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前田 幸男(教授)
マエダ ユキオ
専門分野 | 政治学、平和学、国際関係論 |
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担当科目 | Global Issues、Peace Studies、国際政治論、平和学、テーマゼミ(アメリカ研究)、演習Ⅰ~Ⅳ、人間の安全保障ワークショップ、人間の安全保障フィールドワーク、国際平和・外交チュートリアルなど。 |
研究テーマ | 惑星政治学、平和の政治思想、大衆文化と世界政治、批判的安全保障研究 |
略歴
- 1974年 神戸市に生まれる
- 1997年 創価大学文学部卒業(23期)
- 1997年 国際基督教大学大学院行政学研究科博士前期課程入学
- 1999年 同 修了
- 1999年 国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程入学
(2005年に満期退学)(この間、イギリス留学を経験) - 2004年 国際基督教大学社会科学研究所助手(~2011年3月)
(この間、茨城大学、お茶の水女子大学などで非常勤講師を担当) - 2010年 国際基督教大学より博士(学術)を取得
- 2011年 大阪経済法科大学法学部准教授(~2015年3月)
- 2015年 本学法学部准教授
- 2019年 本学法学部教授
主要な論文・著作
著作
『世界政治を思想するⅠ・Ⅱ』(共編著、国際書院、2010年)
『国際政治モノ語り:グローバル政治経済学入門』(共著、法律文化社、2011年)
『グローバル政治理論のための30冊』(共著、人文書院、2011年)
『EUの規制力』(共著、日本経済評論社、2012年)
『平和を考えるための100冊+α』(共著、法律文化社、2013年)
『政治概念の歴史的展開 <第7巻>』(共著、晃洋書房、2015年)
『デモクラシーとセキュリティ: グローバル化時代の政治を問い直す』(共著、法律文化社、2018年)
『「国際政治学」は終わったのか―日本からの応答』(共著、ナカニシヤ出版、2018年)など。
論文
「パスポート・ビザからみた統治性の諸問題――「e-パスポートによる移動の加速・管理の深化」と「アフリカ大陸への封じ込め」」(査読有)、『国際政治』(155)、2009年
"A Genealogy of Japan’s Governance under the U.S. Nuclear Regime: An Approach from the Military-Industrial-Media-Entertainment-Network," East Asian Review(15), 2014。
「気候変動問題から見る「惑星政治」の生成:「人新世」時代に対応するための理論的諸前提の問い直し」(査読有)『境界研究』(8)、2018年
「構造的暴力論から「緩慢な暴力」論へ ―惑星平和学に向けた時空認識の刷新に向けて」(査読有)、『平和研究』(54)、2020年など。
翻訳
ヨハン・ガルトゥング「グランドセオリー序説―平和のミニ・セオリー」『平和のグランドセオリー序説』 (ICU21世紀COEシリーズ)、風行社、2007年。
ジョン・G・ラギー『平和を勝ち取る――アメリカはどのように戦後秩序を築いたか』(小野塚佳光との共訳)岩波書店、2009年
リチャード・フォーク『パワー・シフト : 新しい世界秩序に向かって』(千葉眞他との共訳)岩波書店、2020年など。
所属学会
①日本政治学会、②日本国際政治学会、③日本平和学会、④日本政治思想学会、⑤総合人間学会、⑥International Studies Association(ISA)
メッセージ
時間があればとにかく読書し、思索を続けていって下さい。そこにしか自由はないとの危機感にも似た思いが強まっています。しかし、それは同時に楽しい作業になるはず。世界を何度も再発見する醍醐味を体験してみませんか?とにかく語り合いましょう。
ゼミ紹介
演習テーマ
惑星平和学研究:ポストSDGsを見据え、変革の主体へ
研究内容
1.暗澹たる世界と惑星限界の現状
外交・軍事(従来の国際政治学の守備範囲)と、内政(従来の政治学の守備範囲)という形で分業体制が存在してきたが、現実は、日常生活、貧困、紛争、環境、宗教、文化といった諸相が複雑に交差して、国際/国内は縦横無尽に切り結ばれている。また独裁的な指導者が次々と誕生する、きな臭い時代に入ろうとしている。そうした困難な現実に向き合いながら、平和の創出に必要な条件を考えられる人材を輩出することを狙いとしたゼミです。
2.SDGsを空間的・時間的に把握する
SDGs(持続可能な開発目標)は、こうした状況に対抗するべく登場してきました。当ゼミでは、その真の意味について、総合的に考察していくことになります。一つのアプローチは空間的にグローバル都市のスラムの惑星という視点を掘り下げていくことです。もう一つは、時間的にこれら「緩慢な暴力(slow violence)」がどのように展開してきたのか。さらには、われわれ「近代人」のメンタリティをいかにしてこのように深いレベルにまで浸透したのかを考える機会にします。
3.ソフトパワーと文明論的視座の研磨
もちろん暴力の問題は、文化の問題でもあります。深い次元で理解したければ、文化から目を背けることはできません。例えば、アメリカにおけるハリウッド映画やディズニー映画(含:ディズニーランド)、テレビドラマ、アニメ、ゲーム、ドキュメンタリー、雑誌などのソフト・コンテンツが主体形成に与えた影響について考えながら、ゼミでは建学の三指針の一つである平和の「大文化建設」に何が必要なのかを考察する場となるでしょう。
そのためには、政治思想や哲学のエッセンスを利用することが、理解を深い次元にまで導いてくれます。ゼミでは、随時その有用性を伝えていく。
前田ゼミが目指すもの
- 感じたこと、考えたことを自分の言葉で語ることのできる学生の輩出。同時に、教員を含む他の参加者の発言をしっかり聞き、理解した上で、会話のキャッチボールもできる学生を輩出したい。
- 夏合宿や懇親会を予定しています(できれば他大学のゼミとの交流も)。そうしたことを楽しめる一人一人を育てたい。
しかし、ただ楽しいというゼミでもありません。要はこういうことです。「楽しいと楽は違うよ。楽しいと楽は対極だよ。楽しいことがしたいんだったら、楽はしちゃダメだと思うよ。」(甲本ヒロト) - 大学での学びの醍醐味はゼミです。ゼミでの⼈間関係がなければ、OB・OGは大学には戻ってこないし、後輩も育たない。縁した人との信頼関係をゼミで培えるなら、社会に出ればどこででもやっていけるはずです。ゼミでの濃密な学びの機会を足場に、しなやかで独創的な一人一人に育っていけるよう全力で応援します。
文系大学院 法律学専攻
専門分野 国際政治学 研究テーマ - 惑星政治学
- 難民・移民の国際政治学
- 境界研究、政治地理学
研究紹介 - 人新世の惑星政治学(気候変動、近代そのものの転換の必要性についてなど)
- アメリカの軍事主義(基地、学校、テレビ、映画、車、ゲームなどの日常が支える軍事主義)
- 境界研究、政治地理学(国境管理、批判地政学、アイデンティティ形成)
- EUを目指す難民の移動管理(EU、難民、庇護申請者、人口管理、パスポートビザ)
- 宗教と主権をめぐる政治理論の再構築(領土、人民、カリフ制、計測、統治性など)
- ミシェルフーコーの思想体系から見た世界秩序論
- 批判的安全保障研究(人間の安全保障、解放、フェミニズム、ポスト植民地主義、セキュリタイゼーションなど)
研究、教育方針 今後の研究については、国際政治学・政治地理学・政治理論・平和学などの諸分野における「マテリアル・ターン」の持つ意味についての包括的検討を進めていきたいと考えています。教育方針については、今後の創価教育を支える「平和文化」を体現した人材を育成するのに必要な知識は引き継げるよう、真摯に学生と向き合いたいと思います。 メッセージ とにかく知的体力をつけていってください。閉じられた限定的な言説空間だけで満足せず、新しい英知を取り入れることに貪欲になってください。かつて創立者はこう述べています。「川というのは流れているからきれいなんだ。川の流れがとまってしまったら、たちまち、水は腐ってしまうんだよ。人間も同じだよ。動いている人、絶えず考えている人、そういう人は腐らないんだ。川の流れのように、常に清らかに、物事が進んでいくんだ。」(高村忠成, 創大通教生フォーラム第5号, 2011年, 24頁) これからは本当に価値創造できる人材だけが残っていきます。真価が問われます。だから、どうか本を読み続け、それらの知と知をつなげていく作業を続けていってください。