前川 健一(教授)

マエガワ ケンイチ

専門分野 仏教学
研究テーマ 1.古代・中世を中心とする日本仏教の教理史
2.生命倫理を中心とする仏教の倫理思想
3.法華経の成立論・享受史

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研究者情報詳細

  • 研究紹介 日本仏教の教理史の解明を目標に、これまで以下のような研究を行ってきた。
    1. 各時代の特色ある仏教者の思想研究。平安初期の最澄・円珍、鎌倉期の日蓮・明恵(高弁)、近代の山川智応などについて論文を執筆してきた。特に明恵については博士論文を執筆した他、彼の『夢記』について共同研究を行っている。
    2. 生命倫理を中心とする仏教の倫理思想の研究。脳死問題への対応、出生観にかかわる問題などについて論文を執筆してきた。
    3. 法華経の成立論・享受史。現存最古の漢訳である『正法華経』を中心に、従来説の再検討を行っている。

    主要業績
    『明恵の思想史的研究:思想構造と諸実践の展開』(単著、2012年、法藏館)、
    奥田勲・平野多恵・前川健一編『明恵上人夢記訳注』(共編著、2015年、勉誠出版)
    最近の業績
    「問答法の比較思想史のために:論義とスコラ哲学を手がかりとして」(末木文美士編『比較思想から見た日本仏教』、2015年、山喜房)
    「法華経寿量品の原初形態についての試論:『正法華経』からの検討」(『東洋哲学研究所紀要』31号、2015年)
    研究、教育方針 日本仏教思想史は、仏教思想史の一環であると同時に、日本思想史の一部でもある。今後は、個別文献・個別思想家の考察を継続しつつ、仏教史全体の中での日本仏教の位置づけを検討すると同時に、仏教が日本の思想の中で果たした役割についても考察していきたい。前者に関しては、ここ数年手がけている法華経の成立論にかかわる研究を推進し、全体像をまとめることを当面の目標としている。後者については、中世日本における特徴的な教学研鑽のスタイルである「論義」を通して、日本人の思考法の特質に迫っていきたいと考えている。
    教育面では、垣根を取り払った自由な討論を通じて、互いに学び合っていきたい。各人の問題意識を「論文」という作品に結実させられるよう、丁寧な指導を心掛けたい。
    メッセージ ジャンルを問わず、日頃から幅広く関心を持つように心がけてください。一見何の関係もないような知識や経験でも必ず研究を進める上で役に立つ日が来ます。私自身、常に学び続けたいと思っていますので、何か気になることがあれば、気軽に声をかけてください。
    その他 学問をするには瞬発力だけでなく持久力も必要なので、無理をして体調を崩さないよう、余裕のある学習計画を立ててください。心配なことがあれば、何でも相談してください。

ページ公開日:2017年08月18日 11時16分
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