滞在経験も豊富な先輩からの興味深い体験や外務省の仕事内容についてお話がありました。

第五福竜丸展示館については、1954年にビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくした日本のまぐろ漁船「第五福竜丸」の実物展示を見ることができ、学芸員の方の説明とともに、当時の様子をあらためて知り、核兵器のない世界の実現に向けて決意を新たにしました。
午後の国連大学の訪問はいかがでしたか。
午後には、渋谷にある国連大学ビルを訪問しました。国連大学本部では、施設内を案内していただき、ウ・タント国際会議場や国連ライブラリーなどを見学しました。その後、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の有馬様から研究所の概要について説明があった後、UNDP(国連開発計画)の近藤哲生駐日代表からSDG’s(持続可能な開発のための2030アジェンダ)についてのお話があり、学生からの質問を受けていただきました。最後に、国連大学ビルに併設されている地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)を見学しました。
外務省訪問についての感想を聞かせてください。
私は将来、外交官として活躍したいと考えています。外務省の建物に実際に入ることができ、外交の現場で活躍される卒業生の先輩のお話を直接伺うことができ、自分の将来がより具体化し、とても貴重な体験になったと思います。これからさらに勉学に励み、外交を通じた国際社会への貢献を目指していく決意です。
国連大学についてはどうでしたか。
今回、国連大学では国際会議場、ライブラリー、国連大学サステイナビリティ高等研究所等を見学し、UNDPの近藤駐日代表からはプレゼンテーションをしていただき、貴重な経験となりました。とくに、近藤代表には、8月末に開催されたTICADⅥの準備のため、ケニア・ナイロビへの出発間際であるにもかかわらずお時間をとって下さり、心から感謝しています。
今回のフィールドワークを通して感じたことを聞かせてください。
教室での学びとはまた違って、外交や平和問題に取り組むグローバルな機関を実際に訪問し、そこで仕事をされている方々のお話を聞けるフィールドワークの授業は本当に興味深く、自分の将来についても考える貴重な経験となりました。UNDPの近藤さんからはSDGs(持続可能な開発目標)についてのレクチャーを受けましたが、近藤さんから、「私たち一人ひとりがSDGsの目標を達成する主役なのです!」と聞き、若者の可能性に期待を寄せて下さっていることに感動しました。今回のフィールドワークを通して、実際に世界を舞台に活躍されている方々に直接お会いでき、世界をより身近に感じるとともに、自分たちが主体となって「人間の安全保障」が守られる世界を創っていきたいと強く感じました。

関連リンク
ページ公開日:2016年10月20日
  • キャンパスガイド2023法学部
  • 在学生からのメッセージ
  • 卒業生からのメッセージ
  • キラめき★学生REPORT
  • バッキンガム大学留学日記