講師

山本 和弘

ヤマモト カズヒロ

Profile

専門分野

憲法、ドイツ法、宗教法

研究テーマ

1.政教分離研究
2.信教の自由研究
3.ドイツ宗教法の研究

研究内容

国家と宗教との規範的関係を研究しています。政教関係は、国ごとの歴史的・文化的背景により異なり、「外国ではこうだから」といって、それをそのまま日本のお手本にすることはできません。かかる政教関係が規定された背景を深く理解し、そこから国ごとの独自性と、普遍性を選別し、日本のあるべき政教関係を確立するためにはどうすれば良いのか、信教の自由の保障との関係でどう考えていくべきなのか、そういったことに関心があります。

担当科目

憲法総論・統治機構論、憲法人権論、日本国憲法、法学入門、演習

ゼミテーマ

・当ゼミでは、世の中に生じる様々な憲法問題について、各自の関心に応じて研究します。ただし、憲法判例を検討する場合も、判決要旨、その論理構造、他の事案との整合性等の技術的な理解で終わりにするのではなく、当該事件の時代的・社会的背景や、訴訟の過程にも踏み込んでください。

・そのための方法として、このゼミでは「共感」をキーワードにしたいと思います。憲法訴訟の背後には、必ず「傷ついている人」が存在します。ある時は経済発展の負の側面として、ある時は「多数派の意見」に押し流されて、ある時は誰からも気づいてもらうことすらできず、自分の権利や自由を抑圧された個人がいます。「昔こんな裁判があったんだ」で終わらせず、「なぜこの時代に、このような人権侵害が生じたのか」、「当時の社会の反応はどうだったのか」、「なぜ現代の視点からは不適切としか言いようのない政策が、当時はまかり通っていたのか」、その時代の空気に自らが飛び込み、当事者の思いに徹底的に共感してください。

・憲法訴訟の当事者は、多くの場合は社会的にマイノリティであることが多く、そして、マイノリティの問題であるがゆえに、多数派のために犠牲を強いられたり、長い間声を上げることができなかったということが多々あります。そうした抑圧されたマイノリティに徹底的に共感・同苦し、「誰かの問題」を「自分自身の問題」にまで内面化してください。そうした共感を通じて、はじめて憲法問題や憲法裁判を「感得」できると信じます。

主な経歴・職歴・学歴

愛知学院大学法学部、
早稲田大学大学院法学研究科公法学専攻修士課程、
早稲田大学大学院法学研究科公法学専攻博士後期課程を経て、
現在 創価大学法学部専任講師

所属学会・団体

日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会、宗教法学会、ドイツ憲法判例研究会

メッセージ・ひとこと

学生生活にとって、資格や就職ももちろん大切ですが、何よりもまず、あなた自身が学びを通じて幸福になることを基軸に据えて欲しいと思います。自身の幸福のためにはどのような資格や進路が必要なのかが大切なのであって、目的と手段が逆転し、資格や就職に振り回されてしまっては本末転倒です。また、「ありのままの姿」を受け入れあえる友人をたくさん作ってください。学生生活で手にした教養と友人は、誰からも奪われることのない、いかなる苦難にも壊されない、心の財(たから)になるはずです。