「地球温暖化」と「技術創生」 -世界は価値を生む“炭素管理産業”の創生に動いている
理工学部長・教授 戸田 龍樹
創価大学は、大学創立50周年を迎えた4月2日、「気候非常事態宣言」を発表しました。気候変動の危機に対して、本学の全教職員、学生が一丸となって対応する意思を表明するために発令された、この「気候非常事態宣言」では、2050年にカーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギーの拡大や省エネルギーに努めることを主軸に、国連が掲げるSDGs達成に取り組むこと、教育・研究機関としての挑戦と人材育成を盛り込んでいます。
10年後には、カーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)は、決して社会的にも容認できないものと認識されるようになっていることでしょう。その危機感や関心の高さが政府や自治体の政策と我々の行動の変化を促していくことになります。2050年には、持続可能な、世界の二酸化炭素排出量を大幅に削減する広範囲のエネルギー・トランスフォーメーション、二酸化炭素を回収・利用・除去する大規模な“炭素管理産業”が出現することになります。一連の炭素管理産業はエネルギー生産や新規のプロセスにより付加価値の高い製品や商品を生み出していくことでしょう。
私が子供ころに商店街にあった街の写真屋さんは、デジタルカメラの出現でその多くが消えていきました。今や、車のボンネットの中に目一杯詰め込まれた、大きくて複雑な内燃機関のエンジンはシンプルなモーターに置き換わろうとしています。部品点数も少なくなり、産業構造の変化をもたらそうとしています。あらゆる新しいテクノロジーが、次は、世界の二酸化炭素排出量の削減と除去を目指し、イノベーションの波を起こすことでしょう。
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