文学部の蝶名林亮准教授の論文が国際的な学術誌に掲載されました
本学文学部の蝶名林亮准教授の論文「A Localist Turn for Defending Moral Explanations」が、学術誌『Asian Journal of Philosophy』に掲載されました。
同論文は「社会の不安定さはその社会の不正が原因である」「ある人が他者の苦しみに気が付いて援助行為を実践できるのはその人に慈悲という徳が備わっているからだ」などの、「不正」や「慈悲」という道徳上の価値に訴える道徳的説明について論じています。本論文では、この種の道徳的説明は、それぞれ異なる特徴を持つため、前者であれば関連する比較政治学の観点から、後者は社会心理学の観点から、別個で評価・検討されるべきだと主張し、そのような検討を通して、具体的にどの価値は実際に存在し、どの価値は存在しないのか、漸進的に明らかにできると主張しています。
蝶名林准教授は「博士課程在籍時から取り組んできたテーマについてまとまった論文を書くことができ、とても喜んでいます。道徳的説明についてはまだ興味深い研究が様々に可能だと考えています。これからもこのテーマについて地道な研究を続けていきたいと思います」と語りました。
教員情報

准教授
蝶名林 亮
チョウナバヤシ リョウ
- 専門分野
哲学・倫理学
- 研究テーマ
(1)メタ倫理学・メタ規範学(自然主義的な道徳的実在論,実践的規範性と認識的規範性の関係,個別主義と一般主義の論争,など)
(2)応用倫理学(医療倫理[インフォームド・コンセント],都市環境の倫理,福祉倫理,自殺,など)
(3)その他(信念の倫理,信仰 faith の性質,人文学の社会的影響,仏教の現代的展開,など)