4タイプの「レポート作成講義」の概要
通信教育部 教授 有里 典三
自学自習が中心の通信教育では、学生の皆さんが一人でレポートを作成できるようになることが卒業あるいはそれぞれの目標達成を達成するために重要となります。そのための具体的な学習支援プログラムが、全学生を対象に実施される「レポート作成講義」です。レポート作成講義は卒業に必要な科目ではありません。しかし、通信教育部での学習量のおよそ75%をレポート学習が占めています。レポート学習を攻略できなければ、事実上、卒業ができないことも自明の理です。そのために2015年の4月から、レポート学習の全過程を時系列ごとにまとめ、それぞれの段階で必要となるアカデミック・スキルを習得することめざすレポート作成講義がスタートしました。
レポート作成講義では、通信教育部の専任教員が講義資料(冊子)を用いて、わかりやすくレポート学習のポイントを解説し指導します。講義内容には4つのタイプがあり、「入門タイプ」「Aタイプ」「Bタイプ」「Cタイプ」に区分されています。それぞれのタイプごとの内容については以下で説明しますので、ご自分の弱点がどこにあるかをしっかりと見極めたうえで、その弱点を克服するために必要なスキルを「レポート作成講義」で重点的に補強してください。ここでは最初に、2024年度の「レポート作成講義の年間実施計画」を示しておきますので、皆さんのレポート学習の水先案内として活用していただければ幸いです。
・【講義ポイント】…入門タイプの講義ポイントは、①レポート学習の進め方と留意点、②レポート学習の前半と後半の学習課題、③それぞれの作業工程において、「読む・書く・考える」能力を高める基本的なアカデミック・スキルについて概説することです。
① では、「学術的なレポートと作文、エッセイ、小説との違い」、「レポート学習の心得」、「不正レポートと罰則」について言及します。
② では、レポート学習の前半(1週間・15時間程度の学習量)の重点課題が、「レポート課題の意味を的確に理解するスキル」と「テキストの内容を正確に読み取るためのスキル」の2点にあることを示します。それに対して、レポート学習の後半(同じく1週間・15時間程度の学習量)の課題が、「論理的なレポートを執筆するためのスキル」と「下書きを見直してレポートを完成させるためのスキル」を習得する点にあることを示します。
③ では、レポート学習の全工程で「読む・書く・考える」際に必要となる代表的なアカデミック・スキルを通り上げて紹介します。入門タイプでは、レポート学習全体の工程を時系列的に総攬することに力点を置き、個々の具体的なアカデミック・スキルについてはA・B・Cタイプでより詳しく扱うことになります。
▪【開催時期と形式】…3月・4月・5月の新入生ガイダンス当日の13:30~【対面】
夏期スクーリング期間中の8/11、8/16、8/21の18:30~【対面】
▪【参加申込方法】…学光ポータルの「学修サポート」メニュー内「各種ガイダンス・レポート講義・個別相談・懇談会申込」の「レポート作成講義」から申し込んでください。
▪【講義ポイント】…Aタイプの講義ポイントは、①レポート課題の意味を的確に把握するためのスキルと、②テキストの内容を正確に読み取るためのスキルをわかりやすく説明することに置かれています。
① については、レポート課題のゴールをピンポイントで予測するために、「出題の意図」や「要求されている解答の種類」を読み取るためのコツ、「関連情報」をテキストの中から見つけ出すためのコツ、「考察条件」と「考察の種類」を正確に把握するためのコツ、などを具体例を踏まえながら解説します。
② については、テキストの全体像をつかむための「トップダウン的な読書術」、内容を正確に読み取るための「パラグラフ単位の精読術」、レポート課題(問い)に対応した解答を探し出すための「探索型の読書術」、思考を深めるための「批判的な読書術」など、4種類の学術的な読書術について説明します。また、こうした読書術と密接に関連する「読書メモ」の取り方や「情報カード」の作り方の技法についても解説します。
▪【開催時期と形式】…科目試験前日の6/8(土)と9/7(土)の10:30~【オンライン】
夏期スクーリング期間中の8/11、8/16、8/21の18:30~【対面】
▪【参加申込方法】…学光ポータルの「学修サポート」メニュー内「各種ガイダンス・レポート講義・個別相談・懇談会申込」の「レポート作成講義」から申し込んでください。
▪【講義ポイント】…Bタイプの講義ポイントは、レポート全体を明確な論理に基づいて執筆するためのスキルをわかりやすく説明することです。すなわち、レポート全体のアウトライン(思考の見取り図)を作成するコツ、全体(2,000字)を「序論・本論・結論」の3つのパートに区分して構造的に組み立てるコツ、レポートの基本単位となる「パラグラフ」の要件や、わかりやすいパラグラフを作るための「叙述パターン」の特徴、などに焦点を当てます。この執筆段階の学習は学生の皆さんがもっとも苦手とする内容だと思いますが、ここで紹介するアカデミック・スキルをどこまで習得し使いこなせるようになるかが、レポートの完成度を左右することになります。
▪【開催時期と形式】…科目試験前日の7/13(土)と11/23(土)の10:30~【オンライン】
夏期スクーリング期間中の8/11、8/16、8/21の18:30~【対面】
▪【参加申込方法】…学光ポータルの「学修サポート」メニュー内「各種ガイダンス・レポート講義・個別相談・懇談会申込」の「レポート作成講義」から申し込んでください。
▪【講義ポイント】…Cタイプの講義では、①下書きしたレポートを見直して磨きをかけ完成品にするまでのスキルを体系的に説明することと、②レポートの説得力を高めるための代表的な「論証形式」についての知識を教授する点にポイントが置かれています。
すなわち、①については、論理構成面からの推敲、文章作法に則った推敲、原稿作法とルールに則った推敲の3つの観点から、推敲作業のポイントと具体的なスキルを体系的に説明する予定です。
② の論証形式については、論理的な観点からみた「妥当な論証形式」とダメ論証の違い、「分類と定義」、「敷衍的な説明や例示」、「因果関係」、「比較・対照」といった頻繁に使用されるパラグラフ・ライティングの技法について具体的に説明します。
▪【開催時期と形式】…科目試験前日の10/19(土)の10:30~【オンライン】
夏期スクーリング期間中の8/11、8/16、8/21の18:30~【対面】
▪【参加申込方法】…学光ポータルの「学修サポート」メニュー内「各種ガイダンス・レポート講義・個別相談・懇談会申込」の「レポート作成講義」から申し込んでください。
以上に示した4タイプのレポート作成講義は、365日24時間いつでも視聴できるように、学光ポータルの「学修サポート」メニュー内に「WEBレポート作成講義映像」として用意されています。WEBレポート作成講義では学生の皆さんからの個別の質問にはお答えできませんが、申し込みは不要で何度でも繰り返して視聴できますので積極的にご活用下さい。
以 上
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新しく学光ポータル「学修支援だより」が
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