相互評価文化の醸成

相互評価文化の醸成

 自らの学業成果を客観的に見つめ、或いは友人の学修達成度を誠実に評価するには勇気がいる。種々の指標を用いて適正に評価するには、知恵がいる。相手の成長を思いやり、知恵を搾り勇気を出して語るには慈悲がいる。「勇気」「知恵」「慈悲」は、本学が育成を目指す創造的人間の3大資質である。このような成長指向の相互評価とは、まさに創造的人間に育つための基礎訓練である。

【学生の相互評価】
  相互評価を先導するピアサポーター(シニアSA)の養成を進め、互いの成長を促す相互評価を体験する機会を学生に与える。学生はAL指標ルーブリックなどを使った相互評価を通じて、自らの学修成果と向き合い、次の学修をデザインし成長目標をシートに記入する。既存のポートフォリオシステムを活用し、様々な学生調査の結果と共に自己成長記録として保管・蓄積する。これにより、次のアセスメント科目履修の際には授業開始時の目標設定の参考となり、学年進行に沿って自らの成長を振り返る際の資料となる。

【教員の相互評価】
 教員は質問会議(アクションラーニング)と呼ばれる問題解決を促進する会議手法を用いて、授業ポートフォリオを活用しながら同僚と授業改善計画を考える。質問会議は、ALマスター(後述)を中心に実施する。この同僚間の相互評価は、学部や大学の学修成果達成に向けた内省の機会となる。その際、履修学生の意見や態度など、改善に必要な情報の収集を PASS(Peer Assessment Support Staff:アセスメントの訓練を受けた学生) が支援する。教員にも授業改善に関する相互評価の機会を与え、教員側の評価意識の変革を促すことで、成長指向の相互評価文化の醸成が加速的に進む。