学位論文
審査基準

修士論文ないしリサーチ・ペーパーの審査基準

1.評価

修士論文ないしリサーチ・ペーパーの審査では、論文審査および最終試験(口頭試問)を経て最終点数がつけられ、70点以上が合格となります。博士後期課程へ進学を希望する場合は、80点以上が必要です。

2.論文審査基準

提出された修士論文ないしリサーチ・ペーパーの論文審査は、次の10項目に沿っておこなわれます。自分の作成している論文ないしリサーチ・ペーパーを各項目の達成度に照らしあわせながら執筆を進めましょう。
(1)論文タイトルの適切性
論文内容に相応しい論文タイトルあるいは副タイトルがつけられているか。
達成度 評価内容
5 問題提起を的確に表現しており、すぐれた論文題目である。
4 問題提起に相応しい論文題目が明示されている。
3 問題提起に相応しい論文題目であるが、副題にやや問題がある。
2 問題提起に相応しい論文題目となっていない。副題が不適切である。
1 問題提起に相応しい論文題目および副題になっていない。
(2)論文構成の妥当性
目次構成と目次タイトルが妥当であるか。
達成度 評価内容
5 目次の構成が極めて妥当であり、各目次タイトルも適切である。
4 目次の構成が適切であり、各目次タイトルも概ね適切である。
3 目次の構成に適切性に欠ける部分があるが、目次タイトルは概ね適切である。
2 目次の構成に適切性が欠ける部分があり、目次タイトルに不適切な箇所がある。
1 目次の構成が不適切であり、目次タイトルにも不適切な箇所が多くある。
(3)論文目的の妥当性
研究目的が明瞭であり各章と関連性があるか。
達成度 評価内容
5 研究目的が明確かつ簡潔に書かれ、その目的は各章に細分されて詳述されており、各章で意図されたことが明確に研究目的と関連している。
4 研究目的は明示されており、その目的は各章に細分されて記述されている。各章で意図されたことが、おおよそ研究目的と関連している。
3 研究目的は書かれているが、研究目的と各章の関連に不明瞭な箇所がある。
2 研究目的が不明瞭であり、各章への細分化は十分ではなく、それらの一部のみが研究目的に関連している。
1 研究目的が妥当性を欠くか不明確である。
(4)問題提起およびそれに対する結論の妥当性
当該テーマに関する一般的知識を偏向なく得た上で、本論で論じようとする問題点が明瞭に指摘されており、それらに対する応答が結論部で十分なされているか。
達成度 評価内容
5 問題提起の質が高く、かつ明確に述べられ、これに対する答えが明瞭・妥当である。
4 問題提起が明確に述べられ、それに対して概ね答えられている。
3 問題提起は明確に述べられているが、それに対する問いのすべてに答えられていない。
2 問題提起は明確であるが、それに対する答えに不備がある。
1 問題提起が明確になっておらず、答えも不明確である。
(5)先行文献研究の充実度と研究の意義
論文テーマに関する先行文献の研究がどの程度おこなわれているか。当該テーマ関する一般的知識が網羅的に把握された上で、当該研究の意義が明確にされているか。
達成度 評価内容
5 充分な先行文献研究がなされ、明確に既存の研究の問題点を指摘できており、研究の意義が明瞭になっている。
4 一定程度の先行文献研究がなされ、既存の研究の問題点を指摘できているが、研究の意義が十分説明しきれていない。
3 一定程度の先行文献研究が参照されているが、既存の研究の問題点の指摘が不十分であり、研究の意義が不鮮明である。
2 先行文献を集めてはいるが、その分析は機械的・列挙的であり、既存の研究の問題点の指摘が不完全かつ不明瞭である。
1 先行文献研究が非常に少なく、当該領域の理解度が低い。既存の研究の問題点も指摘されておらず、研究の意義も述べられていない。
(6)論述内容の不偏性・客観性
論述内容が一方的な視点で書かれていないか。偏ったものになっていないか。
達成度 評価内容
5 一貫して論述内容に偏りがなく、極めて学術的に書かれている。
4 論述内容のごく一部に偏りが認められるが、全体的に学術性は保たれている。
3 論述内容の一部に偏りがあり、学術的にやや問題がある。
2 論述内容に偏りが散見され、学術的に低い。
1 論述内容が一方的な視点で書かれており、学術性が極めて低い。
(7)論述内容の論理性と客観性
議論が整理され、各章各節のつながりが論理的になっているか。
達成度 評価内容
5 章立てを含めた論述の流れが極めて論理的で考察が緻密かつ明瞭である。
4 章立てを含めた論述の流れに適切性が保たれており、考察が論理的である。
3 論述の流れに一部不明瞭な個所があり、部分的に考察の論理性にも不明瞭な個所がある。
2 論述の流れに不明瞭な個所が多くあり、考察の論理性が不明瞭な箇所が多く見られる。
1 論述の流れが不明瞭であり、考察の論理性が極めて不明瞭である。
(8)記述方法の適切性
文章の綴り方、段落わけ、文法、文の構造などが適切か。
達成度 評価内容
5 適切な段落に分けられており、文章の綴り方、文法において間違いがなく、洗練された文章になっている。
4 文章の記述において重要な間違いが存在せず、研究論文として適切な文章になっている。
3 文章の記述においていくつかの間違いがある。研究論文として部分的に不適切な表現がある。
2 文章の記述において重要ないくつかの間違いがある。研究論文として不適切な箇所が散見される。
1 文章記述に関する間違いが重大で多くある。研究論文として不適切な箇所が多くある。
(9)註付けの適切性
打つべき箇所に註が適切に打たれているか。
達成度 評価内容
5 一貫した書式になっており、極めて適切に註が打たれている。
4 書式は概ね適切であるが、一部に不適切な個所がある。
3 書式に適切ではない箇所が散見される。
2 書式に適切でない箇所が目立つ。
1 書式が不統一であり不適切な箇所が極めて多い。
(10)参考文献およびその記載方法の適切性
適切でかつ十分な数の参考文献が参照されているか。使用した参考文献の中に学術性の低いものはないか。参考文献一覧は付いているか。註で挙げた文献が参考文献一覧に網羅され、かつその記載方法が適切か。
達成度 評価内容
5 参考・引用文献の質は高く、量的にも十分な文献数である。参考文献一覧に本文の註で挙げた参考文献がすべて網羅されており、かつ執筆要領にしたがって正確に記載されている。
4 参考・引用文献の質は高いが、文献の数が不十分である。本文の註で挙げた参考文献の一部が、参考文献一覧に記されていない。書式に不備はない。
3 参考・引用文献は参照されているが、いくつかの文献の質が低い。量的にも不十分である。参考文献一覧に本文の註で挙げた参考文献が網羅されておらず、一部書式に不備が見られる。
2 参考・引用文献は参照されているが、全体的に質が低い。本文の註で挙げた参考文献と異なる文献が、一覧に記されている。書式に不備が多い。
1 参考・引用文献の記載はあるが、質が低く量的にも不充分である。参考文献一覧がない、あるいはその記載方法に極めて不備が多い。

3.最終試験(口頭試問)審査基準

最終試験(口頭試問)は、主査委員1名および2名の担当委員の合計3名の教員で審査されます。試問後ただちに3名の審査委員は採点作業に移り、その場で修士論文ないしリサーチ・ペーパーの最終点数が決定し、かつ合格か不合格の判断がなされます。合否が決定されて以降、最終点数と合否判断が変更されることはありません。
(1)試問内容
まず主査から以下の内容について問われます。その後、各副査から質問があります。学生はそれらに明瞭かつ的確に回答しなければなりません。
研究動機 本研究テーマを選んだ理由な何か。
研究目的 本研究の目的は何か。
研究の意義 本研究は学術的にどのような意味をもつのか。
研究機関 本研究はどのようなスケジュールで進められたか。
研究方法 本研究では主にどのような研究方法が採用されているか(一次文献、二次文献、日本語文献、外国語文献、実態調査、インタビューその他)。
研究内容 本研究の本論の内容はどのようなものか。
今後の課題 本研究の射程と残された研究課題は何か。
(2)口頭試問の採点基準
口頭試問の結果は次の5項目に沿って審査・採点され、試問結果は、合格か不合格のいずれかになります。
研究動機の明瞭性 本テーマを選んだ理由について明瞭な回答がなされているか。
研究目的と意義 本研究の目的と研究意義を明確に説明できているか。
回答の明瞭性 審査委員からの質問に論理的かつ明瞭に回答できているか。
研究方法の妥当性 適切な期間と段階を経て作成されたものであるか。外国文献がどの程度使われているか。
今後の課題の明瞭性 本研究の残された研究課題を明確にしているか。

博士論文の審査基準

1.評価

博士論文の審査では、論文審査および最終試験(口頭試問)を経て合否が決定されます。

2 論文審査基準

提出された博士論文の論文審査は、次の10項目に沿っておこなわれます。自分の作成している論文を各項目の達成度に照らし合わせながら執筆を進めましょう。

(1) 論文タイトルの適切性
論文内容に相応しい論文タイトルあるいは副タイトルが付けられているか。
達成度 評価内容
5 問題提起を的確に表現しており、すぐれた論文題目である。
4 問題提起に相応しい論文題目が明示されている。
3 問題提起に相応しい論文題目であるが、副題にやや問題がある。
2 問題提起に相応しい論文題目となっていない。副題が不適切である。
1 問題提起に相応しい論文題目および副題になっていない。
(2) 論文構成の妥当性
目次構成と目次タイトルが妥当であるか。
達成度 評価内容
5 目次の構成が極めて妥当であり、各目次タイトルも適切である。
4 目次の構成が適切であり、各目次タイトルも概ね適切である。
3 目次の構成に適切性に欠ける部分があるが、目次タイトルは概ね適切である。
2 目次の構成に適切性が欠ける部分があり、目次タイトルに不適切な箇所がある。
1 目次の構成が不適切であり、目次タイトルにも不適切な箇所が多くある。
(3) 論文目的の妥当性
研究目的が明瞭であり各章と関連性があるか。
達成度 評価内容
5 研究目的が明確かつ簡潔に書かれ、その目的は各章に細分されて詳述されており、各章で意図されたことが明確に研究目的と関連している。
4 研究目的は明示されており、その目的は各章に細分されて記述されている。各章で意図されたことが、おおよそ研究目的と関連している。
3 研究目的は書かれているが、研究目的と各章の関連に不明瞭な箇所がある。
2 研究目的が不明瞭であり、各章への細分化は十分ではなく、それらの一部のみが研究目的に関連している。
1 研究目的が妥当性を欠くか不明確である。
(4) 問題提起およびそれに対する結論の妥当性
当該テーマに関する一般的知識を偏向なく得た上で、本論で論じようとする問題点が明瞭に指摘されており、それらに対する応答が結論部で十分なされているか。
達成度 評価内容
5 問題提起の質が高く、かつ明確に述べられ、これに対する答えが明瞭・妥当である。
4 問題提起が明確に述べられ、それに対して概ね答えられている。
3 問題提起は明確に述べられているが、それに対する問いのすべてに答えられていない。
2 問題提起は明確であるが、それに対する答えに不備がある。
1 問題提起が明確になっておらず、答えも不明確である。
(5) 先行文献研究の充実度と研究の意義および独創性
論文テーマに関する先行文献の研究がどの程度おこなわれているか。当該テーマ関する一般的知識が網羅的に把握された上で、当該研究の意義が明確にされ独創的な研究になっているか。
達成度 評価内容
5 充分な先行文献研究がなされ、明確に既存の研究の問題点を指摘できており、研究の意義が明瞭になっている。
4 一定程度の先行文献研究がなされ、既存の研究の問題点を指摘できているが、研究の意義が十分説明しきれていない。
3 一定程度の先行文献研究が参照されているが、既存の研究の問題点の指摘が不十分であり、研究の意義が不鮮明である。
2 先行文献を集めてはいるが、その分析は機械的・列挙的であり、既存の研究の問題点の指摘が不完全かつ不明瞭である。
1 先行文献研究が非常に少なく、当該領域の理解度が低い。既存の研究の問題点も指摘されておらず、研究の意義も述べられていない。
(6)論述内容の不偏性・客観性
論述内容が一方的な視点で書かれていないか。偏ったものになっていないか。
達成度 評価内容
5 一貫して論述内容に偏りがなく、極めて学術的に書かれている。
4 論述内容のごく一部に偏りが認められるが、全体的に学術性は保たれている。
3 論述内容の一部に偏りがあり、学術的にやや問題がある。
2 論述内容に偏りが散見され、学術的に低い。
1 論述内容が一方的な視点で書かれており、学術性が極めて低い。
(7) 論述内容の論理性と客観性
議論が整理され、各章各節のつながりが論理的になっているか。
達成度 評価内容
5 章立てを含めた論述の流れが極めて論理的で考察が緻密かつ明瞭である。
4 章立てを含めた論述の流れに適切性が保たれており、考察が論理的である。
3 論述の流れに一部不明瞭な個所があり、部分的に考察の論理性にも不明瞭な個所がある。
2 論述の流れに不明瞭な個所が多くあり、考察の論理性が不明瞭な箇所が多く見られる。
1 論述の流れが不明瞭であり、考察の論理性が極めて不明瞭である。
(8) 記述方法の適切性
文章の綴り方、段落分け、文法、文の構造などが適切か。
達成度 評価内容
5 適切な段落に分けられており、文章の綴り方、文法において間違いがなく、洗練された文章になっている。
4 文章の記述において重要な間違いが存在せず、研究論文として適切な文章になっている。
3 文章の記述においていくつかの間違いがある。研究論文として部分的に不適切な表現がある。
2 文章の記述において重要ないくつかの間違いがある。研究論文として不適切な箇所が散見される。
1 文章記述に関する間違いが重大で多くある。研究論文として不適切な箇所が多くある。
(9) 註付けの適切性
打つべき箇所に註が適切に打たれているか。
達成度 評価内容
5 一貫した書式になっており、極めて適切に註が打たれている。
4 書式は概ね適切であるが、一部に不適切な個所がある。
3 書式に適切ではない箇所が散見される。
2 書式に適切でない箇所が目立つ。
1 書式が不統一であり不適切な箇所が極めて多い。
(10) 参考文献およびその記載方法の適切性
適切でかつ十分な数の参考文献が参照されているか。使用した参考文献の中に学術性の低いものはないか。参考文献一覧は付いているか。註で挙げた文献が参考文献一覧に網羅され、かつその記載方法が適切か。英語以外の外国語文献が使われているか。
達成度 評価内容
5 参考・引用文献の質は高く、量的にも十分な文献数である。参考文献一覧に本文の註で挙げた参考文献がすべて網羅されており、かつ執筆要領にしたがって正確に記載されている。
4 参考・引用文献の質は高いが、文献の数が不十分である。本文の註で挙げた参考文献の一部が、参考文献一覧に記されていない。書式に不備はない。
3 参考・引用文献は参照されているが、いくつかの文献の質が低い。量的にも不十分である。参考文献一覧に本文の註で挙げた参考文献が網羅されておらず、一部書式に不備が見られる。
2 参考・引用文献は参照されているが、全体的に質が低い。本文の註で挙げた参考文献と異なる文献が、一覧に記されている。書式に不備が多い。
1 参考・引用文献の記載はあるが、質が低く量的にも不充分である。参考文献一覧がない、あるいはその記載方法に極めて不備が多い。

3 最終試験(口頭試問)審査基準

最終試験(口頭試問)は、主査委員1名および2名の担当委員の合計3名の教員で審査されます。試問後ただちに3名の審査委員は採点作業に移り、その場で博士論文の合否の判断がなされます。
(1) 試問内容
まず主査から以下の内容について問われます。その後、英語以外の外国語の知識も含め、執筆した論文の内容について各委員から質問があり、これに対して学生は明瞭かつ的確に回答しなければなりません。
研究動機 本研究テーマを選んだ理由な何か。
研究目的 本研究の目的は何か。
研究の意義 本研究は学術的にどのような意味をもつのか。
研究機関 本研究はどのようなスケジュールで進められたか。
研究方法 本研究では主にどのような研究方法が採用されているか(一次文献、二次文献、日本語文献、外国語文献、実態調査、インタビューその他)。
研究内容 本研究の本論の内容はどのようなものか。
今後の課題 本研究の射程と残された研究課題は何か。
(2) 口頭試問の採点基準
口頭試問の結果は次の5項目に沿って審査・採点され、試問結果は、合格か不合格のいずれかになります。
研究動機の明瞭性 本テーマを選んだ理由について明瞭な回答がなされているか。
研究目的と意義 本研究の目的と研究意義を明確に説明できているか。
回答の明瞭性 審査委員からの質問に論理的かつ明瞭に回答できているか。
研究方法の妥当性 適切な期間と段階を経て作成されたものであるか。外国文献がどの程度使われているか。
今後の課題の明瞭性 本研究の残された研究課題を明確にしているか。