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2021年06月14日

本学プランクトン工学研究所の秋月真一講師が「日本水環境学会 論文奨励賞(廣瀬賞)」を受賞

公益社団法人日本水環境学会(会長 松井 佳彦)は、2020年度学会賞、学術賞、論文賞、論文奨励賞、技術賞、技術奨励賞、ならびに特別功労賞を5月20日に発表し、本学プランクトン工学研究所の秋月真一講師が論文奨励賞を受賞しました。

日本水環境学会は、水環境に関連する分野の学術的調査や研究、知識の普及、健全な水環境の保全と創造への寄与、学術・文化の発展への貢献を活動目的とした学会で、会員数は現在約2100人です。論文奨励賞(廣瀬賞)は、水環境に関する研究が独創的であり、将来を期待される個人に贈られる賞です。

論文奨励賞を受賞した秋月講師の論文は、Water Research誌に掲載された「Effects of different light conditions on ammonium removal in a consortium of microalgae and partial nitrifying granules」です。論文では、アンモニア含有廃水の省エネルギー処理法として微細藻類と亜硝酸型硝化菌グラニュールの共存系に着目し、光強度の違いが共存系の機能に及ぼす影響を評価しました。特に、アンモニア除去に寄与する経路(硝化反応または微細藻類による摂取)が光強度よりも日積算光照射量に依存することを明らかにし、アンモニア除去を効果的かつ省エネルギーで行える日積算光照射量を推定した部分に独創性があります。

受賞後、秋月講師は、「この度は、日本水環境学会より論文奨励章をいただ頂き、大変嬉しく光栄に思います。微細藻類と細菌の共存系による廃水処理は古くから知られている手法ですが、アンモニア除去に主眼を置いた亜硝酸型硝化菌グラニュールとの共存系に関する知見は非常に限られていました。本論文では、光の強弱と照射時間の長さが共存系のパフォーマンスに与える影響を評価し、安定した処理性能が得られる条件範囲を推定しました。本手法の様な光を利用した廃水処理技術は、中南米、東南アジア、アフリカ等の太陽光が豊富に降り注ぐサンベルト地域で有効です。今後は、本研究を更に発展させ、既に共同研究の経験があるメキシコやエチオピア等の研究者の協力のもとで、実際の屋外環境での応用研究を進めていきたいと考えています。最後に、共著者として助言と協力をいただいた本学の戸田龍樹教授と岸正敏助教、メキシコ グアナファト大学の‪Germán Cuevas-Rodríguez教授に心から感謝申し上げます」と語りました。

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ページ公開日:2021年06月14日