「教職の道」実現のために
通信教育部 講師 宗像 武彦
「教職の道」を目指す通教生の皆さん。
今年度は、各都道府県の教員採用試験の試験日や受験資格が変更しているところがあります。その状況を踏まえて「教職の道」を目指していきましょう。
―教育実習の日程をもとに対策を―
◎春に教育実習予定の方
春に教育実習予定の方は、教育実習後に各都道府県の1次試験があります。教育実習で学校現場を知ることは、2次等の試験に生かされますが、1次試験の準備が難しい状況があります。その状況を踏まえた取り組みが大切です。
◎秋に教育実習予定の方
秋に教育実習の予定の方は、6・7月に採用試験なので1次試験突破のための準備は進められますが、学校現場を知る機会がなくなる面があります。2次試験等の面接では、現場力を見ていくことが多くあります。それをカバーする具体的な取り組みが必要です。
―教育実習をもとに卒業と単位取得のための計画を―
「卒業と教員免許取得」は、「教職の道」の実現のための大前提です。そのためには
〇教育実習の日程をもとにして、卒業・免許取得と教員採用試験の準備の計画を立てていくことが大切です。
このような状況を踏まえて、以下のアドバイスをさせていただきます。
(1) 各受験する都道府県の過去問対策をする
教職教養や社会常識、専門教養の1次試験は、教師としての学力をみていきます。その1次試験を突破するためには、都道府県の過去問対策が大切です。過去問を繰り返し取り組むことで、その都道府県の問題の傾向や自分の弱点も見えてきます。また最近の出題傾向は、暗記式から活用型の問題が見られます。そのための
知識をつけ考える対策がポイントです。
- 都道府県の問題の傾向の把握と傾向を知り具体的な対策をする。
- 問題傾向からの自分の弱点の把握をもとに具体的な対策をする。
その中で教育法規は必須です。大事な法規は学習指導要領にまとめられています。学習指導要領を読み込むことも視野に入れてください。
(2)論作文の対策をする
論作文は、東京は1次ですが、他の道府県は2次などです。その論作文の課題を見ると、教師としての対応や考え方を問うことが多くあります。その課題に沿って適切に書くことが必要になります。そのためには、
- その都道府県の過去の問題をもとに論作文を何度も書いていく。
- 論作文を書いたら、各都道府県の知人の校長先生や教職キャリアセンター講師の先生方に見ていただき何度も書いていく。
- 受験する都道府県教育委員会のホームページの教育情報から、どのような教育施策や教員の採用を進めているかを把握する。
論作文は、具体的な教師としての取り組みを問う問題が多く、受験地区の情報をもとに何度も書くことで自分の考えがまとまっていきます。
一次試験の突破は、個人の日々の努力、やはり勉強量がものを言います。合格を勝ち取るという強い精神力と体力、身近にいる先輩や教職キャリアセンターの先生方との相談も1次試験の突破力になります。
(1) 集団面接・個人面接の対策ができていますか?
①集団面接は
集団面接には、集団討論や集団面接があります。その都道府県の状況を把握することが大事です。この集団の面接は、主にテーマが出され、そのテーマごとに自分の考えを伝えていく面接と討論する面接などです。
通教生の皆さんは、個人での学びで集団面接の準備が難しいところがあります。そのために教職キャリアセンターのHPをチェックして「教員採用試験対策」の「対策講座」を積極的に申し込んでいくことです。
また通教では、夏期スクーリングのある8月に対策講座等を設定しています。ぜひとも参加してください。
〇集団面接では、課題やテーマが出されることが多くありますが、「現場」を踏まえた考えが求められています。「現場」を想定しノートに書いて考えをまとめていくことが集団面接対策になります。
②個人面接は
各都道府県で提出する「面接表」「自己PR表」などをしっかりとまとめておくことが大事です。この「面接表」などから、面接官がいろいろと聞いてきます。そのためには、「面接表」などに書くことは、
*聞かれても答えられることを書いておくこと。
*答えるときは、短くまとめて答え、そこから深堀されていく答え方を考えてまとめておく。
このようなことは、なかなか個人では難しいので、やはり近くの知人の校長先生や教職キャリアセンターの対策講座と相談が大切になります。
③その他
各都道府県によって実技試験や模擬授業、場面指導などがあり、現場力が必要になっています。その都道府県にあった取り組みと対策が決め手です。
今採用試験で、どんな教師を各都道府県の教育委員会は必要としているか?
それは、すぐにでも
学校で子供たちの教育を任せられる「現場力」です。
働きながら仕事をされ学んでいる通教生の皆さん方には、困難さがあると思います。でも、教職の道実現のためには、「現場力」がポイントになります。
- そのためには、現在の仕事を工夫し学校現場や子どもたちとかかわるところに自分の身を置ようにすることです。
- 現場の状況や悩みを教職キャリアセンターの先生方とつながり、何度も相談して行くことが「現場力」につながります。
この取り組みを進めることは、面接試験などで現場の対応を具体的に話すことができ、教職の実現に近づいていきます。
通教生の皆さんが、現場力をつけ創価の人間教育の道へ、「教職の道」を切り拓らかれていくことを強く期待しております。
むなかた たけひこ MUNAKATA Takehiko
通信教育部 教職指導講師
[ 職 歴 ] 東京都小学校校長
[専門分野] 教育学
[担当科目] 教職概論、教職実践演習
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